さだ六と白い犬シロ
これは、秋田県の鹿角市に伝わる昔の話です。
さだ六は、鉄砲で動物を撃つ名人でした。白い秋田犬のシロを連れて、山に行きました。イノシシを追いかけて、隣の町に入りました。イノシシを撃って帰る時、隣の町の人に止められました。
さだ六は、どこで鉄砲を撃ってもいいという将軍の手紙を見せようとしました。しかし、家に忘れてきてしまいました。手紙がないと、さだ六は殺されてしまいます。
シロは、家に走って帰りました。そして、手紙を持ってきました。しかし、さだ六はもう殺されていました。
シロは、さだ六の体を引っ張って、山を越えて家の近くまで来ました。そして、悲しい声で遠くまで聞こえるように吠えました。そのあと、シロは石になってしまいました。
今でも、さだ六とシロが越えた山の道のことを「犬吠峠」と言います。