日本新闻: アフガニスタンタリバンが旧北部同盟の最後の拠点制圧と主張

アフガニスタンタリバンが旧きゅう北部ほくぶ同盟どうめいの最後さいごの拠点きょてん制圧せいあつと主張しゅちょう

Sep 6, 2021 19:09 1

Furigana

アフガニスタンの武装ぶそう勢力せいりょくタリバンは、6日にち、戦闘せんとうを続つづけていた抵抗ていこう勢力せいりょくの最後さいごの拠点きょてんを制圧せいあつしたと主張しゅちょうしました。

抵抗ていこう勢力せいりょく側がわは停戦ていせんに応おうじるかどうかを明あきらかにしていませんが、タリバンは新あらたな政権せいけんの樹立じゅりつを急いそぐ考かんがえを強調きょうちょうしました。

アフガニスタンでは、タリバンが先月せんげつ15日にちに首都しゅとカブールに進攻しんこうしてガニ政権せいけんを崩壊ほうかいさせ、ほぼ全土ぜんどを制圧せいあつしましたが、北東ほくとう部ぶのパンジシール渓谷けいこくでは長年ながねん対立たいりつしてきた旧きゅう北部ほくぶ同盟どうめいの勢力せいりょくが抵抗ていこうし、戦闘せんとうが続つづいていました。

タリバンの報道ほうどう担当たんとうの幹部かんぶムジャヒド氏しは、6日にち記者きしゃ会見かいけんし、抵抗ていこう勢力せいりょくの最後さいごの拠点きょてんを制圧せいあつしたと主張しゅちょうしました。

ムジャヒド氏しは戦闘せんとうの停止ていしを呼よびかけましたが、抵抗ていこう勢力せいりょく側がわはこれに応おうじるかどうかを明あきらかにしていません。

一方いっぽう、タリバンが樹立じゅりつを目指めざす新あらたな政権せいけんについては、内部ないぶ対立たいりつで発表はっぴょうが遅おくれているという指摘してきを否定ひていしたうえで、未み解決かいけつの問題もんだいがあるとして「改善かいぜんする余地よちを残のこすためにも、しばらくの間ま暫定ざんてい的てきなものになる可能かのう性せいがある」と述のべました。

ムジャヒド氏しは問題もんだいの具体ぐたい的てきな中身なかみには言及げんきゅうしませんでしたが、平和へいわと安定あんていに向むけて、できるだけ早はやい政権せいけんの樹立じゅりつを目指めざす考かんがえを強調きょうちょうしました。

新しん政権せいけんについては、旧きゅうタリバン政権せいけんがかつて女性じょせいや少数しょうすう派はを抑圧よくあつしたことから、国内こくないの幅広はばひろい勢力せいりょくの代表だいひょうからなる包括ほうかつ的てきなものになるかどうかが焦点しょうてんになっています。

パンジシール渓谷けいこくとは

パンジシール渓谷けいこくは、アフガニスタン北東ほくとう部ぶの山岳さんがく地帯ちたいに位置いちし、1990年代ねんだい後半こうはん、旧きゅうタリバン政権せいけんと敵対てきたいしていた、いわゆる北部ほくぶ同盟どうめいが拠点きょてんとしていた地域ちいきです。

当時とうじ、北部ほくぶ同盟どうめいは、カリスマ的てき存在そんざいだったマスード司令しれい官かんの指揮しきのもと、徹底てってい抗戦こうせんし、旧きゅうタリバン政権せいけんは最後さいごまでこの地域ちいきを支配しはいすることができませんでした。

マスード司令しれい官かんは2001年ねん、同時どうじ多発たはつテロ事件じけんの直前ちょくぜんに暗殺あんさつされましたが、北部ほくぶ同盟どうめいはアメリカ軍ぐんの支援しえんを受うけて首都しゅとカブールを制圧せいあつし、旧きゅうタリバン政権せいけんは崩壊ほうかいしました。

北部ほくぶ同盟どうめいの出身しゅっしん者しゃは、その後そのごの政府せいふで強つよい影響えいきょう力りょくを持もち、タリバンの政権せいけんへの参加さんかを拒否きょひするなど、強硬きょうこうな姿勢しせいを取り続とりつづけてきました。

そしてタリバンが先月せんげつ、再ふたたび権力けんりょくを掌握しょうあくしたあとは、マスード司令しれい官かんの息子むすこが率ひきいる勢力せいりょくがパンジシール渓谷けいこくを拠点きょてんに抵抗ていこうを続つづけ、タリバンとの間まで激はげしい戦闘せんとうを繰り返くりかえしていました。

タリバンパンジシール州しゅうで撮影さつえいしたとみられる映像えいぞう投稿とうこう

タリバンがアフガニスタンの北東ほくとう部ぶパンジシール州しゅうで撮影さつえいしたとされる映像えいぞうが、6日にち、インターネットに投稿とうこうされました。

撮影さつえいした日時にちじや詳くわしい場所ばしょは明あきらかにされていませんが、映像えいぞうはパンジシール州しゅうの州都しゅうとで撮影さつえいされたとみられ、古ふるい建物たてものの前まえに集あつまるタリバンの戦闘せんとう員いんたちが映うつっています。

建物たてものには、長年ながねんタリバンと対立たいりつしてきたかつての北部ほくぶ同盟どうめいの指導しどう者しゃ、マスード司令しれい官かんの肖像しょうぞう画がとともに「パンジシール州しゅうの中心ちゅうしん」と書かかれた看板かんばんが掲かかげられています。

また、別べつの映像えいぞうには戦闘せんとう員いんたちがタリバンの旗はたを掲かかげる様子ようすも映うつっています。

戦闘せんとう員いんのひとりは「パンジシール州しゅうの州都しゅうとはタリバンの管理かんり下かにある。われわれの旗はたが州都しゅうとに掲かかげられた」と話はなし、タリバンが州都しゅうとを制圧せいあつしたと主張しゅちょうしています。

タリバンのナンバー2と国連こくれんの特使とくしがカブールで会談かいだん

アフガニスタンで新しん政権せいけんの樹立じゅりつを目指めざすタリバンのナンバー2が、国連こくれんの特使とくしと首都しゅとカブールで会談かいだんし、タリバン側がわは、現地げんちで人道じんどう支援しえん活動かつどうにあたる国連こくれんのスタッフなどの安全あんぜんや移動いどうの自由じゆうを保証ほしょうすると表明ひょうめいしました。

国連こくれんの発表はっぴょうによりますと、国連こくれんで人道じんどう問題もんだいを担当たんとうするグリフィス事務じむ次長じちょうが5日にち、アフガニスタンの首都しゅとカブールでタリバンのナンバー2、バラダル師しやタリバンの指導しどう部ぶのメンバーと会談かいだんしました。

会談かいだんでグリフィス事務じむ次長じちょうは、今後こんごもアフガニスタンで人道じんどう支援しえん活動かつどうを続つづける考かんがえを伝つたえるとともに、その活動かつどうでは女性じょせいの果はたす役割やくわりが重要じゅうようだと強調きょうちょうし、国連こくれんのスタッフなど人道じんどう支援しえん活動かつどうにあたる人ひとたちの安全あんぜんや権利けんりを確保かくほするよう求もとめました。

また、グリフィス事務じむ次長じちょうは、女性じょせいや少数しょうすう派はなどすべての民間みんかん人じんを保護ほごするよう求もとめました。

国連こくれんによりますと、これに対にたいしてタリバン側がわは、人道じんどう支援しえんのために働はたらくスタッフについて安全あんぜんや移動いどうの自由じゆうを保証ほしょうすると表明ひょうめいしたほか、アフガニスタンの人々ひとびとに支援しえんが行き渡いきわたるよう協力きょうりょくすることを約束やくそくしたということです。