そして、延長11回、明豊はヒットや相手のエラーで2アウト満塁のチャンスを迎え、途中出場の6番・後藤杏太選手が右中間へタイムリーヒットを打って、明豊が龍谷大平安に1対0でサヨナラ勝ちしました。明豊は初めてのベスト4進出です。
平安は、7回途中から2人目で登板したエースの野澤秀伍投手がコーナーをつく丁寧なピッチングで好投しましたが、3年ぶりのベスト4進出はなりませんでした。
明豊 川崎監督「粘り強さで勝った」
明豊高校の川崎絢平監督は「やるべきことをきっちり積み上げて、チャンスを待っていました。我慢比べの戦いに粘り強さで勝ったということだと思います。特に投手陣は、持てる力を存分に発揮してくれて、この試合でまた精神的に成長できたと思う」と試合を振り返っていました。
そのうえで、サヨナラヒットを打った途中出場の背番号「15」、後藤杏太選手については「おとなしい性格だが、これまで試合に出られていなかった悔しい思いを胸に、自分のやるべきことを黙々と繰り返して努力してきた結果だと思います」とたたえていました。
次の試合については「ベスト4で満足しているわけではないので、新しい目標に向かって、次の試合も同じような苦しい戦いを想定して、立ち上がりからしっかりと戦っていきたい」と話していました。
明豊 表主将「次の目標は優勝しかない」
明豊高校のキャプテン、表悠斗選手は「チャンスは何回かあったが、相手のピッチャーがよくて、なかなか得点に結び付かなかった。サヨナラヒットを打った後藤選手には、ありがとうということばしかない。ここまで来たら次の目標は優勝しかないので、気持ちを切り替えて次の試合も頑張りたい」と話していました。
明豊 若杉「絶対に抑えようと」
明豊高校の2年生エース、若杉晟汰投手は「前に投げていた先輩がしっかり抑えてくれていたので、自分も絶対に抑えようという気持ちでマウンドに上がった。次の試合も、自分の出番が来たら全力で投げてチームの勝利に貢献したい」と話していました。
明豊 後藤「最高です」
延長11回にサヨナラヒットを打った明豊高校の後藤杏太選手は「甲子園で初めての打席だったが、緊張よりも打ってやろうという気持ちのほうが強かった。バットの芯で打った感触だったので、“抜ける”と思った。こういう場面で打つことができて最高です」と話していました。
龍谷大平安 水谷主将「夏に再挑戦したい」
龍谷大平安高校のキャプテンで4番の水谷祥平選手は「投手陣がふんばってくれていたのに、打つことができず、自分も4番としての役割を果たせなくて、悔しく申し訳ない気持ちです。夏に向けて、打撃面の強化とチームの課題である守備のもろさを改善していき、夏に再挑戦したい」と話していました。
龍谷大平安 橋本「夏に向けての自信になった」
龍谷大平安高校の橋本幸樹投手は「きのうの朝、監督から先発でいくぞと言われて、やってやろうと思った。カーブでストライクがとれたことやストレートで空振りがとれたことは、夏に向けての自信になった。野澤投手と張り合える投手になっていきたい」と話していました。
龍谷大平安 野澤「一球の重みを感じた」
龍谷大平安高校のエース、野澤秀伍投手は「ピンチの場面でも、仲間に声をかけられて、抑えてやるぞという気持ちになれた。最後、自分の失投で負けてしまい、一球の重みを感じた。悔しかった。ただ、ピンチでも自分のピッチングを貫けたことは自信につながった。夏に向けて、コントロールをさらに磨いていきたい」と話していました。