全国の
蔵元から
出品された850
余りの
日本酒のできばえを
競う
全国新酒鑑評会の
審査結果が
公表され、
特に優秀な
酒に
贈られる「
金賞」には
福島県から22
点が
選ばれ、
都道府県別の
受賞数で
7年連続の
日本一となりました。
全国新酒鑑評会は、
広島県東広島市に
ある独立行政法人の「
酒類総合研究所」が、
酒造りの
技術と
品質を
高めようと、
毎年この時期に
行っています。
107回目のことしは、全国の蔵元から857点が出品され、香りや味などについて審査を行った結果が、17日午前、ホームページで発表されました。このうち「入賞」は416点で、中でも特に優れた「金賞」には237点が選ばれました。
金賞の数を都道府県別に見ますと、最も多いのが福島県の22点でした。受賞数で福島県が日本一になるのは平成25年以降7年連続で、去年達成した連続日本一の記録、6年連続を更新しました。
2位は秋田県の18点、3位は兵庫県の16点などとなっています。東京電力福島第一原発事故による風評の払拭(ふっしょく)が大きな課題になっている福島県にとって、日本酒は県産品の安全性や品質の高さを広くPRするけん引役として期待されていて、今回の快挙に、地元では喜びの声が上がっています。
入賞した日本酒は来月15日に東京池袋で行われる日本酒のイベントで披露され、利き酒ができるということです。
県庁では
福島県庁では午前10時に全国新酒鑑評会の結果がインターネットで発表されると、担当の職員が会議室に移動し、金賞を示す星印の数を都道府県別に集計する作業を始めました。
そして結果がまとまると、観光交流局の宮村安治局長が職員たちに「7年連続日本一を達成しました」と報告し、全員が拍手で祝っていました。
宮村局長は福島県の日本酒が高い評価を受けていることについて、「東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故のあと、県民も酒蔵も苦しい時期に希望の光となってきた。日本一が続いていることでこれから1年間頑張ろうという気持ちになる」と話していました。
新聞の号外が配られる
全国新酒鑑評会の結果を受けて、福島県内では新聞の号外が配られ、喜びの声が広がりました。
福島市の福島駅前では午前11時すぎに地元の新聞社が「金賞7年連続日本一」などと書かれた新聞の号外を配りました。
号外を受け取った福島市の女性は、「うれしいです。福島のお酒は本当におすすめなので、県外、そして世界の人に飲んでほしいです」と話していました。
またスーツ姿の男性は「日本一は光栄なことで、福島をPRできる大切な機会です。福島の日本酒は毎日飲みたいですね」と話していました。
また、別の男性は「酒蔵の人が一生懸命つくった努力のたまものだと思います。県外ではまだ風評被害を気にする人も多いと思いますが7年連続日本一を受けて福島のよさをさらに知ってほしいです」と話していました。
2つの酒蔵が16年連続で金賞を受賞
ことしの全国新酒鑑評会で、宮城県美里町と秋田市の酒蔵の酒が16年連続で金賞を受賞し、最多記録をさらに伸ばしました。
16年連続で金賞を受賞したのは宮城県美里町にある川敬商店の「黄金澤」と秋田市にある秋田酒類製造御所野蔵の「高清水」です。
このうち宮城県の川敬商店は、これまで杜氏だった川名正直さんが入院したため、娘の由倫さん(30)が杜氏を引き継ぎました。
ことしは由倫さんが最初のこうじ作りからすべて担当した初めての年でしたが、見事、金賞を受賞しました。
今回の結果について由倫さんは、「結果が気になっていましたが、無事受賞できてほっとしています。大吟醸はタンク1本で勝負していますが、蔵人みんなの努力が報われてよかったです」と話しています。