日本新聞: 辺野古移設完成に12年経費は2.5倍以上の9300億円防衛省

辺野古へのこ移設いせつ完成かんせいに12年ねん経費けいひは2.5倍ばい以上いじょうの9300億おく円えん防衛ぼうえい省しょう

Dec 25, 2019 17:12 1

Furigana

沖縄おきなわのアメリカ軍ぐん普天間ふてんま基地きちの名護なご市し辺野古へのこへの移設いせつ計画けいかくをめぐり、防衛ぼうえい省しょうは、大幅おおはばな地盤じばん改良かいりょうにともなう設計せっけいの見直みなおしを進すすめた結果けっか、完成かんせいまでおよそ12年ねんかかり、経費けいひは当初とうしょ見積みつもりの2.5倍ばい以上いじょうとなる、およそ9300億おく円えんに上のぼるとしています。アメリカ軍ぐん普天間ふてんま基地きちの名護なご市し辺野古へのこへの移設いせつ計画けいかくで、日にち米べい両りょう政府せいふは、2013年ねんにまとめた返還へんかん計画けいかくで、埋め立うめたてなどの工期こうきは５ご年ねんで、早はやければ2022年度ねんどに普天ふてん間かん基地きちの返還へんかんが可能かのうになるとしていました。

しかし、大幅おおはばな地盤じばん改良かいりょうが必要ひつようになったため、防衛ぼうえい省しょうは設計せっけいの見直みなおしを進すすめ、25日にち開ひらかれた土木どぼくや地質ちしつなどの専門せんもん家かでつくる検討けんとう会かいに工期こうきと経費けいひの概略がいりゃくを示しめしました。

それによりますと、地盤じばん改良かいりょうや埋め立うめたてなどに、およそ９きゅう年ねん３さんか月かげつかかり、飛行場ひこうじょうとしての機能きのうを持もたせる整備せいびも含ふくめると完成かんせいまで工期こうきはおよそ12年ねんかかるとしています。このため、普天間ふてんま基地きちの返還へんかん時期じきは、2030年代ねんだいに大幅おおはばにずれ込ずれこむ見通みとおしです。

また経費けいひについて政府せいふは少すくなくとも3500億おく円えんと見積みつもっていましたが、大幅おおはばに増ふえ、当初とうしょの2.5倍ばい以上いじょうとなる、およそ9300億おく円えんに上のぼるとしています。

さらに、軟弱なんじゃくな地盤じばんを強固きょうこにするため、およそ７なな万まん7000本ほんのくいを打ち込うちこみ、３さん年ねん８はちか月かげつかかるとした試算しさんも見直みなおし、３さん年ねん半はんほどかけて、およそ７なな万まん1000本ほんのくいを使つかい、この工事こうじだけで、およそ1000億おく円えんかかるとしています。

防衛ぼうえい省しょうは今後こんご、設計せっけいの変更へんこうを沖縄おきなわ県けんに申請しんせいすることにしていますが、沖縄おきなわ県けんは認みとめない方針ほうしんで、工事こうじはさらに長期ちょうき化かする可能かのう性せいもあります。

沖縄おきなわ県けん謝花じゃはな副ふく知事ちじ「まずは話し合はなしあいをする方向ほうこうにチェンジを」

沖縄おきなわ県けんの謝花じゃはな副ふく知事ちじは、記者きしゃ団だんに対にたいし、「普天間ふてんま飛行場ひこうじょうの危険きけん性せいの除去じょきょという問題もんだいの原点げんてんに返かえるならば、やはりもう一度もういちど立ち止たちどまり、政府せいふも工事こうじを止とめて、国民こくみん的てき議論ぎろんをしっかり踏ふまえて再さい検討けんとうするよい機会きかいではないかと思おもう。まずは話し合はなしあいをする方向ほうこうに、チェンジしてもらいたい」と述のべました。

また防衛ぼうえい省しょうが今後こんご、設計せっけいの変更へんこうを申請しんせいした場合ばあいについて、「係争けいそう中ちゅうでもあるので、どういった対応たいおうになるかは、その段階だんかいでまた考かんがえたい」と述のべるにとどめました。

河野こうの防衛ぼうえい相しょう「沖縄おきなわ県けん側がわの理解りかいと協力きょうりょく求もとめたい」

河野こうの防衛ぼうえい大臣だいじんは25日にち夕方ゆうがた、記者きしゃ団だんに対にたいし、「安全あんぜん確保かくほのための警備けいびや、軟弱なんじゃく地盤じばんの工事こうじなどが加くわわったので、必要ひつような分ぶんを計上けいじょうした。アメリカ側がわとも、しっかり調整ちょうせいしていきたいし、沖縄おきなわ県けん側がわの理解りかいと協力きょうりょくを求もとめていきたい」と述のべました。

そのうえで、「『辺野古へのこが唯一ゆいいつの解決かいけつ策さく』ということに変かわりはない。普天ふてん間かん基地きちの危険きけん性せいの除去じょきょは、沖縄おきなわ県けんも同様どうようの考かんがえだと思おもっているので、変更へんこう申請しんせいについて、適切てきせつに処理しょりしてくれると思おもっている」と述のべました。