インドでは今月、国籍法が改正され、バングラデシュやパキスタン、それにアフガニスタンから来た移民に対し、迫害などが理由だった場合、インド国籍を与えるとする一方、国籍付与の対象からイスラム教徒を除外したため、差別にあたるなどとして反発するデモが全土に拡大しています。
地元メディアなどによりますと、治安部隊との衝突でこれまでにデモ参加者ら20人以上が死亡したほか、数千人が身柄を拘束されたということです。
こうした中、インドのモディ首相は、22日、首都ニューデリーで演説し「野党が、今回の法改正で国内のイスラム教徒が市民権を剥奪されることにつながっていくとのうわさを広め、抗議デモをあおっている」と批判し、事態の沈静化を呼びかけました。
そのうえで「国内のイスラム教徒は今回の法改正の影響を受けない」と述べ、イスラム教徒に対する差別ではないと反論しました。
インドは、人口の2割近くをイスラム教徒が占めていますが、今回の法改正は、モディ首相が掲げるヒンドゥー至上主義の政策の一環だと受け止める人も多く、抗議デモが収束する見通しはたっていません。