日本新闻: ＪＲ福知山線脱線事故現場に追悼施設遺族らに公開

ＪＲじぇいあ-る福知山ふくちやま線せんの電車でんしゃが脱線だっせんし107人にんが死亡しぼうした兵庫ひょうご県けん尼崎あまがさき市しの事故じこ現場げんばについてＪＲ西日本じぇいあ-るにしにほんはこのほど追悼ついとう施設しせつとしての整備せいびを完了かんりょうし、14日にち、遺族いぞくなどに公開こうかいされました。13年ねん前まえの平成へいせい17年ねん４月しがつ、兵庫ひょうご県けん尼崎あまがさき市しでＪＲじぇいあ-る福知山ふくちやま線せんの快速かいそく電車でんしゃがカーブを曲まがりきれずに脱線だっせんし線路せんろ脇わきのマンションに衝突しょうとつして乗客じょうきゃくら107人にんが死亡しぼう、562人にんがけがをしました。

ＪＲ西日本じぇいあ-るにしにほんでは、遺族いぞくや被害ひがい者しゃに意見いけんを聞きいたうえで現場げんばのマンションとその周辺しゅうへんを亡なくなった人ひとたちを追悼ついとうする場ばとして残のこすことを決きめました。

おととしから工事こうじが始はじめられ、このほど『祈いのりの杜もり』として整備せいびが完了かんりょうしたことから、14日にち、遺族いぞくやけがをした被害ひがい者しゃに公開こうかいされました。

現場げんばの９きゅう階かい建だてのマンションは衝突しょうとつの跡あとが残のこる部分ぶぶんは残のこしたまま５ご階かいより上うえの階かいが取り壊とりこわされ、雨あめなどによる劣化れっかを防ふせぐために全体ぜんたいを覆おおうアーチ状じょうの屋根やねや壁かべが設もうけられました。

マンションの前まえには亡なくなった人ひとの名前なまえを刻きざんだ慰霊いれい碑ひが建たてられ、事故じこの事実じじつを後世こうせいに伝つたえ続つづける目的もくてきで、事故じこの概要がいようやＪＲ西日本じぇいあ-るにしにほんとしてのおわびが刻きざまれた石碑せきひも置おかれています。

また、地下ちかには事故じこ発生はっせい時じの様子ようすを伝つたえる資料しりょうや遺族いぞくが寄よせた手紙てがみなどが展示てんじされるスペースも設もうけられました。

この施設しせつは今月こんげつ21日にちから一般いっぱんの人ひとにも公開こうかいされるということです。

13年ねん前まえの平成へいせい17年ねん４月しがつ、兵庫ひょうご県けん尼崎あまがさき市しでＪＲじぇいあ-る福知山ふくちやま線せんの快速かいそく電車でんしゃがカーブを曲まがりきれずに脱線だっせんし線路せんろ脇わきのマンションに衝突しょうとつして乗客じょうきゃくら107人にんが死亡しぼう、562人にんがけがをしました。

この施設しせつは今月こんげつ21日にちから一般いっぱんの人ひとにも公開こうかいされるということです。

長女ちょうじょを亡なくした女性じょせい「壁かべや屋根やねで覆おおわれとても残念ざんねん」

事故じこで当時とうじ40歳さいだった長女ちょうじょを亡なくした大阪おおさか・城東じょうとう区くの藤崎ふじさき光子みつこさん（78）は、14日にち朝あさ８はち時じごろから現場げんばを訪おとずれ、名めい碑いしぶみに刻きざまれた長女ちょうじょの名前なまえを探さがすなどしていました。

藤崎ふじさきさんは現場げんばのマンションの様子ようすが大おおきく変かわったことについて、「壁かべや屋根やねで覆おおわれたのはまるで隠かくしているようで、とても残念ざんねんです。遺族いぞくが亡なくなったあとも、ここで悲惨ひさんな事故じこがあったことを伝つたえられるのはこの現場げんばしかないので、誰だれが見みてもわかるような形かたちにしてほしかったです。ただ、できてしまったものはしかたがありません。今後こんご二度にどとこのような悲惨ひさんな事故じこを起おこさないよう、この場ばを活用かつようしてほしいです」と話はなしていました。

次男じなんを亡なくした男性だんせい「悲惨ひさんさがより伝つたわるようにしてほしい」

事故じこで当時とうじ18歳さいだった次男じなんを亡なくした神戸こうべ市し北きた区くの上田うえだ弘志ひろしさん（64）は慰霊いれい碑ひの前まえなどで静しずかに手てを合あわせました。

そして、「慰霊いれい碑ひの前まえに立たっても現場げんばのマンションは見みえず、息子むすことつながっている気持きもちになれません。ＪＲ西日本じぇいあ-るにしにほんには、訪おとずれた人ひとに悲惨ひさんさがより伝つたわるよう事故じこ車両しゃりょうの一部いちぶをこの場所ばしょに置おくことも考かんがえてほしい」と訴うったえました。

また、上田うえださんは現場げんばが変かわる様子ようすを記録きろくしようと、２に年ねん余あまりにわたってビデオカメラで工事こうじの進捗しんちょく状況じょうきょうを撮影さつえいしていて、「事故じこ当時とうじは入社にゅうしゃしていなかった社員しゃいんも増ふえてきていると思おもいます。記憶きおくが風化ふうかしないよう、私わたしが撮影さつえいした映像えいぞうを今後こんごの社員しゃいん教育きょういくに活用かつようしてもらいたい」と話はなしていました。

長男ちょうなんを亡なくした男性だんせい「一般いっぱんの人ひとも来きて事故じこを知しってもらいたい」

事故じこで当時とうじ33歳さいの長男ちょうなんを亡なくした兵庫ひょうご県けん伊丹いたみ市しの大前おおまえ清人きよひとさん（76）は「名な碑ひに刻きざまれた息子むすこの名前なまえを見みると、改あらためてここで亡なくなったのだという実感じっかんが湧わきました。私わたしが想像そうぞうしていたものとは様子ようすが違ちがっているが、さまざまな意見いけんがまとめられてできあがった場所ばしょなので、ここを訪おとずれて少すこしでも前向まえむきになれる人ひとがいればいいと思おもいます。一般いっぱんの人ひともここに来きて、事故じこがあったことを知しってもらいたいです」と話はなしました。

ＪＲ西日本じぇいあ-るにしにほん社長しゃちょう「事故じこの重大じゅうだいさ痛感つうかん恒久こうきゅう的てきに残のこすためこの形かたちに」

ＪＲ西日本じぇいあ-るにしにほんの来島くるしま達夫たつお社長しゃちょうは14日にち午後ごごに現場げんばを訪おとずれ、慰霊いれい碑ひに向むかって再発さいはつ防止ぼうしを誓ちかったあと、献花けんかを行おこないました。

来島らいとう社長しゃちょうは献花けんかのあと報道ほうどう陣じんの取材しゅざいに対にたいし、「13年ねん前まえ、私わたしたちの会社かいしゃが引き起ひきおこした事故じこの重大じゅうだいさを改あらためて痛感つうかんした。鉄道てつどうの安全あんぜんを実現じつげんするために、事業じぎょう者しゃそして社員しゃいん一いち人にん一いち人にんがこの事故じこに向き合むきあい、具体ぐたい的てきに何なにができるのか考かんがえ続つづけていかなければならない」と話はなしました。

また一部いちぶの遺族いぞくなどから、現場げんばが見みにくくなり隠かくしているのではないかと指摘してきされていることについては「事故じこの悲惨ひさんさと人命じんめいの尊とうとさを後世こうせいに伝つたえて行いくのがわれわれの責任せきにんであり、恒久こうきゅう的てきに現場げんばを残のこすためにはこの形かたちがベストだった」と話はなしました。