コロナ “中等ちゅうとう症しょう以上いじょうの人ひとは原則げんそく入院にゅういん” 政府せいふが方針ほうしんを明確めいかく化か

新型しんがたコロナウイルスの患者かんじゃの症状しょうじょうは4段階だんかいに分類ぶんるいされていて、

▼せきや倦怠けんたい感かんがあっても肺炎はいえんの所見しょけんがない人ひとは「軽症けいしょう」、

▼呼吸こきゅう困難こんなんや肺炎はいえんの所見しょけんがある人ひとなどは「中等ちゅうとう症しょう1」、

▼血液けつえき中ちゅうの酸素さんそ飽和ほうわ度どが93％以下いかか、酸素さんその投与とうよが必要ひつような人ひとは「中等ちゅうとう症しょう2」、

▼集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつに入はいるか、人工じんこう呼吸こきゅう器きが必要ひつような人ひとは「重症じゅうしょう」と分類ぶんるいされています。

先さきの通知つうちでは、与野党よやとうから、中等ちゅうとう症しょう患者かんじゃの入院にゅういん基準きじゅんがあいまいで医療いりょう現場げんばに混乱こんらんをきたすのではないかなどとして、丁寧ていねいな説明せつめいを求もとめる意見いけんや撤回てっかいを求もとめる意見いけんなどが出だされました。

このため厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、丁寧ていねいに理解りかいを求もとめる必要ひつようがあるとして、これまでの説明せつめい資料しりょうを見直みなおしました。

この中なかでは、入院にゅういんについて、重症じゅうしょう患者かんじゃのほか、中等ちゅうとう症しょう患者かんじゃで酸素さんそ投与とうよが必要ひつような人ひとや、投与とうよが必要ひつようでなくても重症じゅうしょう化かリスクがある人ひとに重点じゅうてん化かすると具体ぐたい的てきに示しめし、中等ちゅうとう症しょう以上いじょうの人ひとは原則げんそく入院にゅういんとするという方針ほうしんを明確めいかく化かしました。

そして、最終さいしゅう的てきには医師いしが判断はんだんするとしています。

対象たいしょうについては、東京とうきょうをはじめとした感染かんせん者しゃが急増きゅうぞうしている地域ちいきとしていて、症状しょうじょうに応おうじて必要ひつような医療いりょうが受うけられるようにするための緊急きんきゅう的てきな対応たいおうだと強調きょうちょうしています。

一方いっぽう、入院にゅういんさせる必要ひつようがある患者かんじゃ以外いがいは、自宅じたく療養りょうようを基本きほんとするとした方針ほうしんは変更へんこうせず、自宅じたくや宿泊しゅくはく施設しせつで療養りょうようする人ひとの症状しょうじょうが悪化あっかした場合ばあいに、速すみやかに入院にゅういんできるよう、一定いっていの病床びょうしょうを確保かくほしていくと説明せつめいしています。

政府せいふは、自宅じたく療養りょうようの患者かんじゃについても、血液けつえき中ちゅうの酸素さんそ飽和ほうわ度どを測はかる「パルスオキシメーター」や電話でんわなどで状態じょうたいをこまめに把握はあくし、症状しょうじょうが悪化あっかすれば、すぐに入院にゅういんできる体制たいせいを確保かくほするとしています。

さらに、重症じゅうしょう化かした患者かんじゃの転院てんいん先さきを確保かくほすることが難むずかしくなっていて、病院びょういんでは危機きき感かんを強つよめています。

東京とうきょう 板橋いたばし区くの「板橋いたばし中央ちゅうおう総合そうごう病院びょういん」は新型しんがたコロナウイルスの中等ちゅうとう症しょうの患者かんじゃを受け入うけいれています。

専用せんようの病床びょうしょうを18床しょう確保かくほしていますが、1週間しゅうかんほど前まえから満まん床ゆかの状態じょうたいが続つづいていて、ベッドが空あいても数すう時間じかんですぐに埋うまってしまうといいます。

このため専用せんようの病床びょうしょうを今後こんごさらに9床しょう増ふやして対応たいおうにあたる予定よていですが、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんの急きゅう拡大かくだいが続つづく中なか、患者かんじゃの増加ぞうかで対応たいおうが追おいつかないとしています。

さらに入院にゅういん後ごに重症じゅうしょう化かした患者かんじゃの転院てんいん先さきを確保かくほすることが難むずかしくなっています。

感染かんせんが急きゅう拡大かくだいする前まえは重症じゅうしょう化かした場合ばあい、その日ひのうちに高度こうどな治療ちりょうが受うけられる病院びょういんに転院てんいんすることができました。

重症じゅうしょう化かすれば容体ようだいが急変きゅうへんするおそれがあるため患者かんじゃの症状しょうじょうを常つねに確認かくにんする必要ひつようがあり、人工じんこう呼吸こきゅう器きの管理かんりなど対応たいおうする医療いりょう、スタッフの数かずを増ふやす必要ひつようがあるうえ、医師いしや看護かんご師しの精神せいしん的てきな負担ふたんも大おおきいといいます。

また、自宅じたくで療養りょうようしていて症状しょうじょうが急きゅうに悪化あっかし救急きゅうきゅう搬送はんそうされるケースが相次あいつぎ、この病院びょういんでも受け入うけいれが増ふえています。

このうち、40代だいの男性だんせいは今月こんげつ1日にち、夜よるに息苦いきぐるしさを訴うったえて救急きゅうきゅう搬送はんそうされ、高こう濃度のうどの酸素さんその吸入きゅうにゅうが必要ひつような状態じょうたいでした。

病院びょういんによりますと、救急きゅうきゅう隊員たいいんは男性だんせいが医療いりょう機関きかんに受け入うけいれをおよそ100件けん断ことわられたと話はなしていたということです。

このほかにも、先月せんげつ下旬げじゅんには70代だいの女性じょせいがおよそ30件けん、別べつの40代だいの男性だんせいがおよそ50件けん、医療いりょう機関きかんに受け入うけいれを断ことわられ、救急きゅうきゅう搬送はんそうされてきたということです。