日本新聞: ウクライナから日本へ避難した人1040人に就労など支援が課題

ウクライナから日本にっぽんへ避難ひなんした人ひと1040人にんに就労しゅうろうなど支援しえんが課題かだい

May 24, 2022 18:05

Furigana

ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうから24日にちで3か月かげつになります。ウクライナから日本にっぽんに避難ひなんした人ひとたちは1040人にんに上のぼっています。避難ひなん生活せいかつが長期ちょうき化かし、ことばや就労しゅうろうなどの支援しえんが課題かだいとなる中なか、ニーズに応おうじた対応たいおうが求もとめられています。

政府せいふはウクライナからの避難ひなん民みんを積極せっきょく的てきに受け入うけいれる方針ほうしんで、ウクライナから日本にっぽんに避難ひなんした人ひとたちは、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんが受け入うけいれを表明ひょうめいしたことし3月つき2日にち以降いこう、22日にちまでに1040人にんに上のぼっています。

月別つきべつにみると、3月つきが351人にん、4月つきが471人にん、5月つきが218人にんです。

このうち少すくなくとも13人にんはすでに日本にっぽんから出国しゅっこくしています。

政府せいふは避難ひなんしてきた人ひとたちに90日間にちかんの短期たんき滞在たいざいを認みとめる在留ざいりゅう資格しかくを付与ふよしていて、本人ほんにんが希望きぼうすれば就労しゅうろうが可能かのうで1年間ねんかん滞在たいざいできる「特定とくてい活動かつどう」の在留ざいりゅう資格しかくに変更へんこうすることができます。

22日にちの時点じてんで在留ざいりゅう資格しかくを変更へんこうした人ひとは、722人にんに上のぼります。

また、22日にちまでに3人にんが難民なんみん申請しんせいを行おこなったということです。

政府せいふはウクライナから避難ひなんした人ひとたちのうち、日本にっぽんに親族しんぞくなどの受け入うけいれ先さきがない人ひとについては、一時いちじ的てきな滞在たいざい先さきとしてホテルを確保かくほし、受け入うけいれ先さきとなる自治体じちたいや企業きぎょうなどを探さがしていて、これまでに6世帯せたい11人にんが東京とうきょうと京都きょうとの自治体じちたいなどで受け入うけいれが決きまったということです。

一方いっぽう、避難ひなんした人ひとたちの中なかには、タイミングをみて帰国きこくを望のぞんでいる人ひとたちもいるということです。

避難ひなん生活せいかつが長期ちょうき化かし、ことばや就労しゅうろう、教育きょういくなどの支援しえんが課題かだいとなる中なか、ニーズに応おうじた対応たいおうが求もとめられています。

複雑ふくざつな思おもい抱かかえる避難ひなん者しゃたち

ウクライナから避難ひなんした人ひとたちの中なかには、日本にっぽんにとどまり続つづけることに、複雑ふくざつな思おもいを抱かかえている人ひとたちもいます。

ウクライナ東部とうぶから避難ひなんしたセルヒィ・ヴィルリッチさん（66）と妻つまのリボフ・ヴィルリッチさん（59）は、ことし3月つき10日にちに埼玉さいたま県けんに住すむ娘むすめの根本こんぽんユリアさん夫妻ふさいを頼たよって、孫まごのブラッド・ブラウンさん（12）とともに入国にゅうこくしました。

3人にんは避難ひなん生活せいかつの長期ちょうき化かを見据みすえ、先月せんげつ、在留ざいりゅう資格しかくを90日間にちかんの「短期たんき滞在たいざい」から就労しゅうろうが可能かのうで1年間ねんかん滞在たいざいできる「特定とくてい活動かつどう」に変更へんこうしました。

夫妻ふさいは、地元じもとの公民こうみん館かんで開ひらかれる日本語にほんご教室きょうしつに通かよっているほか、娘むすめのユリアさんと一緒いっしょに買い物かいものに出でかけるなどして過すごしていて、妻つまのリボフさんは近ちかくの病院びょういんで持病じびょうの治療ちりょうも受うけているということです。

ブラウンさんはオンラインでウクライナの学校がっこうの授業じゅぎょうを受うけていて、近所きんじょの小学校しょうがっこうで日本にっぽんの子こどもたちと交流こうりゅうする機会きかいもあるということです。

セルヒィさんは、持病じびょうがある妻つまを日本にっぽんでサポートしたいという気持きもちがある一方いっぽう、もう1人にんの娘むすめの家族かぞくが生活せいかつし、仕事しごとも残のこしてきたウクライナに帰国きこくしたいという思おもいも強つよいということです。

セルヒィさんは「日本にっぽんにだいぶ慣なれてきましたがウクライナにも家族かぞくが残のこっているので、サポートするために帰国きこくしたい気持きもちもある。どうすればよいか迷まよっていて、苦くるしいです」と胸むねの内うちを明あかしました。

妻つまのリボフさんは「ウクライナでは薬くすりが手てに入はいらないので戻もどるのはまだ難むずかしいです。ウクライナに残のこっている娘むすめが心配しんぱいなので戦争せんそうはできるだけ早はやく終おわってほしいです」と話はなしていました。

また、孫まごのブラウンさんは「ウクライナの友達ともだちとオンラインではなく、一緒いっしょに勉強べんきょうしたいです。日本にっぽんでの生活せいかつは楽たのしくなってきましたが、家族かぞくに会あいたいので一いち回かい、戻もどりたいです。ウクライナのみんなが無事ぶじでいることを祈いのってます」と話はなしていました。