日本新聞: 新語・流行語大賞年間大賞は「リアル二刀流/ショータイム」

ことしの「新語しんご・流行りゅうこう語ご大賞たいしょう」が12月つき1日にち発表はっぴょうされ、年間ねんかん大賞たいしょうに、大リーグだいり-ぐ、エンジェルスの大谷おおや翔しょう平ひら選手せんしゅの活躍かつやくに関連かんれんした「リアル二刀流にとうりゅう/ショータイム」が選えらばれました。

「新語しんご・流行りゅうこう語ご大賞たいしょう」は、1年ねんの間まに話題わだいになった出来事できごとや発言はつげん、流行りゅうこうなどの中なかからその年としを代表だいひょうする言葉ことばを選えらぶ賞しょうで、ことしは30の言葉ことばがノミネートされました。

この中なかのトップテンが1日にち、東京とうきょうで発表はっぴょうされ、年間ねんかん大賞たいしょうには驚異きょうい的てきな活躍かつやくで話題わだいとなった大リーグだいり-ぐ、エンジェルスの大谷おおや翔しょう平ひら選手せんしゅに関連かんれんした「リアル二刀流にとうりゅう/ショータイム」が選えらばれました。

また、トップテンには、ことし開ひらかれた東京とうきょうオリンピック・パラリンピックに関にかんする言葉ことばが選えらばれました。

▽新しん競技きょうぎ・スケートボードで中継ちゅうけいの解説かいせつを務つとめたプロスケートボーダー、瀬尻せじり稜りょうさんが発はっした「ゴン攻ぜめ/ビッタビタ」

▽ボッチャで金メダルきんめだるを獲得かくとくした杉村すぎむら英孝ひでたか選手せんしゅの得意とくい技わざ「スギムライジング」

▽IOC＝国際こくさいオリンピック委員いいん会かいのトーマス・バッハ会長かいちょうについて、商業しょうぎょう主義しゅぎだと指摘してきした「ぼったくり男爵だんしゃく」

「ぼったくり男爵だんしゃく」で受賞じゅしょうした共同きょうどう通信つうしん社しゃ外信がいしん部ぶの渕ふち野新のしん一いち副ふく部長ぶちょう

「『ぼったくり男爵だんしゃく』はもともとワシントンポスト紙しのコラムに載のっていた『Baron Von Ripper-off』という言葉ことばでした。このコラムを紹介しょうかいする記事きじを書かいた際さい、ワシントン支局しきょくの同僚どうりょうが、ほどよくうまい具合ぐあいに訳やくし、オリンピックの開催かいさいをめぐって当時とうじ、もやもやしていた気分きぶんを抱だいていた日本人にっぽんじんの心こころに響ひびいたのかなと思おもいます。今回こんかいの受賞じゅしょうの栄誉えいよをワシントンポスト紙しのコラムニストとともに分わかち合あいたいと思おもいます」

トップテンにはこのほか、次つぎの言葉ことばが選えらばれました。

▽「ジェンダー平等びょうどう」

「ジェンダー平等びょうどう」の受賞じゅしょう者しゃとなり、リモートで表彰ひょうしょう式しきに参加さんかした連合れんごう＝日本にっぽん労働ろうどう組合くみあい総そう連合れんごう会かいの芳野よしの友子ゆうこ会長かいちょう

「大変たいへん光栄こうえいです。東京とうきょうオリンピック・パラリンピックの組織そしき委員いいん会かいの前ぜん会長かいちょうの発言はつげんが批判ひはんされたことをきっかけに、国内こくないでジェンダー平等びょうどうについて理解りかいが進すすんだと思おもいます。歴史れきし的てきには、これまでジェンダー平等びょうどう推進すいしんに尽力じんりょくしてきた方々かたがたがいたからこそだと思おもっています。今いまはコロナ禍かで、本当ほんとうに多おおくの女性じょせいが苦境くきょうに立たたされています。労働ろうどう組合くみあいとして、この状況じょうきょうが改善かいぜんできるようにジェンダー平等びょうどうの視点してんを運動うんどうのすべてに入いれて取り組とりくみを強化きょうかしていきたい」

新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいに関連かんれんする

▽「人ひと流りゅう」

「人ひと流りゅう」の受賞じゅしょう者しゃで、「人ひと流りゅう」という言葉ことばを2000年ねんの初はじめから使用しようしていた人ひと流りゅう・観光かんこう研究所けんきゅうじょ所長しょちょうの寺前てらまえ秀一ひでかずさん

「『人ひと流りゅう』という言葉ことばをトップテンに選えらんでいただき大変たいへんありがたく、受賞じゅしょう者しゃとしてこの場ばに立たたせていただいて光栄こうえいです。『人ひと流りゅう』という言葉ことばは、人ひとが移動いどうすること、移動いどうしないことを、地理ちり的てき、時間じかん的てきに広ひろがりをもって表あらわす概念がいねんです。以前いぜん、国際こくさい的てきな学会がっかいでも使つかってみましたが、あまり理解りかいされませんでした。概念がいねんと言葉ことばは、どこかで一致いっちさせなければなりません。この受賞じゅしょうを機会きかいに、『人ひと流りゅう』の概念がいねんが世界せかい的てきにも共有きょうゆうされるようにこれからも頑張がんばっていきたい」

▽「黙だま食しょく」

「黙だま食しょく」の受賞じゅしょう者しゃで、「黙だま食しょく」の呼よびかけを行おこなって反響はんきょうを呼よんだ福岡ふくおか県けんのカレー店てん「マサラキッチン」の店主てんしゅ、三辻みつじ忍しのぶさん

「静しずかに食事しょくじをしてくださいとお願おねがいするのになんとかよい方法ほうほうはないかと考かんがえていたところ、視覚しかく的てきにすぐ見みてわかる『黙だま食しょく』という言葉ことばが生うまれました。強つよい言葉ことばなので反発はんぱつもあるのかなと思おもっていましたが、お客様おきゃくさまからは安心あんしんしてお店みせに来くることができると言いってもらったり、ほかのお店みせからも感謝かんしゃの言葉ことばをいただいたりすることがありました。少すこしずつ段階だんかい的てきに、おいしいお食事しょくじと楽たのしい会話かいわをセットで楽たのしめるが日ひが来きたらいいなと思おもっています」

▽Adoさんが歌うたい、印象いんしょうに残のこるフレーズで話題わだいとなった楽曲がっきょく「うっせぇわ」

▽子こどもが親おやを選えらべないことを指さす「親おやガチャ」

▽1990年代ねんだいから2000年代ねんだいに生うまれた若者わかものを指さす「Z世代せだい」

「Z世代せだい」の受賞じゅしょう者しゃのうちのひとりで、インターネット上じょうで365日にち24時間じかん、無料むりょう・匿名とくめいで悩なやみの相談そうだんを受け付うけつけているNPO法人ほうじん「あなたのいばしょ」の理事りじ長ちょう、大空おおぞら幸みゆき星ぼしさん

「社会しゃかいを見渡みわたしてみると、日本にっぽんのみならず、世界せかい各国かっこくでも分断ぶんだんが進すすんでいます。分断ぶんだんはイデオロギー的てきな対立たいりつだけではなく、富とめるものが富とみ、貧まずしきものがさらに貧まずしくなるそういう分断ぶんだんもあります。分断ぶんだんは私わたしたちZ世代せだいの中なかにもあって、ヤングケアラーなど、1人にんで悩なやみ苦くるしんでいるZ世代せだいの若者わかものがいる一方いっぽうで、私わたしたちのような少すこし余裕よゆうがあり、声こえを上あげられるZ世代せだいもいる。私わたしたちが求もとめられていることは、同どう世代せだいの中なかの分断ぶんだんを乗り越のりこえて、私わたしたちがリーダーとなっていく時代じだいにおいて、社会しゃかい全体ぜんたいを分断ぶんだんのない世の中よのなかにしていくことだと思おもっています」