日本新闻: 東京都 1週間後の新規陽性者の推計一日に「2万4074人」も

東京とうきょう都内とないの新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん状況じょうきょうなどを分析ぶんせき・評価ひょうかするモニタリング会議かいぎで、専門せんもん家かは「これまでにない危機きき的てきな感染かんせん状況じょうきょうだ」と指摘してきしました。

今いまの水準すいじゅんで増加ぞうかが続つづけば、1週間しゅうかん後ごには新規しんき陽性ようせい者しゃが一いち日にち当あたり2万まん4000人にん余あまりになるとしたうえで「誰だれもが感染かんせん者しゃや濃厚のうこう接触せっしょく者しゃになる可能かのう性せいがあることを意識いしきする必要ひつようがある」と述のべ、徹底てっていした対策たいさくを呼よびかけました。

27日にちに開ひらかれた都とのモニタリング会議かいぎで、専門せんもん家かは、都内とないの感染かんせん状況じょうきょうの警戒けいかいレベルを最もっとも深刻しんこくなレベルで維持いじし「大だい規模きぼな感染かんせん拡大かくだいが継続けいぞくしている」と分析ぶんせきしました。

26日にち時点じてんの新規しんき陽性ようせい者しゃの7日間にちかん平均へいきんが、前まえの週しゅうの2.3倍ばいの1万まん467人にんとなったことを説明せつめいし「これまでにない危機きき的てきな感染かんせん状況じょうきょうだ」と指摘してきしました。

そして、今いまの水準すいじゅんで増加ぞうかが続つづけば、新規しんき陽性ようせい者しゃは1週間しゅうかん後ごの来月らいげつ3日にち時点じてんで一いち日にち当あたり2万まん4074人にんになるとする推計すいけいを明あきらかにしました。

そのうえで「家庭かていや日常にちじょう生活せいかつにおいて、医療いりょう従事じゅうじ者しゃ、エッセンシャルワーカーを含ふくむ誰だれもが感染かんせん者しゃや濃厚のうこう接触せっしょく者しゃとなる可能かのう性せいがあることを意識いしきし、みずから身みを守まもる行動こうどうを徹底てっていする必要ひつようがある」と呼よびかけました。

また、26日にちまでの1週間しゅうかんに確認かくにんされた65歳さい以上いじょうの高齢こうれい者しゃは、前まえの週しゅうのおよそ3倍ばいに増加ぞうかしているとして「高齢こうれい者しゃは重症じゅうしょう化かのリスクが高たかく家庭かてい内ないおよび施設しせつなどでの徹底的てっていてきな対策たいさくが重要じゅうようだ」と指摘してきしました。

一方いっぽう、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの警戒けいかいレベルは、先週せんしゅうと同おなじ、4段階だんかいのうち上うえから2番目ばんめのレベルとなり、専門せんもん家かは「通常つうじょうの医療いりょうを制限せいげんし、体制たいせい強化きょうかが必要ひつような状況じょうきょうだ」と分析ぶんせきしました。

26日にち時点じてんの入院にゅういん患者かんじゃが、前まえの週しゅうの1.7倍ばいの3027人にんとなったと説明せつめいしたうえで、コロナ患者かんじゃ用ようの病床びょうしょうを確保かくほしている影響えいきょうで、緊急きんきゅう対応たいおうが必要ひつような患者かんじゃの入院にゅういんが困難こんなんになっていると指摘してきしました。

また、新規しんき陽性ようせい者しゃの増加ぞうかが今いまの水準すいじゅんで続つづけば、1週間しゅうかん後ごの入院にゅういん患者かんじゃは6235人にんになり、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいのひっ迫ひっぱくが危惧きぐされるとしています。

さらに、重症じゅうしょう患者かんじゃについては、26日にち時点じてんで18人にんと、1週間しゅうかん前まえより8人にん多おおくなったほか、人工じんこう呼吸こきゅう器きによる治療ちりょうがまもなく必要ひつようになる可能かのう性せいが高たかい患者かんじゃも1週間しゅうかん前まえの32人にんから60人にんに増ふえていると説明せつめいしました。

そのうえで、専門せんもん家かは「新規しんき陽性ようせい者しゃの急激きゅうげきな増加ぞうかに伴ともない、重症じゅうしょう患者かんじゃのさらなる増加ぞうかが予想よそうされる」と述のべ、危機きき感かんを示しめしました。

そして「急変きゅうへん時じに症状しょうじょうが重おもい人ひとや重症じゅうしょう化かリスクが高たかい人ひとが速すみやかに適切てきせつな医療いりょうが受うけられるよう体制たいせい整備せいびを進すすめるとともに、宿泊しゅくはくおよび自宅じたく療養りょうよう体制たいせいの充実じゅうじつが必要ひつようだ」と指摘してきしました。

大曲おおまがり貴夫たかお国際こくさい感染かんせん症しょうセンター長ちょう「社会しゃかい機能きのうのさらなる低下ていかも」

モニタリング会議かいぎのあと、国立こくりつ国際こくさい医療いりょう研究けんきゅうセンターの大曲おおまがり貴夫たかお国際こくさい感染かんせん症しょうセンター長ちょうは、記者きしゃ団だんに対にたいして「患者かんじゃが増ふえるようであれば、社会しゃかい機能きのうのさらなる低下ていかは避さけられないと思おもう」と述のべました。

また、26日にちまでの1週間しゅうかんに感染かんせんが確認かくにんされた65歳さい以上いじょうの高齢こうれい者しゃが、前まえの週しゅうのおよそ3倍ばいに増加ぞうかしていることについて「非常ひじょうに速はやいと思おもって見みている。懸念けねんしている」と述のべました。

そのうえで「自分じぶんが陽性ようせいになったり、家族かぞくが濃厚のうこう接触せっしょく者しゃになったりすることがいつ起おこるかわからない。みずから身みを守まもることをお願おねがいしたい」と呼よびかけました。

東京とうきょう都と医師いし会かい猪口いのぐち正ただし孝こう副ふく会長かいちょう「一般いっぱん救急きゅうきゅうはぎりぎりのところ」

モニタリング会議かいぎのあと東京とうきょう都と医師いし会かいの猪口いのぐち正ただし孝こう副ふく会長かいちょうは、記者きしゃ団だんに対にたいして「一般いっぱん救急きゅうきゅうはかなり増ふえていて、決けっして余力よりょくがあるということはなく、もう、ぎりぎりのところまで来きている。救急きゅうきゅう患者かんじゃを受け入うけいれる場所ばしょがなかなか見みつからない状態じょうたいだ」と述のべ、強つよい危機きき感かんを示しめしました。

そのうえで「これ以上いじょう感染かんせん者しゃが増ふえると大変たいへんで、診療しんりょう態勢たいせいを徐々じょじょに緊急きんきゅう時じにシフトしていくことを考かんがえ、そちらに移うつしていく」と述のべました。

小池こいけ知事ちじ緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんの要請ようせいは「総合そうごう的てきに検討けんとう」

モニタリング会議かいぎのあと、小池こいけ知事ちじは記者きしゃ団だんに対にたいし「緊急きんきゅう体制たいせいにあっても、すべての患者かんじゃは医療いりょう機関きかんで診断しんだんを受うけて、そのあと必要ひつような医療いりょうや行政ぎょうせいのサポートを受うける仕組しくみとしている。カギとなるのが自宅じたく療養りょうようの支援しえん体制たいせいで、年齢ねんれいが若わかい、症状しょうじょうが軽かるいなどといった方ほうは、体調たいちょうが変化へんかした際さいなどにサポートセンターに連絡れんらくをいただき、必要ひつような健康けんこう観察かんさつや医療いりょう支援しえんにつなげていく」と述のべました。

また、小池こいけ知事ちじは、これまで病床びょうしょうの使用しよう率りつが50％になった段階だんかいで、国くにに対にたいして緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんの発出はっしゅつの要請ようせいを検討けんとうする考かんがえを示しめしていました。

これについて、記者きしゃ団だんから「50％に達たっした段階だんかいで要請ようせいを行おこなうのか」と問とわれたのに対にたいして、小池こいけ知事ちじは「専門せんもん家かと意見いけん交換こうかんをしながら、自宅じたくや宿泊しゅくはく療養りょうようを含ふくむ全体ぜんたい的てきな医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの状況じょうきょうや社会しゃかい活動かつどうへの影響えいきょうなどを確認かくにんし、総合そうごう的てきに検討けんとうしたい」と述のべました。

さらに「総合そうごう的てきに検討けんとうする」とした理由りゆうについて聞きかれると「軽症けいしょうや無む症状しょうじょうの割合わりあいは、デルタ株かぶの時ときと圧倒的あっとうてきに違ちがう。社会しゃかい全体ぜんたいがどうやって動うごいていくのかも、これまでにない判断はんだんが必要ひつようになってくる」と述のべました。

高齢こうれい者しゃ施設しせつで感染かんせん相次あいつぐ医師いしの派遣はけん体制たいせいを強化きょうか

東京とうきょう都とは、高齢こうれい者しゃ施設しせつなどで感染かんせんが相次あいついでいることを受うけて、往診おうしんの医師いしを施設しせつに派遣はけんする体制たいせいを強化きょうかしています。

都内とないでは、感染かんせんの急きゅう拡大かくだいにともなって、高齢こうれい者しゃ施設しせつなどでの感染かんせんも相次あいついで確認かくにんされています。

こうした中なか、東京とうきょう都とは27日にちのモニタリング会議かいぎで、高齢こうれい者しゃ施設しせつなどで複数ふくすうの感染かんせん者しゃが確認かくにんされた場合ばあい、往診おうしんの医師いしを派遣はけんして入居にゅうきょ者しゃの健康けんこう観察かんさつや薬くすりの投与とうよを行おこなってもらう体制たいせいを強化きょうかしていることを明あきらかにしました。

都との入院にゅういん調整ちょうせい本部ほんぶに新あらたに設置せっちされた「往診おうしん支援しえん班はん」が、医師いしの派遣はけんに関にかんして医療いりょう機関きかんと調整ちょうせいするほか、保健所ほけんじょと情報じょうほう共有きょうゆうをはかっているということです。

これまでは、高齢こうれい者しゃ施設しせつで感染かんせん者しゃが出でると、入院にゅういんさせるケースが多おおかったということですが、往診おうしんを強化きょうかすることで無む症状しょうじょうや軽症けいしょうなどの患者かんじゃの重症じゅうしょう化かを防ふせぐとともに、長期ちょうき化かが懸念けねんされる高齢こうれい者しゃの入院にゅういんを減へらし、病床びょうしょうのひっ迫ひっぱくを防ふせぎたいとしています。