ドアの鍵はロックされた状態で、女の子は窓ガラスを割って助け出され、病院に運ばれましたが意識不明の重体です。
警察によりますと、この車は3列シートタイプで、母親は女の子と2歳の弟を、それぞれ2列目のジュニアシートとチャイルドシートに座らせ、エアコンをつけた状態で待たせていたということです。
女の子は3列目で見つかり、2列目と背もたれを倒して平らにしてあった3列目の座席の間に首を挟まれていたということです。
母親が車を離れていたのは10分ほどで、警察は女の子が座席の間の狭いスペースに誤って首を挟んだ可能性があるとみて、詳しい状況を調べています。
救助の女児 ぐったり 呼びかけに応えず
現場の駐車場の隣にある証券会社に勤める男性は、営業に出ようとしたところ「助けて」という女性の叫び声がしたため現場に駆けつけました。
駐車場では、車の周りに10人以上が集まっていて、男性が近くにいた母親に状況を尋ねると、取り乱した様子で「子どもが中にいるので窓を割ってください」と頼まれたということです。
男性は持っていた傘で窓を割ろうとしましたが、割れなかったため、会社から持ってきた金づちで窓を割り、手を入れて後ろのドアを開けたということです。
車内では、助手席の後ろの席のチャイルドシートに男の子が座っていましたが、運転席の後ろの席と助手席の2つのジュニアシートには誰も乗っていませんでした。
よく見ると、女の子が2列目と背もたれを倒して荷台の状態になった3列目の間に首を挟まれていたということです。
男性は「母親がすぐにシートを動かして女の子を救出しましたが、女の子は呼びかけには応えずぐったりした様子でした」と話していました。
子どもの車内事故に注意
車の中での子どもの事故については、JAF=日本自動車連盟が平成22年から翌年にかけて全国の7000人余りを対象にインターネット上でアンケート調査を実施しています。
それによりますと、12歳未満の子どもがいる親の28%余り、4人に1人以上が、子どもが車の中でけがをしたり危険な目に遭ったりした経験があると回答しました。
この中には、子どもを残して買い物に出るなど、目を離している間に子どもが車内で危険な目に遭うケースも多く、座席の横の窓に顔や手などを挟まれたり、シートベルトが首にからまったりしたといった事例が報告されているということです。
JAF愛知支部の王賀通浩さんは「成長して自分の意思で動けるようになった小学校低学年くらいの子どもは、特に予期しない行動を取る可能性があり、幼い子どもだけを車内に残す場合は注意が必要です。なるべく子どもと一緒に行動するようにして、子どもだけを残さないようにしてほしい」と話しています。