日本新聞: 石破首相きょう韓国大統領と首脳会談協力強化などを確認

石破いしば総理そうり大臣だいじんは23日にじゅうさんにち夕方ゆうがた、韓国かんこくのイ・ジェミョン（李り在明ざいめい）大統領だいとうりょうとの日韓にっかん首脳しゅのう会談かいだんに臨のぞみます。
首脳しゅのうどうしの信頼しんらい関係かんけいの構築こうちくを図はかるとともに、経済けいざいや人的じんてき交流こうりゅうなどさまざまな分野ぶんやでの協力きょうりょく強化きょうかや、北朝鮮きたちょうせんへの対応たいおうをめぐる連携れんけいを確認かくにんしたい考かんがえです。

石破いしば総理そうり大臣だいじんは23日にじゅうさんにち夕方ゆうがた、総理そうり大臣だいじん官邸かんていで、イ大統領だいとうりょうとの日韓にっかん首脳しゅのう会談かいだんに臨のぞみます。

イ大統領だいとうりょうの日本にっぽん訪問ほうもんは就任しゅうにん後ご初はじめてで、両りょう首脳しゅのうの対面たいめんでの会談かいだんは、6月ろくがつにカナダでG7サミット＝主要しゅよう7か国ななかこく首脳しゅのう会議かいぎにあわせて行おこなわれて以来いらい、2回にかい目めとなります。

会談かいだんははじめに同席どうせき者しゃを限定げんていした少人数しょうにんずうの会合かいごうが行おこなわれるのに続つづき、拡大かくだい会合かいごうが予定よていされています。

今回こんかいの会談かいだんで石破いしば総理そうり大臣だいじんは、首脳しゅのうどうしの信頼しんらい関係かんけいの構築こうちくを図はかるとともに、首脳しゅのうによる相互そうご往来おうらい「シャトル外交がいこう」を活用かつようしながら緊密きんみつに意思いし疎通そつうしていくことをあらためて確認かくにんしたい考かんがえです。

また、日韓にっかん国交こっこう正常化せいじょうかからことしで60年ろくじゅうねんを迎むかえたことを踏ふまえ、経済けいざいや人的じんてき交流こうりゅうなどさまざまな分野ぶんやで協力きょうりょくを強化きょうかしたいとしていて、ワーキングホリデーのビザを2回にかいまで取得しゅとくできるよう拡充かくじゅうすることで合意ごういする方向ほうこうで調整ちょうせいしています。

安全あんぜん保障ほしょう分野ぶんやでは、ロシアとの軍事ぐんじ協力きょうりょくを進すすめる北朝鮮きたちょうせんへの対応たいおうなどをめぐって意見いけんが交かわされる見通みとおしで、石破いしば総理そうり大臣だいじんは日韓にっかん両国りょうこくに加くわえ、アメリカを含ふくむ日米韓にちべいかん3か国さんかこくで連携れんけいを強化きょうかしていくことでも一致いっちしたい考かんがえです。

さらに、急速きゅうそくな人口じんこう減少げんしょうや少子化しょうしかなど、両国りょうこくに共通きょうつうする課題かだいも議題ぎだいになるものとみられます。

一方いっぽう、イ大統領だいとうりょうは、日本にっぽんに続つづいてアメリカを訪問ほうもんし、トランプ大統領だいとうりょうと会談かいだんする予定よていで、23日にじゅうさんにちの首脳しゅのう会談かいだんではアメリカの関税かんぜい措置そちをめぐっても意見いけんが交かわされる見通みとおしです。

そして、両りょう首脳しゅのうはそろって共同きょうどう記者きしゃ発表はっぴょうに臨のぞみ、会談かいだんの成果せいかなどを説明せつめいすることにしています。
首脳しゅのう会談かいだんの焦点しょうてんは
韓国かんこくの大統領だいとうりょうが最初さいしょの二国間にこくかんの訪問先ほうもんさきとして日本にっぽんを訪おとずれるのは、1965年せんきゅうひゃくろくじゅうごねんの国交こっこう正常化せいじょうか以降いこうでは初はじめてで、日本にっぽん政府せいふ関係者かんけいしゃからは「イ大統領だいとうりょうが日本にっぽんを重視じゅうししている姿勢しせいの表あらわれだ」と歓迎かんげいする声こえが出でています。

これも踏ふまえ、石破いしば総理そうり大臣だいじんは両国りょうこくの間まに懸案けんあんもある中なか、今回こんかいの首脳しゅのう会談かいだんでは協力きょうりょくの深化しんかに重点じゅうてんを置おきたい考かんがえです。

具体的ぐたいてきには、両国りょうこくが国交こっこう正常化せいじょうかしてからことしで60年ろくじゅうねんを迎むかえたことを踏ふまえた経済けいざい活動かつどうや人的じんてき交流こうりゅうの拡大かくだいをめぐり、意見いけんが交かわされる見通みとおしです。

また、東アジアひがしあじあの安全あんぜん保障ほしょう環境かんきょうが厳きびしさを増ます中なか、ロシアとの軍事ぐんじ協力きょうりょくを進すすめる北朝鮮きたちょうせんへの対応たいおうをめぐっても連携れんけい強化きょうかを確認かくにんしたいとしています。

今回こんかいの会談かいだんの位置いちづけについて日本にっぽん政府せいふ関係者かんけいしゃは「これまで両国りょうこくが培つちかってきた『根幹こんかん』を確認かくにんし、今後こんごの関係かんけいを『安定あんてい』させるための会談かいだんになる」と話はなしています。

日本にっぽんと韓国かんこくはともに、急速きゅうそくな人口じんこう減少げんしょうと少子化しょうしかに直面ちょくめんしています。

「地方ちほう創生そうせい」を政権せいけんの重要じゅうよう課題かだいと位置いちづける石破いしば総理そうり大臣だいじんとしては、韓国かんこくと連携れんけいしながら共通きょうつうの課題かだいに取とり組くむ姿勢しせいを確認かくにんしたい考かんがえです。

さらに、首脳しゅのうどうしの個人的こじんてきな信頼しんらい関係かんけいの構築こうちくが進すすむかも焦点しょうてんです。

首脳しゅのう会談かいだんに続つづき総理そうり大臣だいじん公邸こうていでは双方そうほうの夫人ふじんも交まじえた夕食会ゆうしょくかいが行おこなわれる予定よていで、夫人ふじんどうしの交流こうりゅうも検討けんとうされています。

一方いっぽう、日本にっぽん政府せいふは今回こんかいのイ大統領だいとうりょうの日本にっぽん訪問ほうもんを首脳しゅのうによる相互そうご往来おうらい「シャトル外交がいこう」の一環いっかんと位置いちづけていて、次回じかい以降いこうの首脳しゅのう間かんの往来おうらいについてやり取とりがあるかも注目ちゅうもくされます。
韓国かんこく大統領だいとうりょうの日本にっぽん訪問ほうもんおととし5月ごがつ以来いらい
韓国かんこくの大統領だいとうりょうの日本にっぽん訪問ほうもんは、おととし5月ごがつに当時とうじのユン・ソンニョル（尹いん錫悦すずえつ）大統領だいとうりょうがG7広島ひろしまサミットに出席しゅっせきして以来いらいとなります。

こうした国際こくさい会議かいぎや行事ぎょうじなどの機会きかいとは別べつに、日本にっぽんと韓国かんこくは首脳しゅのうが相互そうごに訪問ほうもんし合あう「シャトル外交がいこう」を2004年にせんよねん7月しちがつから2011年にせんじゅういちねん12月じゅうにがつまで行おこなっていました。

しかし、2012年にせんじゅうにねんに当時とうじのイ・ミョンバク（李り明博あきひろ）大統領だいとうりょうが竹島たけしまに上陸じょうりくするなどして関係かんけいが悪化あっかし、10年じゅうねん以上いじょう、途絶とだえました。

転機てんきとなったのは3年前さんねんまえ、2022年にせんにじゅうにねん5月ごがつのユン大統領だいとうりょうの就任しゅうにんです。

ユン大統領だいとうりょうは日本にっぽんとの関係かんけい改善かいぜんに意欲いよくを示しめし、太平洋たいへいよう戦争せんそう中ちゅうの「徴用ちょうよう」をめぐる問題もんだいで解決かいけつ策さくを発表はっぴょう。おととし3月さんがつに日本にっぽんを訪問ほうもんし、当時とうじの岸田きしだ総理そうり大臣だいじんと「シャトル外交がいこう」を再開さいかいさせることを確認かくにんしました。

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんもこれに呼応こおうし、広島ひろしまサミットの直前ちょくぜんのおととし5月ごがつに韓国かんこくを訪問ほうもん。首脳しゅのうどうしの親密しんみつさをアピールしました。

その後ご、日本にっぽんと韓国かんこく双方そうほうで首脳しゅのうが交代こうたいし、石破いしば総理そうり大臣だいじんはことし6月ろくがつ、訪問先ほうもんさきのカナダでイ・ジェミョン大統領だいとうりょうと対面たいめんでは初はじめてとなる首脳しゅのう会談かいだんを行おこないました。

そして「シャトル外交がいこう」も活用かつようしながら、緊密きんみつに意思いし疎通そつうしていくことで一致いっちしました。

今回こんかいのイ大統領だいとうりょうの訪問ほうもんについて日本にっぽん政府せいふ内ないからは「良好りょうこうな関係かんけいを築きずきたいという大統領だいとうりょうの意欲いよくの表あらわれだ」と歓迎かんげいする声こえが出でています。

今後こんご、首脳しゅのうがどれくらいの頻度ひんどで往来おうらいするかは、日韓にっかん関係かんけいをはかる上うえでの1つひとつの尺度しゃくどとなりそうです。
これまでの日韓にっかん関係かんけいは
日韓にっかん関係かんけいはこれまで、友好ゆうこうムードの高たかまりと冷ひえ込こむことを繰くり返かえしてきました。

2000年代にせんねんだいは、2002年にせんにねんのサッカーワールドカップの日韓にっかん共同きょうどう開催かいさいや韓国かんこくドラマなどを背景はいけいとした「韓流かんりゅうブーム」で友好ゆうこうムードが高たかまりました。

2004年にせんよねんからは日韓にっかん両国りょうこくの首脳しゅのうが互たがいの国くにを訪問ほうもんする「シャトル外交がいこう」も始はじまり、政治せいじや経済けいざい、スポーツや文化ぶんかなどさまざまな分野ぶんやで両国りょうこくの関係かんけいは緊密きんみつさを増ましました。

しかし、2012年にせんじゅうにねんに当時とうじのイ・ミョンバク大統領だいとうりょうが竹島たけしまに上陸じょうりくしたことなどもあり、両国りょうこくの関係かんけいは次第しだいに冷ひえ込こんでいきます。

2013年にせんじゅうさんねんに就任しゅうにんしたパク・クネ（朴ぼく槿恵きんけい）大統領だいとうりょうは慰安婦いあんふの問題もんだいで日本にっぽんの歩あゆみ寄よりを求もとめる姿勢しせいを示しめし、3年半さんねんはん、首脳しゅのう会談かいだんが行おこなわれない事態じたいとなりました。

慰安婦いあんふの問題もんだいは、2015年にせんじゅうごねんに行おこなわれた当時とうじの安倍あべ総理そうり大臣だいじんとパク大統領だいとうりょうとの首脳しゅのう会談かいだんで進展しんてんします。

日韓にっかん両政府りょうせいふは韓国かんこく政府せいふが設立せつりつする財団ざいだんに日本にっぽん政府せいふが10億円じゅうおくえんを拠出きょしゅつし、元慰安婦もといあんふを支援しえんすることなどを確認かくにんし「最終的さいしゅうてきかつ不可逆的ふかぎゃくてきに」解決かいけつされたことで合意ごういしました。

ただ、2017年にせんじゅうしちねんに発足ほっそくしたムン・ジェイン（文ぶん在寅ざいいん）政権せいけんはこの合意ごういを批判ひはんし、よくとし、財団ざいだんの解散かいさんを一方的いっぽうてきに発表はっぴょう。さらに太平洋たいへいよう戦争せんそう中ちゅうの「徴用ちょうよう」をめぐる問題もんだいでも対立たいりつが深ふかまり、ムン政権せいけんのもと、日韓にっかん関係かんけいは戦後せんご最悪さいあくと言いわれるまでに悪化あっかしました。

こうした中なか、2022年にせんにじゅうにねんに就任しゅうにんしたユン・ソンニョル（尹いん錫悦すずえつ）大統領だいとうりょうは日韓にっかん関係かんけいの改善かいぜんに意欲いよくを示しめします。

「徴用ちょうよう」をめぐる問題もんだいで解決かいけつ策さくを発表はっぴょうしておととし3月さんがつには日本にっぽんを訪問ほうもんし、当時とうじの岸田きしだ総理そうり大臣だいじんと、10年じゅうねん以上いじょう途絶とだえていた「シャトル外交がいこう」を再開さいかいさせることを確認かくにん。日韓にっかん関係かんけいは大おおきく改善かいぜんしました。

日韓にっかん両国りょうこくは、ことし国交こっこう正常化せいじょうかから60年ろくじゅうねんの節目ふしめの年としを迎むかえました。石破いしば総理そうり大臣だいじんとイ・ジェミョン大統領だいとうりょうのもと、関係かんけい改善かいぜんの流ながれをより確たしかなものとしていけるかが焦点しょうてんとなります。

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