新燃岳しんもえだけ 噴煙ふんえん5000mの噴火ふんかから1週間しゅうかん 溶岩ようがん流りゅう伴ともなう噴火ふんかの想定そうていも

霧島きりしま連山れんざんの新燃岳しんもえだけでは、6月つき22日にちに2018年ねん6月つき以来いらいとなる噴火ふんかが発生はっせいし、その後そのごも10日にちにかけて断続だんぞく的てきに噴火ふんかが起おきています。

この噴火ふんか活動かつどうで1週間しゅうかん前まえの7月つき3日にちの午後ごごには、噴煙ふんえんが火口かこうから5000メートルまで上あがりました。

火山かざんガスに含ふくまれる二に酸化さんか硫黄いおうの放出ほうしゅつ量りょうも6月つき23日にちに1日にちあたり4000トンと急激きゅうげきに増加ぞうかし、3日にち前まえの7日にちの観測かんそくでも900トンとやや多おおくなりました。

また衛星えいせいによる観測かんそくで地下ちか深部しんぶの膨張ぼうちょうを示しめすわずかな変化へんかも見みられるなど、気象台きしょうだいは火山かざん活動かつどうが活発かっぱつな状態じょうたいで経過けいかしているとしています。

さらに、産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょが7月つき2日にちの噴火ふんかの火山灰かざんばいを分析ぶんせきした結果けっか、新あたらしいマグマに由来ゆらいする物質ぶっしつが噴火ふんかが始はじまった当初とうしょよりも増ふえていることが分わかり、気象台きしょうだいはこれまでより地下ちかのマグマの影響えいきょうが強つよくなっている可能かのう性せいを示しめしているとしています。

気象台きしょうだいは今後こんご、本格ほんかく的てきなマグマ噴火ふんかに移行いこうすると、大量たいりょうの降灰こうかいや溶岩ようがん流りゅうの発生はっせいなどを伴ともなう噴火ふんかが想定そうていされるとしていて、噴火ふんか警戒けいかいレベル3の火口かこう周辺しゅうへん警報けいほうを継続けいぞくして、火口かこうからおおむね3キロの範囲はんいでは噴火ふんかに伴ともなう大おおきな噴石せきに、おおむね2キロの範囲はんいでは火砕流かさいりゅうに警戒けいかいするよう呼よびかけています。

また、爆発ばくはつ的てきな噴火ふんかに伴ともなう「空そら振ふ」＝空気くうきの振動しんどうで窓まどガラスが割われるおそれもあるとして、注意ちゅういを呼よびかけています。

専門せんもん家か マグマ噴火ふんかが起おきる可能かのう性せい 指摘してき

新燃岳しんもえだけでは、7月つき3日にちの噴火ふんかで噴煙ふんえんが最もっとも高たかい時ときで火口かこうから5000メートル上あがるなど、活発かっぱつな火山かざん活動かつどうが続つづいています。

また、産業さんぎょう技術ぎじゅつ総合そうごう研究所けんきゅうじょが火山灰かざんばいを分析ぶんせきした結果けっか、7月つきになって、新あたらしいマグマに由来ゆらいする物質ぶっしつが増ふえていることもわかりました。

こうしたことについて、新燃岳しんもえだけの火山かざん活動かつどうに詳くわしい東京とうきょう大学だいがく地震じしん研究所けんきゅうじょの大湊おおみなと隆雄たかお 教授きょうじゅは、マグマがより浅あさい場所ばしょに近ちかづきつつあることを示しめしていると分析ぶんせきしています。

マグマから火山かざんガスが次々つぎつぎと抜ぬけているため古ふるい岩いわなどを吹き飛ふきとばし、多量たりょうの火山灰かざんばいを降ふらせていることにつながっているということです。

今後こんごの見通みとおしについて大湊おおみなと教授きょうじゅは、現時点げんじてんの地殻ちかく変動へんどうのデータからは地下ちか深ふかくから浅あさい場所ばしょへのマグマの供給きょうきゅうはないと考かんがえられるものの、今後こんご再開さいかいすれば、マグマが直接ちょくせつ噴き出ふきだすマグマ噴火ふんかが起おきる可能かのう性せいがあるとしています。

その場合ばあい、溶岩ようがんが火口かこうに出でてくることや大おおきな噴石せきを周囲しゅうい数すうキロに飛とばすような爆発ばくはつ的てきな噴火ふんかが起おきることもあると指摘してきしています。

大湊おおみなと教授きょうじゅは、「火山灰かざんばいをだらだらと出だすような噴火ふんかが長引ながびくと警戒けいかい感かんが弱よわまるかもしれないが深ふかい部分ぶぶんのマグマの蓄積ちくせきが続つづいているかぎりは、2011年ねんや2018年ねんクラスの噴火ふんかはいつでも起おこりうると考かんがえて警戒けいかいする必要ひつようがある」と呼よびかけています。