極端な干ばつに見舞われているイラク北部で、水位が急激に低下したダムの底から3400年前の古代都市が出現しました。
古代遺跡はクルドとドイツの考古学チームが今年1月から2月にかけ、クルディスタン地域を流れるチグリス川沿いのモスルダムで発掘しました。同プロジェクトは文化遺産を後世に残すため、地元の考古遺産当局が協力して実施されました。
発掘が行われたケムネ遺跡は、青銅器時代の紀元前1550年~1350年に栄えた「ミタンニ王国」の主要都市ザキクだったと思われます。ドイツ・フライブルク大学の研究者によると、ミタンニ王国は当時、地中海沿岸部からイラク北部にかけての一帯を支配していました。
ザキクはイラク政府が1980年代にモスルダムを建設した後に水没し、以来、ほとんど姿を見せることはありませんでした。