智弁和歌山の高嶋仁監督は、甲子園での通算勝利数を65勝とし、自身が持つ歴代最多記録を更新しました。
富山商業はエースの沢田龍太投手が速球と鋭い変化球のコンビネーションで強打の智弁和歌山を7回まで2点に抑えましたが、守備の乱れなどもあり初戦突破はなりませんでした。
高嶋監督「次につながる勝利だった」
智弁和歌山高校の高嶋仁監督は、思うように打線がつながらなかった序盤を振り返り、「初戦でだいぶ硬くなっていた。長打を狙いすぎて低めのボールの見極めができず苦しんだ。選手たちには辛抱してボールが浮くのを待つように伝えた」と話していました。そのうえで「2人のピッチャーが持ち味を出してくれた。これだけやれたことは自信になったと思う。野手もエラーが少なく、次につながる勝利だった」と競り合いを制した選手たちをたたえていました。
文元主将「初戦で接戦に勝て勢いがつけられた」
智弁和歌山高校のキャプテン、文元洸成選手は3回の同点タイムリーヒットについて「何としても打ちたいという気持ちだった。先制された厳しい状況のなか、なんとか1点を返せてよかった」と振り返っていました。そして、「初戦で接戦の好ゲームに勝てたことは大きく、次の試合に向けて勢いがつけられた。次の試合でもチームの勝利のために頑張りたい」と意気込んでいました。
池田投手「低めに丁寧に投げるよう意識した」
5回途中から出場し、投打で活躍した智弁和歌山高校の池田陽佑投手は、決勝点となる8回の勝ち越しのタイムリーツーベースヒットについて「思いっきり振ろうと思っていた。チャンスでとても緊張したが、体がうまく反応してくれた」とうれしそうに話していました。また、4イニング余りを無失点に抑えたピッチングについては「低めに丁寧に投げるように意識し、狙い通りに投げられた。野手が全力で守ってくれたので全力で抑えようという気持ちだった」と振り返っていました。
前崎監督「経験値の差が勝敗につながった」
富山商業の前崎秀和監督は、「守備のミスが多く、特に8回2アウトからのセカンドゴロのエラーが痛かった。沢田投手は中盤までは速球と変化球にキレがあり低めを打たせていたが、7回あたりからうまくコントロールできなくなり打たれてしまった。智弁和歌山打線は最後まで自分のスイングを貫いていて、経験値の差が勝敗につながったと思う」と話していました。
沢田投手「終盤に疲れて甘いコースを打たれた」
強打の智弁和歌山高校を相手に9回4失点だった富山商業のエース、沢田龍太投手は、「調子はよく、前半はボールをコントロールしてうまく抑えることができたが、終盤に疲れてしまい甘いコースを打たれてしまった。相手打線はスイングが鋭く圧力を感じ、むだなフォアボールも多くなってしまった」と振り返っていました。そのうえで、「厳しいコースに投げれば全国レベルの強力打線にも通用することがわかったので、夏に向けて最後まで投げきる体力を身につけるとともに、コントロールを磨きたい」と話していました。
キャッチャー山本「集中力を身に付け戻ってくる」
富山商業のキャッチャー、山本龍也選手は中学時代からバッテリーを組むエースの沢田投手について、「序盤は決め球の変化球を低めに集めてくれて、対策通りにバッターを抑えることができた。投げ急いでいるときに打たれることが多いので、間を取ろうと声をかけに行くなどしたが、最後は疲れからボールが甘くなってしまった。ただ、全国の舞台でも力を出し切っていたので、すばらしいピッチャーだと思った」と話していました。そのうえで、「ワイルドピッチなどバッテリーエラーも失点につながり悔しい。大事な場面で1点も与えない集中力を身につけて、夏には粘り強く守れるバッテリーとして甲子園に戻ってきたい」と気持ちを新たにしていました。