中国は10日、アメリカからの輸入品に84%の追加関税を課す措置を発動しましたが、アメリカの発表に対抗する形で関税率を引きあげるとしています。
米中が互いに100%を大きく超える追加関税をかけ合う異例の事態となっています。
その一方で、アメリカがさらに追加関税を引き上げた場合、中国は対応しないとしています。
習近平国家主席「関税戦争に勝者はない」
米中の間で追加関税の応酬となり貿易摩擦が激しくなるなか、習近平国家主席は11日「関税戦争に勝者はなく孤立するだけだ」と述べ、トランプ政権を批判しました。
中国の習近平国家主席は11日、北京を訪れているスペインのサンチェス首相と会談し、この中で「関税戦争に勝者はなく、世界に逆らえば孤立するだけだ」と述べ、中国からの輸入品に対してあわせて145%の追加関税を課すトランプ政権を批判しました。
さらにサンチェス首相に対し、人口14億人の中国には消費レベル向上の需要や、産業の変革の潜在力があり、世界経済に推進力を与えると強調した上で、「EUとともに経済のグローバル化の流れを守り、一方的ないじめのような行為に抵抗すべきだ」と述べ、連携を呼びかけました。
米中の間で追加関税の応酬となり貿易摩擦が激しくなるなか、中国としては貿易総額でアメリカよりも大きな割合を占めるEUやASEAN=東南アジア諸国連合などの主要な貿易相手との連携強化を進めたい考えです。
中国外務省 “ルールや秩序を守るため”
中国外務省の林剣報道官は中国政府が新たな対抗措置を発表する前に行われた会見で、トランプ政権の追加関税を改めて批判した上で「われわれがアメリカのいじめ行為に対抗措置をとるのは自身の正当な権利と利益を守るとともに国際的なルールや秩序、世界各国の共通の利益を守るためだ」などと強調しました。