日本新聞: 業者破綻で支出１億7000万円余に回収の見通し立たずさいたま

業者ぎょうしゃ破綻はたんで支出ししゅつ１いち億おく7000万まん円えん余よに回収かいしゅうの見通みとおし立たたずさいたま

Dec 6, 2019 05:12

Furigana

ことしの春はる、開校かいこう予定よていだったさいたま市しの公立こうりつ中学校ちゅうがっこうの新築しんちく工事こうじなどを受注じゅちゅうした業者ぎょうしゃが経営けいえい破綻はたんし完成かんせいが遅おくれた影響えいきょうで、当初とうしょ予定よていになかった市しの支出ししゅつが１いち億おく7000万まん円えん余あまりに上のぼり、回収かいしゅうの見通みとおしが立たっていないことが、市しの関係かんけい者しゃへの取材しゅざいでわかりました。さいたま市しの建設けんせつ業者ぎょうしゃ「エム・テック」は公立こうりつの中学校ちゅうがっこうの新築しんちく工事こうじと小学校しょうがっこうの増築ぞうちく工事こうじをほかの業者ぎょうしゃと共同きょうどうで受注じゅちゅうしましたが、去年きょねん10月つきに経営けいえい破綻はたんし、完成かんせいが最大さいだいで４よんか月かげつほど遅おくれました。

この影響えいきょうで緑みどり区くの中学校ちゅうがっこうは新あたらしい校舎こうしゃでの授業じゅぎょうのスタートが９月くがつにずれ込ずれこみ、それまでの間ま、近隣きんりんの学校がっこうで生徒せいとを受け入うけいれるための空あき教室きょうしつの緊急きんきゅう工事こうじや送迎そうげいバスの運行うんこうなどに費用ひようがかかったということです。

関係かんけい者しゃによりますと、予定よていになかった市しの支出ししゅつの総額そうがくは１いち億おく7000万まん円えん余あまりに上のぼるということです。

さいたま市しはこの費用ひようについてエム・テック側がわに請求せいきゅうを続つづける方針ほうしんですが、破産はさん管財かんざい人じんが支払しはらいは困難こんなんとしていることや、共同きょうどうで工事こうじを請け負うけおった業者ぎょうしゃに対にたいしても契約けいやく上じょう、請求せいきゅうできないことから回収かいしゅうの見通みとおしは立たっていないということです。

さいたま市しは「大変たいへん重おもく受け止うけとめている。今後こんご、契約けいやくの在り方ありかたの見直みなおしなどを検討けんとうしたい」としています。

専門せんもん家か「税金ぜいきんをむだに使つかわない仕組しくみ作づくりが必要ひつよう」

今回こんかいのケースについて、公共こうきょう事業じぎょうの契約けいやくに詳くわしい上智じょうち大学だいがくの楠くすのき茂樹しげき教授きょうじゅは、「税金ぜいきんで市民しみんサービスのためのインフラ整備せいびをしているので本来ほんらい、失敗しっぱいは許ゆるされず、市しは事前じぜんにリスク回避かいひするため何なん重じゅうもの手立てだてを考かんがえるべきだった。税金ぜいきんをむだに使つかわないための仕組しくみ作づくりが必要ひつようだ」と述のべ、契約けいやくの在り方ありかたを見直みなおしたり、企業きぎょうの経営けいえい状況じょうきょうについて事前じぜんに見極みきわめたりすることが重要じゅうようだと指摘してきしました。