米大手カジノ「シーザーズ・パレス」、不正賭博事件をめぐる訴訟解決に伴い巨額罰金――マネーロンダリング規制違反で12億円超え科される
米国ロサンゼルスの報道機関KABCは22日(日本時間23日)、ネバダ州賭博規制当局が、マネーロンダリング防止規則に違反したとして、米国有数のカジノ「シーザーズ・パレス」に対し、780万ドル(約12億2000万円;えん})の罰金を科す決定を下したことを伝えた。この処分は、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(31)の元通訳である水原一平受刑者(40)の賭博胴元であったマシュー・ボウヤー受刑者をめぐる訴訟が解決したことに関連している。
報道によれば、ネバダ州賭博管理委員会は、ボウヤー氏が2017年から2024年にかけて数百万ドル規模の賭博を行っていた際、同氏がブックメーカーであるという疑念が度々指摘され、匿名の通報も複数寄せられていたにもかかわらず、シーザーズ・パレス側はボウヤー氏の資金源を適切に確認できなかったと主張している。
今回の罰金は、ボウヤー氏の不正賭博活動に関連し、罰則を受けたカジノとしては3件目となる。なお、本年初めにはリゾートワールドカジノにも1050万ドル(約16億4200万円;えん})の罰金が科されており、これは賭博委員会による過去2番目の高額罰金であった。
シーザーズ・エンターテインメントの幹部は、こうした違法行為を検知するシステムが十分に機能していなかったことを認め、「不当な利益を得る顧客を容認することはできない。ボウヤー氏を摘発できなかったのは遺憾であり、捕まえるべきだった」と、トム・リーグCEOが公聴会で述べた。
ボウヤー氏は2024年、連邦法違反を認め、有罪判決を受けている。訴因には違法賭博事業運営およびマネーロンダリングが含まれており、検察によれば、ボウヤー被告は水原氏を含む数百人の顧客から賭博を受けていたとされる。
また、水原受刑者は本年初頭、大谷選手の銀行口座から約1700万ドルを盗んだとして、銀行詐欺および脱税の罪で連邦裁判所より懲役5年の判決を受けている。
シーザーズ・エンターテインメント取締役会のゲイリー・カラーノ会長は公聴会において、「今回の事案に関する当社のマネーロンダリング対策プログラムの運用は到底容認できるものではない。今後は再発防止に全力を尽くす」と再発防止策の徹底を誓った。