日本新聞: 作家の田辺聖子さん死去 91歳

作家さっかの田辺たなべ聖子せいこさん死去しきょ 91歳さい

Jun 10, 2019 14:06

Furigana

人生じんせいの機微きびを軽妙けいみょうに語かたる小説しょうせつや源氏げんじ物語ものがたりを現代げんだい語ごで書き換かきかえた「新しん源氏げんじ物語ものがたり」などで人気にんきを集あつめた作家さっかで、文化ぶんか勲章くんしょうを受章じゅしょうした田辺たなべ聖子せいこさんが、今月こんげつ６ろく日にち、神戸こうべ市内しないの病院びょういんで胆きも管かん炎えんのため亡なくなりました。91歳さいでした。田辺たなべさんは昭和しょうわ３さん年ねんに大阪おおさか市しで生うまれ、昭和しょうわ22年ねんに当時とうじの樟くすのき蔭かげ女子じょし専門せんもん学校がっこうの国文こくぶん科かを卒業そつぎょうしました。

在学ざいがく中ちゅうから小説しょうせつを書かき、昭和しょうわ31年ねんに書かいた「虹にじ」で大阪おおさか市民しみん文芸ぶんげい賞しょうを受賞じゅしょうしたあと、昭和しょうわ39年ねんに「感傷かんしょう旅行りょこう（センチメンタル・ジャーニイ）」という恋愛れんあい小説しょうせつで第だい50回かい芥川賞あくたがわしょうを受賞じゅしょうしました。

鋭するどい人間にんげん観察かんさつを基もとに人生じんせいの機微きびを軽妙けいみょうに表現ひょうげんする作風さくふうで文学ぶんがく界かいに新風しんぷうを吹き込ふきこみ、「源氏げんじ物語ものがたり」を現代げんだい語ごで書き換かきかえた「新しん源氏げんじ物語ものがたり」など、古典こてん文学ぶんがくの紹介しょうかいにも取り組とりくんだほか、歴史れきし小説しょうせつや評伝ひょうでんにも活躍かつやくの場ばを広ひろげ、昭和しょうわ62年ねんには、女性じょせいとして初はじめて直木なおき賞しょうの選考せんこう委員いいんにも選えらばれました。

また、軽妙けいみょうなエッセーも多おおく執筆しっぴつして「お聖きよしさん」の愛称あいしょうで親したしまれ、平成へいせい18年度ねんどには田辺たなべさんのエッセーなどを原作げんさくにしたＮＨＫえぬえいちけいの連続れんぞくテレビ小説しょうせつ「芋いもたこなんきん」が放送ほうそうされました。

平成へいせい７なな年ねんに紫綬しじゅ褒章ほうしょうを受章じゅしょう、平成へいせい20年ねんには文化ぶんか勲章くんしょうを受章じゅしょうしています。

親族しんぞくによりますと、田辺たなべさんは近年きんねん、体調たいちょうがすぐれないこともあり、仕事しごとの数かずを絞しぼって活動かつどうしていましたが、ことし４月しがつ末まつに体調たいちょうが悪化あっかし、今月こんげつ６ろく日にち、胆きも管かん炎えんのため入院にゅういん先さきの神戸こうべ市内しないの病院びょういんで亡なくなったということです。91歳さいでした。

作家さっかの田辺たなべ聖子せいこさん死去しきょ 91歳さい

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