オリンピックとSNS 選手せんしゅのメンタルヘルスをどう守まもるか

2回かいの滑走かっそうのうち高たかい方ほうの得点とくてんで順位じゅんいを競きそう9日にちの予選よせんでは、1回かい目めで高たかさのあるエアに成功せいこうするなどして87.75の得点とくてんをマークしてトップに立たちました。

2回かい目めは着地ちゃくちでミスがあり得点とくてんを伸のばせませんでしたが、1回かい目めの得点とくてんで予選よせんトップを守まもり、10日にちの決勝けっしょうに進すすみました。

選手せんしゅのメンタルヘルスの問題もんだいは、去年きょねんの東京とうきょうオリンピックでも体操たいそう女子じょしのトップ選手せんしゅでアメリカのシモーネ・バイルズ選手せんしゅが、個人こじん総合そうごうの決勝けっしょうを欠場けつじょうするなど課題かだいとして浮かび上うかびあがっていて、キム選手せんしゅの発信はっしんで北京ぺきん大会たいかいでも再ふたたび関心かんしんが集あつまっています。

しかし、その活躍かつやくの裏うらでは人種じんしゅ差別さべつや偏見へんけんに基もとづくヘイトクライムに悩なやまされてきたことをメディアに告白こくはくしています。

“中国ちゅうごくに帰かえれ”

“チームにいる白人はくじんのアメリカ人じんの女子じょしからメダルを奪うばうのはやめろ”

といった差別さべつ的てきなメッセージが寄よせられたり、人前ひとまえでつばを吐はきかけられたりするようになったと明あきらかにしています。

さらに、身みの安全あんぜんを心配しんぱいしできるだけ1人にんで出歩であるかず、護身ごしん用ようのスタンガンや催涙さいるいスプレーなどを持ち歩もちあるいているといいます。

アメリカの雑誌ざっし「タイム」の取材しゅざいに対にたいしては、ピョンチャン大会たいかいで金メダルきんめだるを獲得かくとくしたあと、メンタルヘルスの問題もんだいからセラピーを受うけるようになったことや、ふつうの若者わかものとして生活せいかつすることを望のぞみ、しばらくスノーボードから離はなれてアメリカのプリンストン大学ぷりんすとんだいがくに入学にゅうがくしたことを明あきらかにしています。

競技きょうぎに復帰ふっきしたのは2020年ねん3月つき。

それでも2大会たいかい連続れんぞくでのメダル獲得かくとくを目指めざして北京ぺきんオリンピックに出場しゅつじょうしました。

去年きょねんの全ぜん仏ふつオープンで、記者きしゃ会見かいけんが選手せんしゅの精神せいしん的てきな状況じょうきょうを考慮こうりょしていないなどとして、選手せんしゅの義務ぎむとされている試合しあい後ごの記者きしゃ会見かいけんに応おうじないという対応たいおうを取とり、そのまま大会たいかいを棄権きけん。

「世界中せかいじゅうのメディアに向むけて話はなす前まえには、いつも大おおきな不安ふあんの波なみに襲おそわれる」などとみずからの状況じょうきょうを説明せつめいしました。

体操たいそう女子じょしのアメリカ代表だいひょうのエース。東京とうきょうオリンピックで「メンタルヘルスの問題もんだいに集中しゅうちゅうするため」として個人こじん総合そうごうの決勝けっしょうを欠場けつじょうしました。

こうしたトップ選手せんしゅの相次あいつぐ意思いし表明ひょうめいは、選手せんしゅの精神せいしん面めんのサポートの重要じゅうよう性せいに関心かんしんが寄よせられるきっかけにもなりました。

フィギュアスケート団体だんたいに出場しゅつじょうした19歳さいの朱しゅ易えき選手せんしゅは、6日にちに行おこなわれた団体だんたいの予選よせんの、女子じょしシングルショートプログラムで冒頭ぼうとうのジャンプで転倒てんとうするなど動うごきに硬かたさが目立めだち、10か国かこく中ちゅう10位いに終おわりました。

中国ちゅうごくのSNS上じょうでは朱しゅ選手せんしゅの演技えんぎや中国ちゅうごく代表だいひょうに選えらんだことを批判ひはんする書き込かきこみなどが相次あいついだということで、イギリスの新聞しんぶんデイリー・メールは「中国ちゅうごく代表だいひょうとして戦たたかうためにアメリカ国籍こくせきを捨すてた朱しゅ選手せんしゅは、中国ちゅうごくでバッシングにさらされている」と伝つたえています。

またロイター通信ろいた-つうしんによりますと、朱しゅ選手せんしゅは試合しあい後ごに涙なみだを流ながし「中国ちゅうごくの人ひとたちが、私わたしが代表だいひょうに選えらばれたことに驚おどろいていたのを知しっていたので、大おおきなプレッシャーを感かんじていた」と声こえを震ふるわせながら振り返ふりかえったということです。