アメリカの
トランプ大統領の
いわゆるウクライナ
疑惑で、
野党・
民主党のペロシ
下院議長は
議会下院の
司法委員会に対して、
刑事事件の
起訴状にあたる
弾劾訴追状を
作成するよう
指示したと
明らかにし、
民主党としては
クリスマス前にも
大統領を
弾劾訴追したい
考えです。ウクライナ
疑惑で
トランプ大統領に
不正行為があったと
認定した
下院情報委員会の
調査結果を
受けて、
司法委員会は
大統領を
弾劾訴追すべきか
どうかの
審議を
4日から
始めています。
5日、野党・民主党のペロシ下院議長は記者会見で、「アメリカでは誰もが法を超越することはできない。トランプ大統領がアメリカの安全保障を犠牲にし、みずからの政治的利益のために職権を乱用したことは疑いの余地はない」と主張しました。
そのうえで司法委員長に刑事事件の起訴状にあたる弾劾訴追状を作成するよう指示したと明らかにしました。
弾劾訴追状は民主党が多数派を占める議会下院の本会議にはかられ、過半数の同意を得られれば弾劾訴追が決定しますが、訴追の時期には言及しませんでした。
司法委員会では来週9日に再び公聴会を開く予定で、民主党は今後、弾劾訴追状の作成に向けて詰めの作業を急ぎ、クリスマス前にも弾劾訴追したい考えです。
一方、トランプ大統領は5日、ツイッターに「私を弾劾するなら、今すぐやればいい。そうすれば、議会上院で公正な裁判を開くことができる」と投稿したうえで、仮に弾劾訴追が決まり、共和党が多数派を占める議会上院で弾劾裁判が開かれることになった場合、政敵のバイデン前副大統領やペロシ氏らを証人として呼ぶ考えを明らかにし、徹底抗戦する姿勢を鮮明にしました。
民主党 下院議長 記者に怒りをあらわに
民主党のペロシ下院議長は5日、弾劾訴追状を作成するよう指示したと明らかにしたあと別の記者会見に臨みましたが、会場から立ち去る際、トランプ大統領寄りとされるメディアの記者から「トランプ大統領を憎んでいるのか?」と問われ、怒りをあらわにする場面がありました。
ペロシ氏はこの記者に対し、「私は誰も憎んでいない。トランプ大統領は臆病者で残酷だと思うが弾劾はそれとは別の問題であり、アメリカ合衆国の憲法に関わる問題だ。私はカトリックの家庭に育ち、誰に対しても憎しみはない。トランプ大統領のためにもいつも祈っている」と述べ、トランプ大統領に厳しい立場をとるのは個人的な感情からではないと反論しました。
そして、「私に対してそのようなことばを使うことは許さない」と強い口調で記者に言い放ち会場をあとにしました。
一方、トランプ大統領はこの会見のあとツイッターに、「ペロシ氏は感情が抑えられなくなっていた。彼女は『大統領のために祈っている』と言ったが、私は信じない」と皮肉を込めて投稿しました。