長らく所在不明だったルーベンス作、約4億1600万円で落札――希少な保存状態が評価
フランス・ベルサイユにおいて先月30日、17世紀バロック絵画の巨匠として知られるピーテル・パウル・ルーベンスの作品がオークションに出品され、230万ユーロ(日本円で約4億1600万円)という高額で落札された。AP通信などの報道によれば、この作品は「十字架にかけられたキリスト」を主題としており、1613年に制作されたものの、その後長年にわたり所在が不明となっていた。しかし、昨年パリ市内の個人邸宅において美術品の売買が行われた際、偶然にも発見されたという経緯がある。
オークション主催者によると、本作は数世紀前に描かれたにもかかわらず保存状態が極めて良好であり、修復を要しない点が極めて稀有であると評価されている。こうした保存状態の優れたルーベンス作品は非常に珍しいことから、今回の落札価格にも反映されたものと考えられる。ルーベンスの作品をめぐっては、過去にも高額で取引されてきたが、今回のように発見直後に良好な状態で市場に出る例はほとんどないと言える。