まめ蜂長者はちちょうじゃ

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Nov 1, 2023 07:11 0
Furigana
日本報紙

ワレゴウシとワレワンという、二人ふたり修行僧しゅぎょうそうたびをしていた。途中とちゅうでかいした一休ひとやすしていたら、ワレワンのほうが居眠いねむをしはじめた。

すると一匹いっぴきまめはちが、ワレワンのみみのあたりをまわっていた。ワレゴウシがまめはちぱらいながら、ワレワンをこした。ワレワンは今迄夢いままでゆめていたのだという。その内容ないようは、「このしたに、小判こばんはいったつぼがあるから、おまえやる。」というゆめたのだという。ワレワンはただゆめだとしんじなかったが、ワレゴウシは、正夢まさゆめだとおもい「これからは、べつべつたびをして3年後ねんごに、またあのしたわないか」とった。

ワレワンも承知しょうちして、二人べつべつべつになった。そのとたんワレゴウシはかえし、したこした。するとゆめのおげのとおり、小判こばんはいったつぼがひとつてきた。ワレゴウシは、おもわずをあわせてよろこんだ。

それから年後ねんごあのしたでは、大金持おおがねもになった、ワレゴウシが、芸者げいしゃれて酒盛さかもをしていた。そこ以前いぜんまった変化へんかのないワレワンが、やって二人ふたり再会さいかいたした。そしてワレゴウシが、あのときのいきさつをはなし、こしたかね博打場ばくちじょうひらいたというのだ。ワレゴウシはワレワンに、「もう坊主ぼうずなんかやめてしまえ!」といながらつぼ小判こばん半分はんぶんわたそうとしうた。しかしワレワンは、すっかりあきれてことわった。ワレゴウシは、激怒げきどしてげていった。

ひとりになったワレワンは、「たしゆめでは、つぼは7つあるっていたな。」とおもし、もう一度掘いちどほってみたら、さらにしたかたのこ6つの小判こばんはいったつぼてきた。ワレワンそのかね元手もとで長者ちょうじゃになり、こまっているひとびとにもかねあたえたので、ひとびと々から「まめ蜂長者はちちょうじゃ」とばれるようになったという。

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