日本新聞: 長崎原爆の日祈念式典で市長「核兵器の脅威世界共通の課題」

長崎ながさき原爆げんばくの日ひ祈念きねん式典しきてんで市長しちょう「核兵器かくへいきの脅威きょうい世界せかい共通きょうつうの課題かだい」

Aug 9, 2020 13:08

Furigana

長崎ながさきに原爆げんばくが投下とうかされて、9日にちで75年ねんです。新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで平和へいわ祈念きねん式典しきてんの規模きぼが縮小しゅくしょうされる中なか、長崎ながさき市しの田上たうえ市長しちょうは、新型しんがたコロナウイルスの脅威きょういと同おなじように核兵器かくへいきの脅威きょういも世界せかい共通きょうつうの課題かだいだとして、すべての人々ひとびとが当事者とうじしゃとして問題もんだい解決かいけつに向むけて参加さんかするよう呼よびかけました。長崎ながさき市しの平和へいわ公園こうえんで行おこなわれた平和へいわ祈念きねん式典しきてんには、被爆ひばく者しゃや安倍あべ総理そうり大臣だいじんのほか、68の国くにの代表だいひょうなどが参列さんれつしました。

ことしの式典しきてんは、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんを防ふせぐため、一般いっぱんの参列さんれつ者しゃ席せきが設もうけられず、参列さんれつ者しゃは例年れいねんの1割わりほどの500人にん程度ていどとなりました。

式典しきてんでは、この1年ねんに亡なくなった被爆ひばく者しゃなど合あわせて3406人にんの名前なまえが書かき加くわえられた18万まん5982人にんの原爆げんばく死没しぼつ者しゃ名簿めいぼが納おさめられました。

そして、原爆げんばくがさく裂さくれつした午前ごぜん11時じ2分ふんに併あわせて鐘かねが鳴ならされ、参列さんれつ者しゃが黙もくとうをささげました。

長崎ながさき市しの田上たうえ市長しちょうは、平和へいわ宣言せんげんのなかで「新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょうが、自分じぶんの周囲しゅういで広ひろがり始はじめるまで、私わたしたちがその怖こわさに気付きづかなかったように、もし核兵器かくへいきが使つかわれてしまうまで、人類じんるいがその脅威きょういに気付きづかなかったとしたら、取り返とりかえしのつかないことになってしまう」と述のべ、新型しんがたコロナウイルスの脅威きょういと同おなじように核兵器かくへいきの脅威きょういも世界せかい共通きょうつうの課題かだいだとして、すべての人々ひとびとが当事者とうじしゃとして問題もんだい解決かいけつに向むけて参加さんかするよう呼よびかけました。

そのうえで、「核兵器かくへいき廃絶はいぜつは、人類じんるいがみずからに課かした約束やくそく」として、被爆ひばく者しゃの長年ながねんの悲願ひがんである核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやくを、日本にっぽん政府せいふが1日にちも早はやく署名しょめい・批准ひじゅんするよう求もとめました。

これに対にたいし安倍あべ総理そうり大臣だいじんは広島ひろしま原爆げんばくの日ひに続つづき、核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやくには触ふれず、「唯一ゆいいつの戦争せんそう被爆ひばく国こくとして、『核兵器かくへいきのない世界せかい』の実現じつげんに向むけた国際こくさい社会しゃかいの努力どりょくを1歩ほ1歩ほ、着実ちゃくじつに前まえに進すすめていくことは、わが国わがくにの変かわらぬ使命しめいだ」と述のべました。