日本新聞: 「進撃の巨人」最終巻が発売人気のワケは？

「進撃しんげきの巨人きょじん」最終さいしゅう巻まきが発売はつばい人気にんきのワケは？

Jun 9, 2021 16:06 2

Furigana

累計るいけい発行はっこう部数ぶすうが1億おく部ぶを超こえ、国内外こくないがいに読者どくしゃが広ひろがっている人気にんき漫画まんが「進撃しんげきの巨人きょじん」の最終さいしゅう巻まきが9日にち、発売はつばいされました。

10年ねん以上いじょうにわたって人々ひとびとを魅了みりょうしているのはなぜなのでしょうか？

物語ものがたりの舞台ぶたいは“人ひとを食たべる巨人きょじんが支配しはいする世界せかい”

諫山いさやま創はじめさんの漫画まんが「進撃しんげきの巨人きょじん」は、人ひとを食たべる巨人きょじんが支配しはいする世界せかいで主人公しゅじんこうと仲間なかまたちが人類じんるいの生き残いきのこりをかけて巨人きょじんに立ち向たちむかっていく姿すがたを描えがいた物語ものがたりです。

単行たんこう本ほんの累計るいけい発行はっこう部数ぶすうは電子でんし版ばんを含ふくめ世界せかいで1億おく部ぶを突破とっぱしているということです。

映画えいが化かもされるなど高たかい人気にんきを集あつめています。

漫画まんがはことし4月つきに『別冊べっさつ少年しょうねんマガジン』で11年ねん7か月かげつにおよぶ連載れんさいを終おえ、9日にちに単行たんこう本ほんの最終さいしゅう巻まきとなる「34巻かん」が発売はつばいされました。

講談社こうだんしゃによりますと、「進撃しんげきの巨人きょじん」は世界せかい21の国くにと地域ちいきで出版しゅっぱんされ、アメリカのハリウッドで実写じっしゃ映画えいが化かされることが決きまるなど海外かいがいにも読者どくしゃが広ひろがっています。

「最終さいしゅう巻まき」を手てにした読者どくしゃ、書店しょてん店員てんいんは…

発売はつばい当日とうじつ、東京とうきょう・渋谷しぶやの書店しょてん「SHIBUYA TSUTAYA」では最終さいしゅう巻まきのほかグッズなどを集あつめた特設とくせつブースが設もうけられ、開店かいてんとともに多おおくの人ひとたちが次々つぎつぎと作品さくひんを買い求かいもとめていました。

現場げんばで、読者どくしゃに作品さくひんへの思おもいを聞ききました。

読者どくしゃからは「主人公しゅじんこうが理不尽りふじんに対にたいする怒いかりをずっと持もち続つづけているというのはほかの漫画まんがにはなく、すごく共感きょうかんできる作品さくひんです」とか、「登場とうじょう人物じんぶつたちがそれぞれ個性こせい的てきで、自分じぶんに似にたキャラクターと重ね合かさねあわせて作品さくひんを楽たのしむことができる」といった声こえが聞きかれました。

また、店員てんいんの塘慶太けいたさんは「10年ねん以上いじょう続つづいた作品さくひんの最終さいしゅう巻まきということで感慨深かんがいぶかいです。刊行かんこう当初とうしょから口コミくちこみで人気にんきが広ひろがった作品さくひんなので、最終さいしゅう巻まきも手元てもとに置おいてこれからも読よみ続つづけてもらえればと思おもいます」と話はなしていました。

連載れんさい当初とうしょからの編集へんしゅう者しゃに聞きく“人気にんきのワケ”

「進撃しんげきの巨人きょじん」は、なぜ長年ながねんにわたって人気にんきの作品さくひんとなったのか。

その理由りゆうを連載れんさい当初とうしょから担当たんとう編集へんしゅうを務つとめてきた『週刊しゅうかん少年しょうねんマガジン』編集へんしゅう部ぶの川窪かわくぼ慎太郎しんたろうさんは「巨人きょじんという理不尽りふじんな存在そんざいの前まえに不自由ふじゆうを強しいられ、それに立ち向たちむかおうとする登場とうじょう人物じんぶつたちに、現代げんだいを生いきる人ひとたちの共感きょうかんが国境こっきょうをこえて広ひろがり、多おおくの方々かたがたに読よんでもらえているのではないか」と分析ぶんせきしています。

また「当初とうしょはホラー性せいの強つよい作品さくひんだったが、途中とちゅうからミステリーやサスペンスといった要素ようそが濃こくなるなど、連載れんさいを重かさねるにつれておもしろさの質しつが変化へんかしていったことで、読者どくしゃのすそ野すそのを広ひろげることができたのではないか」と話はなしていました。

「これだけ長ながく続つづくとは思おもってなかった」

最終さいしゅう巻まきを迎むかえたことについて、川窪かわくぼさんは「まだ実感じっかんがなく、終おわったという感かんじがないというのが正直しょうじきな思おもいです。ただ、自分じぶんにとってこれだけ長ながく関かかわった作品さくひんはほかにはなく、思い出深おもいでぶかい作品さくひんであることは間違まちがいないですし、諫山いさやまさんと向かい合むかいあって打ち合うちあわせをすることがもうないのかと思おもうと寂さびしさを感かんじます。これだけ長ながく続つづくとは思おもっていませんでしたが、連載れんさいを始はじめてから諫山いさやまさんの力ちからを疑うたがったことはなく、無事ぶじ、最終さいしゅう巻まきを迎むかえられてよかったなと思おもいます」と話はなしていました。