そして1回の第1打席で、ヤクルト先発のスアレス投手からツーベースヒットを打って通算2000本安打を達成しました。
通算2000本安打は、おととし9月にロッテの福浦和也選手が達成して以来、プロ野球史上53人目です。
また31歳10か月での達成は史上2番目の若さです。
そして巨人の生え抜きでは、川上哲治さん、長嶋茂雄終身名誉監督、ソフトバンクの王貞治球団会長、柴田勲さん、阿部慎之助2軍監督に次いで6人目となります。
坂本「ほっとした」
坂本勇人選手は、「ほっとした。焦りではないが、早く打ちたいという気持ちがあったので、1打席目に決められて良かった。ここまで支えてくれた監督、コーチ、チームメート、チームスタッフ、ファンの皆さんに本当に感謝している」と、球団を通じて試合中にコメントを出しました。
2000本安打達成までの軌跡
プロ野球史上53人目となる通算2000本安打を達成した巨人の坂本勇人選手は14年目の31歳です。
兵庫県出身ですが、高校は青森の光星学院、現在の八戸学院光星に進み、甲子園にはセンバツ大会で1回出場しました。
平成18年に行われたドラフト会議で、巨人が1位指名で競合した堂上直倫選手を抽せんで外したため、坂本選手が2回目の1位指名で入団することになりました。
入団当時、巨人では原辰徳監督が2期目の監督を務めていて、坂本選手を2年目から全試合に出場させるなど手塩にかけて育ててきました。
3年目に初めて3割台の打率をマークし、3年連続のリーグ優勝と7年ぶりの日本一の原動力となりました。
そのあとは球界屈指と言われる巧みなスイングで厳しいインコース攻めに対応し、シーズン平均で150本以上のヒットをマーク。
平成24年には最多安打、平成28年に首位打者のタイトルを獲得するなど球界を代表する選手に成長していきました。
さらに5年前のシーズンから、阿部慎之助2軍監督のあとを継いでチームのキャプテンを務め、昨シーズンは開幕から36試合連続出塁でリーグ記録を更新したほか、自己最多の40本のホームランを打って5年ぶりのリーグ優勝に貢献し、初めて最優秀選手に輝きました。
通算2000本安打まで116本で迎えた今シーズン、坂本選手は榎本喜八さんが持つ31歳7か月の最年少記録の更新が期待され、坂本選手も「そこを目指して頑張りたい」と意気込みを示していましたが、新型コロナウイルスの影響でシーズンの開幕がおよそ3か月遅れたため、この記録への挑戦はかないませんでした。
さらに開幕直前に新型コロナウイルスへの感染が確認されて調整の遅れが心配されましたが、開幕戦には間に合って先発出場しました。
今シーズンは、6月から8月までは各月の打率が2割台にとどまったものの、9月は3割3分7厘、10月も3割1分2厘と盛り返しました。
そうした中で、9月11日のヤクルト戦では決勝の15号ソロホームランを打って原監督に白星を贈り、巨人の監督の通算勝利数トップに導きました。
原監督は「ここ数年は彼に頼っている。こっちがお願いするような立場に成長してくれているのは非常に頼もしい。昔は私が育てていたが、今は彼に育ててもらっているんだと。そんな心境で頼もしくしている」と全幅の信頼を寄せています。
今シーズン残り3試合となる中で、坂本選手は史上2番目の若さとなる31歳10か月での達成となりました。