目撃者によりますと、北角さんは現地時間の昨夜7時45分ごろ自宅のアパートにいたところ治安部隊に連行されました。
現地の日本大使館は現地時間の19日朝、北角さんがヤンゴン市内のインセイン刑務所で身柄を拘束されていることを確認しました。
その後、大使館が拘束の理由について警察に確認を求めたところ、市民に不安を与えたりうその情報を流したりした疑いなどで拘束したことを明らかにしたということです。
また、警察は「けがはない」などと説明しているということですが、詳しい健康状態についてはわかっていません。
北角さんはことし2月26日にクーデターに反対するデモの取材中に警察に拘束され、このときは、その日のうちに解放されました。
今回は2度目の拘束で、裁判で有罪となった場合、最長で3年の禁錮刑が科されることから、拘束の長期化も懸念されています。
北角さんはこれまでクーデターに抗議する市民などを取材し、SNSに記事や動画を投稿したり日本メディアに寄稿したりして、現地の情報の発信を続けていました。
この男性によりますと18日夜、車両5台に分乗した治安部隊50人ほどが、北角さんが住むアパートを取り囲んだということです。 男性は「このアパートには、アウン・サン・スー・チー氏が率いる政党NLD=国民民主連盟の関係者が数人住んでいたため、治安部隊がNLDの関係者の捜索に来たのかと思った」と話していました。 そして治安部隊は、アパートの部屋を一部屋ずつ調べて回り、北角さんの部屋にも立ち入り、北角さんを拘束し、部屋から押収したものを2つの箱に入れて持ち出したということです。 連行されるとき、北角さんは両手を上げ、静かに車に乗り込み、治安部隊から暴行を受けている様子はなかったということです。
ミャンマー情勢について独自に調査している東南アジアのジャーナリストなどで作る団体によりますと、ことし2月1日のクーデター以降、治安当局に拘束された報道関係者は、今月15日の時点で合わせて65人で、このうち34人は今も拘束が続いているということです。 イギリスの公共放送BBCの記者は先月19日、首都ネピドーで取材にあたっていたところ何者かに連れ去られ、拘束されました。 BBCによりますと、この記者は3日後に解放されたということです。 軍はミャンマー国内の主要な5つのメディアの免許を剥奪したほか、最大都市ヤンゴンにある各社の事務所に立ち入り、幹部を拘束したり機材を破壊したりして批判的な報道を封じようとしています。 さらに軍は夜間のインターネットの遮断を続けているほか、先月中旬からは携帯電話のデータ通信も遮断しています。 国内の主要なメディアの活動が制限されるなか、市民らは治安当局の弾圧をSNSを通じて国内外に発信してきました。 軍としては、通信を遮断することで、こうした市民らの発信も制限し言論統制を強めるねらいがあるものとみられます。
北角さん連行時目撃の男性「両手上げ静かに車に乗り込む」
ミャンマー軍 メディアへ圧力強める