日本新聞: 概算要求 122兆円台の見通し物価上昇踏まえ過去最大を更新

国くにの来らい年度ねんど予算よさん案あんの編成へんせいに向むけて29日にじゅうくにち、各かく省庁しょうちょうは財務省ざいむしょうに概算がいさん要求ようきゅうを提出ていしゅつしています。物価ぶっか上昇じょうしょうを踏ふまえた要求ようきゅうが広ひろく認みとめられたことで経費けいひ全般ぜんぱんの押おし上あげにつながり、要求ようきゅう総額そうがくは過去かこ最大さいだいを更新こうしんして一般いっぱん会計かいけいで122ひゃくにじゅうに兆ちょう円えん台だいとなる見通みとおしです。

今回こんかいの概算がいさん要求ようきゅうにあたっては、賃金ちんぎんや調達ちょうたつ価格かかくの上昇じょうしょうを踏ふまえた要求ようきゅうが広ひろく認みとめられ、政策せいさく判断はんだんに基もとづく「裁量さいりょう的てき経費けいひ」も、これまで条件じょうけんとしてきた一定いっていの削減さくげんがなくても増額ぞうがくが可能かのうになりました。

これによって経費けいひ全般ぜんぱんの押おし上あげにつながり、要求ようきゅう総額そうがくは過去かこ最大さいだいを更新こうしんして一般いっぱん会計かいけいで122ひゃくにじゅうに兆ちょう円えん台だい半なかばとなる見通みとおしです。

各かく省庁しょうちょう特有とくゆうの増加ぞうか要因よういんもあり、▽厚生こうせい労働ろうどう省しょうの要求ようきゅう額がくは、高齢こうれい化かに伴ともなう医療いりょうや年金ねんきんなどの費用ひようの増加ぞうかを踏ふまえ今年度こんねんど予算よさんを4800よんせんはっぴゃく億おく円えん余あまり上回うわまわるおよそ34さんじゅうよん兆ちょう7900ななせんきゅうひゃく億おく円えん。

▽財務省ざいむしょうは国債こくさいの償還しょうかんや利払りばらいに必要ひつような国債こくさい費ひの要求ようきゅう額がくを、長期ちょうき金利きんりの上昇じょうしょう傾向けいこうが続つづいていることから、今年度こんねんど予算よさんを4よん兆ちょう円えん以上いじょう、上回うわまわる32さんじゅうに兆ちょう3800さんぜんはっぴゃく億おく円えん余あまりとしています。

▽国土こくど交通こうつう省しょうはインフラの老朽ろうきゅう化か対策たいさくなどを強化きょうかするため今年度こんねんど予算よさんより1いち兆ちょう円えん以上いじょう多おおい7なな兆ちょう円えん余あまりの要求ようきゅうとなります。

このほか、

▽文部もんぶ科学かがく省しょうは高校こうこう授業じゅぎょう料りょうの無償むしょう化か

▽農林水産省のうりんすいさんしょうはコメの増産ぞうさんに向むけた農地のうちの集約しゅうやく化か

▽経済けいざい産業さんぎょう省しょうは関税かんぜい措置そちの影響えいきょうを受うける中小ちゅうしょう企業きぎょうの支援しえんなど新あらたな政策せいさく課題かだいに対応たいおうした要求ようきゅうも相次あいついでいます。

こうした中なかには、具体ぐたい的てきな金額きんがくを示しめさない事項じこう要求ようきゅうも多おおく、実質じっしつ的てきな要求ようきゅう額がくはさらに膨ふくらむ見通みとおしで、今後こんごの予算よさん編成へんせいではメリハリのある査定さていが求もとめられることになります。

加藤かとう財務ざいむ相しょう「インフレ局面きょくめんの予算よさん編成へんせい」

来年度らいねんど予算よさん案あんの概算がいさん要求ようきゅうについて加藤かとう財務ざいむ大臣だいじんは29日にじゅうくにちの閣議かくぎのあとの記者きしゃ会見かいけんで「まさにこれまでのデフレではない、新あたらしい、インフレの局面きょくめんに入はいってきた中なかでの予算よさん編成へんせいということで、今回こんかいはそれを踏ふまえた予算よさん要求ようきゅうが各省かくしょうから行おこなわれていると思おもう」と述のべました。

その上うえで、加藤かとう大臣だいじんは「財務省ざいむしょうとしては、今後こんご、各省かくしょうから提出ていしゅつされた予算よさん要求ようきゅう・要望ようぼうの内容ないようを踏ふまえて予算よさん編成へんせい過程かていにおいて各省かくしょうともしっかり議論ぎろんを行おこない、歳出さいしゅつ改革かいかくの徹底てっていを図はかりながら、経済けいざいの再生さいせいと財政ざいせいの健全けんぜん化かの両立りょうりつを図はかるという視点してん、立場たちばから予算よさん編成へんせいにあたっていきたい」と述のべました。

また、税制ぜいせい改正かいせい要望ようぼうについて、加藤かとう大臣だいじんは「税制ぜいせい改正かいせいは基本きほん的てきには党とうの税制ぜいせい調査ちょうさ会かいを中心ちゅうしんに議論ぎろんされるが、税制ぜいせい調査ちょうさ会かいではこれまで、大おおきく減税げんぜいをするのであればそれに見合みあう安定あんてい的てきな財源ざいげんを確保かくほするという姿勢しせいをとってこられた。