春闘しゅんとう 非ひ正規せいき雇用こようも賃上ちんあげの動うごき 中小ちゅうしょう企業きぎょうは「難むずかしい」の声こえも

総務そうむ省しょうの労働ろうどう力りょく調査ちょうさによりますと、去年きょねん1年間ねんかんの平均へいきんで企業きぎょうなどに雇用こようされて働はたらく人ひとは役員やくいんを除のぞき5699万まん人にんとなっています。このうち、パートやアルバイトなどの非ひ正規せいき雇用こようで働はたらく人ひとは2101万まん人にんに上のぼっていて全体ぜんたいの36.9％となっています。

記録きろく的てきな物価ぶっかの上昇じょうしょうを受うけて基本きほん給きゅうを引き上ひきあげる「ベースアップ」の実施じっしを決きめる企業きぎょうが相次あいついでいて、賃上ちんあげに向むけた機運きうんは例年れいねん以上いじょうに高たかまっているといえます。

ただ、中小ちゅうしょう企業きぎょうからは原材料げんざいりょう価格かかくや光熱こうねつ費ひの高騰こうとうなどで経営けいえい状況じょうきょうが厳きびしいとしてパートの時給じきゅう引き上ひきあげは難むずかしいという声こえも聞きかれます。また、厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますとパートで働はたらく人ひとのうち、労働ろうどう組合くみあいに加入かにゅうする割合わりあいは去年きょねん6月つきの時点じてんで推定すいていで8.5％となっています。

このため会社かいしゃ側がわに賃上ちんあげを求もとめる声こえが伝つたわりにくく課題かだいだという指摘してきが出でています。

およそ100人にんの正せい社員しゃいんは基本きほん給きゅうを一律いちりつに5万まん円えん引き上ひきあげる「ベースアップ」を実施じっしします。また、フルタイムなどのパートで働はたらくおよそ50人にんについては時給じきゅうを200円えん引き上ひきあげます。

会社かいしゃによりますと賃上ちんあげ率りつの平均へいきんは正せい社員しゃいんとパートのいずれもおよそ15％になるということです。

この会社かいしゃでは物価ぶっかの上昇じょうしょうを受うけて生活せいかつを支援しえんしようと社員しゃいん全員ぜんいんに去年きょねん10月つきと12月つきに一時いちじ金きんを支給しきゅうしていました。その後そのごも食料しょくりょう品ひんなどの値上ねあげが続つづいていることから今回こんかいの賃上ちんあげを決きめたということです。

今回こんかいの賃上ちんあげに伴ともなって人件じんけん費ひの負担ふたんは年間ねんかんで数すう千せん万まん円えん増ふえることになるといいますが、商品しょうひんの価格かかくには転嫁てんかせずに賃上ちんあげの原資げんしは利益りえきから捻出ねんしゅつするとしています。

顧客こきゃくへの対応たいおうやメールマガジンの配信はいしんなどを担当たんとうしていて、この会社かいしゃでおよそ7年間ねんかん働はたらいています。

今回こんかいの賃上ちんあげで時給じきゅうは200円えん上あがって月給げっきゅうは2万まん円えんから2万まん5000円えんほど増ふえる見込みこみだということです。

物価ぶっかの上昇じょうしょうを受うけて、生活せいかつ費ひなどの節約せつやくを続つづけてきました。光熱こうねつ費ひを抑おさえるためエアコンの使用しようをできるだけ控ひかえたり、スーパーで買い物かいものをする際さいは価格かかくが安やすいプライベートブランドの商品しょうひんを購入こうにゅうしたりしています。

今後こんご、子育こそだての費用ひようはさらに必要ひつようになると考かんがえていて貯金ちょきんもしなければならないと思おもっていますが、食料しょくりょう品ひんなどの相次あいつぐ値上ねあがりで支出ししゅつが増ふえる中なか、今後こんごに不安ふあんを感かんじていました。

こうした中なかで、正せい社員しゃいんと同おなじようにパートで働はたらく人ひとの賃上ちんあげもされたので生活せいかつに安心あんしんができたと話はなします。

小川おがわさんは「物価ぶっかの上昇じょうしょうで生活せいかつに不安ふあんがある中なかで、子こどもはまだ小ちいさいですし、一時いちじ的てきな手当てあてでなく継続けいぞく的てきな賃上ちんあげがされたことで安心あんしんして働はたらくことができると感かんじます。仕事しごとのモチベーションも向上こうじょうしますし、職場しょくばにも貢献こうけんできればと思おもいます」と話はなしています。

東京とうきょう・足立あだち区くにあるディスカウントスーパーを運営うんえいする会社かいしゃでは都内とないや埼玉さいたま県けんで7店舗てんぽを展開てんかいしていて直営ちょくえいの6店舗てんぽではおよそ130人にんが働はたらいています。

7割わりを超こえる100人にんほどがパートやアルバイトの非ひ正規せいき雇用こようで会社かいしゃによりますと主婦しゅふが多おおく、年金ねんきんを受給じゅきゅうしながら働はたらき続つづける人ひとも少すくなくないといいます。アルバイトやパートの時給じきゅうはこれまで東京とうきょう都とや埼玉さいたま県けんの最低さいてい賃金ちんぎんにあわせて引き上ひきあげてきました。

会社かいしゃでは物価ぶっかの上昇じょうしょうを受うけて時給じきゅうをなんとか引き上ひきあげたいと思おもっていますが、難むずかしいといいます。

その大おおきな要因よういんは光熱こうねつ費ひや商品しょうひんの仕入しいれ価格かかくの値上ねあがりです。

また、店みせで扱あつかう商品しょうひんの仕入れ値しいれねが上昇じょうしょうしていて、多おおくの商品しょうひんで販売はんばい価格かかくを引き上ひきあげざるをえない状況じょうきょうです。会社かいしゃによりますと、主おもな商品しょうひんの販売はんばい価格かかくがこの1年ねんで、食用しょくよう油ゆはおよそ1.5倍ばい、インスタントコーヒーはおよそ1.7倍ばいに引き上ひきあげを余儀よぎなくされたということです。

こうした中なか、店みせでは、大量たいりょう購入こうにゅうで仕入れ値しいれねを抑おさえた食品しょくひんや飲料いんりょうを税ぜい抜ぬき68円えん均一きんいつで販売はんばいする特売とくばいのコーナーを続つづけるなどして、なんとか客きゃく離ばなれを防ふせごうとしています。

ただ、足立あだち区くの店舗てんぽで先月せんげつに客きゃくが購入こうにゅうした商品しょうひんの数かずは前まえの年としの同おなじ月つきと比くらべておよそ14％減へりました。先月せんげつの売り上うりあげも1年ねん前まえより4％ほど減少げんしょうしていて、物価ぶっか高だかの中なか、買い控かいびかえが起おきているとみています。