WBA=世界ボクシング協会とIBF=国際ボクシング連盟のバンタム級、2団体統一チャンピオンの井上選手は、31日、アメリカ ラスベガスで防衛戦を行い、挑戦者でWBA2位、IBF4位、オーストラリアのジェーソン・モロニー選手と対戦しました。
井上選手はボクシングの聖地と呼ばれるラスベガスで初めての試合で、手数を出して接近しながら攻めるモロニー選手に対して的確なボディーやフックで優位な試合運びを見せ、第6ラウンドには左フックで初めてのダウンを奪いました。
そして第7ラウンドの終了間際に強烈な右ストレートを決め、相手選手がひざから崩れ落ちてダウンしました。
そのまま立ち上がることができず、井上選手は第7ラウンド2分59秒でノックアウト勝ちし防衛に成功しました。
井上選手はWBAは4回目、IBFは2回目の防衛で、これでプロデビューから20戦無敗となりました。
井上選手は当初、ことし4月にWBO=世界ボクシング機構のバンタム級チャンピオン、フィリピンのジョンリール・カシメロ選手と3団体統一戦を行う予定でしたが新型コロナウイルスの影響で延期になり、今回の試合に臨んでいました。
試合は感染防止対策の一環で無観客で行われたほか、現地では、選手や陣営の行動が制限されるなど異例の環境となりました。
「納得いくパンチできた」
WBAとIBFの2つ団体の防衛に成功した井上選手は、「最後は納得のいくパンチをできた。挑戦者のモロニー選手はガードが堅くてテクニックもあるが、日本で練習してきたことを出すことができてほっとしている」と心境を話しました。
今後の計画については、「ほかの2つの団体のチャンピオンの両方をターゲットとして考えているが、タイミングの合う選手と試合をしたい」と話し、WBC=世界ボクシング評議会か、WBO=世界ボクシング機構のチャンピオンとの統一戦を目標に掲げていました。