【詳くわしく解説かいせつ】北朝鮮きたちょうせん 来週らいしゅうは特別とくべつな週しゅう 10年ねんに1度どの節目ふしめ相次あいつぐ

そして4月つき15日にちは、キム総そう書記しょきの祖父そふキム・イルソン主席しゅせきの生誕せいたん110年ねんで、こちらは「民族みんぞく最大さいだいの祝日しゅくじつ」とされています。

北朝鮮きたちょうせんが国くにを挙あげて祝いわう10年ねんに1度どの節目ふしめが相次あいつぐことから、来週らいしゅうは特別とくべつな週しゅうだといえます。

その際さい、北朝鮮きたちょうせんは「人工じんこう衛星えいせいを打ち上うちあげる」として海外かいがいメディアに初はじめて発射はっしゃ台だいを公開こうかい。

私わたしも訪朝ほうちょうして現地げんちで取材しゅざいしました。

高たかさ50メートルの発射はっしゃ台だいには事実じじつ上じょうの長距離ちょうきょり弾道だんどうミサイルである3段式だんしきのロケットが据え付すえつけられていました。

200メートルくらいまで近ちかづけたんですが、責任せきにん者しゃは、命令めいれいがありしだい燃料ねんりょうを地下ちかから自動じどう的てきに注入ちゅうにゅう、すぐに発射はっしゃできると説明せつめいしていました。

北朝鮮きたちょうせんは今年ことしに入はいって1月つき、2月つき、3月つきと毎月まいつき弾道だんどうミサイルを発射はっしゃ。

今月こんげつもいつ発射はっしゃしてもおかしくありません。

キム総そう書記しょきは先月せんげつ、固定こてい式しきの発射はっしゃ台だいを視察しさつし、偵察ていさつ衛星えいせいなどの打ち上うちあげに向むけ施設しせつの改修かいしゅうや拡張かくちょうを指示しじしていて「人工じんこう衛星えいせいの打ち上うちあげ」と称しょうしてICBM級きゅうを発射はっしゃすることも考かんがえられます。

キム・ジョンウン政権せいけんになってから発射はっしゃされた弾道だんどうミサイルは、この10年間ねんかんで106発はつと、父ちちのキム・ジョンイル政権せいけんが17年間ねんかんで発射はっしゃした16発はつの実じつに6.6倍ばいに上のぼっています。

技術ぎじゅつ的てきな要求ようきゅうに加くわえ、国威こくいの発揚はつようや指導しどう者しゃの権威けんいづけを目的もくてきに計画けいかくの達成たっせいを急いそぐおそれがあります。

こちらは、北朝鮮きたちょうせん北東ほくとう部ぶプンゲリにある核かく実験じっけん場じょうの図ずです。

過去かこ6回かいの核かく実験じっけんは全すべてここで行おこなわれてきましたが、2018年ねん、北朝鮮きたちょうせんは史上しじょう初はつの米べい朝ちょう首脳しゅのう会談かいだんを前まえにして「閉鎖へいさした」としていました。

ところが最近さいきん、これまで一いち度ども使つかわれたことがない「3番ばん坑道こうどう」で新あらたな動うごきが衛星えいせい写真しゃしんで確認かくにんされました。

核兵器かくへいきの小型こがた化か・軽量けいりょう化かを実現じつげんしようと、7回かい目めの核かく実験じっけんに踏み切ふみきる可能かのう性せいが指摘してきされています。

ウクライナは、ソビエト崩壊ほうかい後ごの1994年ねん、アメリカ・イギリス・ロシアから安全あんぜんの保障ほしょうを受うけるとした「ブダペスト覚書おぼえがき」にサインし、旧きゅうソビエト時代じだいから保有ほゆうしてきた核兵器かくへいきを放棄ほうきしました。

これによって今回こんかいのロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうに抑止よくし力りょくが働はたらかなかったと、キム総そう書記しょきが考かんがえている可能かのう性せいがあります。

また、国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいはいわば“機能きのう不全ふぜん”の状態じょうたいで、先月せんげつの北朝鮮きたちょうせんによるICBM級きゅう「火星かせい17型がた」の発射はっしゃでも、中国ちゅうごくとロシアの反対はんたいで非難ひなん決議けつぎは採択さいたくされませんでした。

気兼きがねなく核かく・ミサイル開発かいはつを進すすめられる好機こうきが到来とうらいしたと捉とらえているのではないかと思おもいます。

対話たいわ局面きょくめんは当面とうめん来こないと踏ふんで、挑発ちょうはつをエスカレートさせるおそれがあります。

また、韓国かんこくで来月らいげつ、5年ねんぶりの保守ほしゅ政権せいけんが誕生たんじょうすることも影響えいきょうしそうです。

ユン・ソギョル次期じき大統領だいとうりょうは、米べい韓かん同盟どうめいを基盤きばんに北朝鮮きたちょうせんに対にたいする抑止よくし力りょくを強化きょうかするとしていて、朝鮮ちょうせん半島はんとうの緊張きんちょうが高たかまることも予想よそうされています。

キム総そう書記しょきは現在げんざい38歳さいとみられます。

今後こんご数すう十じゅう年ねんにわたって政権せいけんを率ひきいる可能かのう性せいがあり、長期ちょうき戦せんの構かまえです。

北朝鮮きたちょうせんがさらに核かく・ミサイル開発かいはつの速度そくどを上あげていくのか、来週らいしゅうはその姿勢しせいを見極みきわめる上うえで重要じゅうような週しゅうになりそうです。