日産自動車の
元会長、カルロス・ゴーン
被告がレバノンに
入国した10
日前に、レバノン
政府が
日本政府に対し、
元会長の
送還を
要請していたとイギリス
メディアが
報じました。レバノン
政府側は、
入国の
直前に
要請を
行ったのは
偶然だとして、
元会長の
出国への
関与を
否定しているということです。
日産自動車のゴーン
元会長は、みずからの
報酬を
有価証券報告書に
少なく
記載した
罪などで
起訴され、
保釈中は
海外への
渡航が
禁じられていましたが、「
不公正な
日本の
司法から
逃れるためだ」として
秘密裏に
日本を
出国し、
先月30
日にレバノンに
入国したことが
明らかになっています。
これについてイギリスの経済紙、フィナンシャル・タイムズは、ゴーン元会長がレバノンに入国した10日前に、現地を訪問した日本の外務省高官がアウン大統領と面談した際、レバノン政府側がゴーン元会長の送還を要請したと報じました。
また、ゴーン元会長の出国に際して重要な役割を担ったともされる妻のキャロルさんが外交的な支援を得るため、レバノン政府に対しロビー活動を行っていたと伝えていて、出国の経緯に関心が集まっています。
一方、レバノン政府側は、要請の時期がゴーン元会長の入国の直前になったのは偶然だとして関与を否定しているということです。
これについて、日本の外務省は「レバノン政府と意見交換したことは間違いないが、詳細なやり取りは明らかにできない」としています。
外務省 「逃亡を予期させる内容ではない」
外務省は、鈴木馨祐外務副大臣が、先月20日、レバノンのアウン大統領を表敬訪問した際、ゴーン元会長について意見を交わしたことは事実だとしていますが、具体的な内容は外交上のやり取りであり、明らかにできないとしています。
外務省幹部はNHKの取材に対し、「ゴーン氏は、レバノンと関係が深いことから、これまでもレバノン政府側と外交当局間で意見交換はしている。ただ、鈴木副大臣の訪問の際に交わしたやり取りは今回の逃亡を予期させる内容ではなかった。いずれにしても、今回のゴーン氏の出国に関しては、引き続きレバノン政府などに事実関係を確認中だ」と述べました。