大関おおぜき昇進しょうしん 貴き景勝けいしょう 口上こうじょうは「武士ぶし道どう精神せいしん重おもんじ」

これを受うけて日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいの２に人にんの使者ししゃが貴き景勝けいしょうと師匠ししょうの千賀ちかノ浦うら親方おやかたが待まつ市内しないのホテルを訪おとずれ大関おおぜきへの昇進しょうしんを伝つたえました。

これに対にたいし貴き景勝けいしょうは口上こうじょうで「謹つつしんでお受うけいたします。大関おおぜきの名なに恥はじぬよう武士ぶし道どう精神せいしんを重おもんじ、感謝かんしゃの気持きもちと思おもいやりを忘わすれず相撲すもう道どうに精進しょうじんして参まいります」と決意けついを述のべました。

貴き景勝けいしょう「救すくわれてきたことば」

貴き景勝けいしょうは、大阪おおさか市内しないのホテルで大関おおぜき昇進しょうしんの伝達でんたつ式しきを終おえたあと、師匠ししょうの千賀ちかノ浦うら親方おやかたとともに会見かいけんしました。

この中なかで貴き景勝けいしょうは「小ちいさい頃ころからの夢ゆめだったし、また１ひとつ目標もくひょうが達成たっせいできてうれしい。場所ばしょの疲労ひろうが抜ぬけてきたことでうれしさが増ましてきた気きがする」と喜よろこびをかみしめました。

伝達でんたつ式しきの口上こうじょうで「武士ぶし道どう精神せいしん」ということばを使つかったことについては「小ちいさな頃ころから自分じぶんを築き上きずきあげてきたことばだし、プロに入はいっても何なん度どもこのことばに救すくわれてきた。勝かっておごらず、負まけて腐くさらずということを常つね日頃ひごろから意識いしきしているが、それは武士ぶし道どうの中なかから得えたことばでもあるし、受うけた恩おんは必かならず返かえす人間にんげんになりたいという思おもいもあるので、このことばを使つかった」と込こめた思おもいを明あかしました。

報道陣ほうどうじんに「どんな大関おおぜきになりたいか」と聞きかれると、「それを言いったら終おわってしまうと思おもう。どんな大関おおぜきかではなく次つぎの番付ばんづけを目指めざしたい」と大関おおぜき昇進しょうしんにも満足まんぞくしないどん欲どんよくさをのぞかせました。

そのうえで「自分じぶんは、あまり攻撃こうげきパターンが多おおくないが、その中なかでも自分じぶんを信しんじてくれた人ひとの期待きたいに応こたえたいと思おもってやってきた。この小ちいさい体からだではまわしを取とるのは厳きびしいので、自分じぶんの武器ぶきを磨みがくしかない」と押おし相撲すもうを貫つらぬいていく決意けついを示しめしていました。

大関おおぜき昇進しょうしんの「口上こうじょう」とは

大関おおぜき昇進しょうしんは、日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいの使者ししゃが新しん大関おおぜきと師匠ししょうのもとを訪おとずれて直接ちょくせつ伝達でんたつし、新しん大関おおぜきは、受諾じゅだくする意思いしとともに大関おおぜきとしての決意けついを示しめす「口上こうじょう」を述のべます。

貴き景勝けいしょうの師匠ししょうだった平成へいせいの大だい横綱よこづな 貴乃花たかのはなは、平成へいせい５ご年ねんに大関おおぜきに昇進しょうしんした際さい「今後こんごも不撓ふとう不屈ふくつの精神せいしんで相撲すもう道どうに精進しょうじんします」と述のべました。「不撓ふとう不屈ふくつ」は、「どんな苦労くろうや困難こんなんにもくじけないこと」という意味いみのことばで、貴乃花たかのはなが横綱よこづな昇進しょうしんの際さいにも用もちいていました。

貴乃花たかのはなのように四よん字じ熟語じゅくごを用もちいる例れいは多おおく、貴乃花たかのはなの兄あにの元もと横綱よこづな 若乃花わかのはなが大関おおぜきに昇進しょうしんした際さいは「今後こんごも一意いちい専心せんしんの気持きもちを忘わすれず相撲すもう道どうに精進しょうじんいたします」と口上こうじょうを述のべました。「一意いちい専心せんしん」は、「脇目わきめもふらず心こころを一ひとつのことだけに注そそぐ」という意味いみです。

最近さいきんでは、おととしの夏場なつば所しょ後ごに昇進しょうしんした高安たかやすが「大関おおぜきの名なに恥はじぬよう正々堂々せいせいどうどう、精進しょうじんします」と口上こうじょうを述のべました。

一方いっぽうで、四よん字じ熟語じゅくごなどを使つかわない簡潔かんけつな口上こうじょうもありました。元もと横綱よこづな 稀まれ勢ぜいの里さとが平成へいせい23年ねんに昇進しょうしんした際さいの口上こうじょうは「大関おおぜきの名なを汚よごさぬよう精進しょうじんします」ということばでした。

去年きょねんの夏場なつば所しょ後ごに昇進しょうしんした栃とちノ心こころも「親方おやかたの教おしえを守まもり力士りきしの手本てほんとなるように稽古けいこに精進しょうじんします」と率直そっちょくな決意けついを述のべました。

このほか、糖尿とうにょう病びょうに苦くるしみながら番付ばんづけを上あげていった元もと横綱よこづな 隆たかしの里さとは昭和しょうわ57年ねんに大関おおぜきに昇進しょうしんした際さいの伝達でんたつ式しきで「稽古けいこに励はげみ、健康けんこう管理かんりに努つとめ、立派りっぱな大関おおぜきになるよう精進しょうじんします」とみずからの置おかれた状況じょうきょうを踏ふまえた口上こうじょうを述のべています。

貴き景勝けいしょうがかつての師匠ししょうのように四よん字じ熟語じゅくごを用もちいるのか、別べつの形かたちで決意けついを示しめすのか、伝達でんたつ式しきでの口上こうじょうが注目ちゅうもくされていました。