プロ野球は2月1日、3年ぶりに12球団が一斉にキャンプに入りました。3月28日の開幕に向けて本格的なチーム作りに臨みます。
12球団のキャンプインの動きをお伝えします。
巨人 田中将大 新フォーム習得に取り組む
セ・リーグ連覇と13年ぶりの日本一を目指す巨人のキャンプは宮崎市で1日から始まり、雨の影響で初日は室内練習場でのスタートとなりました。
今シーズンの巨人は、日米通算200勝まであと3勝に迫っている36歳の田中将大投手のほか、ソフトバンクからFAで移籍したキャッチャーの甲斐拓也選手、去年中日で最多セーブのタイトルを獲得したマルティネス投手など新戦力が注目されていて、初日には雨にもかかわらず5000人のファンが集まりました。
このうち、背番号「11」の新たなユニフォームを着た田中投手は、キャッチボールやランニングで汗を流したあと、ブルペンに移動しました。
ピッチング練習は行わなかったものの去年、菅野智之投手のフォーム改良を指導し、見事な復活に結び付けた久保康生コーチが見守る中、1時間にわたってネットに向かって繰り返しボールを投げ、新たなピッチングフォームの習得に取り組みました。
目指しているフォームは、これまでよりも体重移動をスムーズに行い、ボールを上から叩くようなイメージだということで、田中投手はマウンドの傾斜を逆に使ってブルペンの後ろのネットに投げ込む練習を行い、重心移動やリリースの感覚を確かめていました。
田中投手は新フォームについて「見た目も変わるだろうし、自分が投げている感覚も大きく違う。いまは感覚をガラッと変えようとしていて大きな違いを感じているが、うまく投げられたときの感覚はすごくいい。なんとかものにしたい」と、勝ち星なしに終わった昨シーズンからの復活に向けて手応えを感じている様子でした。
また、巨人のユニフォームを着てスタートを切ったことについては「これまではジャージだったので感じ方は違った。いい1日になったので、また一日一日頑張りたい」と話していました。
DeNA 沖縄 宜野湾でスタート
昨シーズン、セ・リーグ3位から勝ち上がり26年ぶりの日本一に輝いたDeNAは、沖縄県宜野湾市で今シーズンのスタートを切りました。
朝から時折、雨の降るあいにくの天気となり、練習前には室内練習場でキャンプ中の安全と晴天を願う神事が行われ、三浦大輔監督やキャプテンの牧秀悟選手が玉串をささげました。
このあと、ウォーミングアップを行い、去年ドラフト1位で入団した度会隆輝選手が先頭に立って大きな声を出し、はつらつとした姿でチームを引っ張っていました。また、ピッチャー陣がキャッチボールを行い、ブルペンでの投球練習に備えていました。
横浜市から毎年、親子でキャンプを見に来るという40代の母親は「前身の大洋時代からのファンなので、日本一になってとてもうれしいです。練習後の宜野湾でのパレードもとても楽しみです」と話していました。
また、小学5年生の男の子は「選手を間近で見られるのは貴重な体験になると思います。選手たちには優勝できるように練習を頑張って下さいと伝えたいです」と話していました。
広島 森下暢仁 ストレートの感覚確かめる
広島は1日、宮崎県日南市でキャンプに入り、初の開幕投手を狙う森下暢仁投手が初日からブルペンに入ってストレートの感覚を確かめました。
日南市は朝から雨が降り続いたため、キャンプは室内練習場でのスタートとなりました。
ブルペンではプロ6年目で初の開幕投手を狙う森下暢仁投手や、去年のドラフト1位で昨シーズン、初先発で初勝利を挙げた常廣羽也斗投手など、日南キャンプに参加している23人のピッチャーのうち18人が初日からピッチング練習をしました。
このうち、森下投手は新井監督が見守る中、ストレートだけを丁寧に19球投げ、1球1球の細かな感覚まで確かめていました。
森下投手は「自主トレーニングの時からしっかりと投げられていたので、ぞの延長でブルペンに入ることができた。しっかり準備をして開幕投手争いに入ってきたい」と意気込んでいました。
広島の日南キャンプは11日までで、その後、沖縄市に移動して26日までキャンプが続きます。
ヤクルト 球界最年長 石川雅規がブルペン入り
2年連続のリーグ5位からの巻き返しを図るヤクルトの春のキャンプは沖縄県浦添市で始まり、雨の影響で初日の全体練習は全て屋内で行われました。
チームの課題となっている投手陣は初日から多くがブルペン入りし、このうち、先月で45歳となった球界最年長の石川雅規投手は、自身が目指す200勝まで残り14勝に迫っていて、今シーズンは24年連続勝利のプロ野球記録の達成にも期待がかかります。
石川投手は新加入の外国人投手などとともにまっさきにブルペンに入り、フォームのバランスとタイミングを意識しながら、座ったキャッチャーを相手に丁寧に25球を投げ込み、プロ24年目のキャンプをスタートさせました。
石川投手は「わくわくドキドキしながらきょうの朝を迎えた。きょうできる全力を投げることができたのでいいスタートを切れたと思う」と話しました。
そのうえで「何年たっても何歳になっても先発をやっているからには、開幕投手を目指すことが大事だと思っている。そこを目指すことによって開幕ローテーションもみえてくる。これでいいやとか自分で線引きしないで、笑われてもなんでもいいので開幕投手を目指したい。若手としっかり競争しながらがんばっていきたい」とシーズンにむけた意気込みを話しました。
目標の200勝については「その目標があるからこそ頑張れる。達成してチームにたくさん勝ちを持ってこられるように目指していきたい」と話しました。
村上宗隆 2軍で順調な回復ぶり
ヤクルトの主力、村上宗隆選手は去年12月に右ひじの手術を受け、オフの自主トレーニングでは順調な回復ぶりをみせていましたが、チームの判断で大事を取って2軍キャンプでのスタートとなりました。
1日から宮崎県西都市の西都原運動公園野球場で始まったヤクルトの2軍キャンプには、村上選手を一目見ようと、雨の中、県内外から多くのファンが詰めかけました。
村上選手は初日からノックで軽快な動きを見せたり、バッティング練習では力強いスイングで快音を響かせたりして、手術の影響を感じさせない順調な様子を見せていました。
村上選手はすでに球団の容認を受けて、今シーズンのオフにポスティングシステムを使った大リーグ移籍を見据えていて、今後も2軍キャンプでトレーニングを続け、コンディションを見極めたうえで、1軍キャンプに合流する見通しです。
宮崎県日向市から家族と一緒に訪れた11歳の女の子は、「村上選手を見に来ました。ホームランを打つところが好きです」と話していました。
ヤクルトファン歴30年という京都府の40代の男性は「3年連続でこのキャンプに来ています。村上選手はことし日本で最後という話が出ているので、ぜひリーグ優勝と日本一を狙ってほしい」と話していました。
各球団とも1日からおよそ1か月間キャンプを行い、22日からはオープン戦が始まります。
《12球団のキャンプ地》
==宮崎県でキャンプイン==
▽巨人(昨季 4年ぶりセ・リーグ優勝) ▽広島(昨季 セ・リーグ4位)
▽ソフトバンク(昨季 4年ぶりパ・リーグ優勝)
▽オリックス(昨季 パ・リーグ5位)
▽西武(昨季 パ・リーグ6位)
==沖縄県でキャンプイン==
▽DeNA(昨季 セ・リーグ3位から26年ぶり日本一)
▽阪神(昨季 セ・リーグ2位)
▽ヤクルト(昨季 セ・リーグ5位)
▽中日(昨季 セ・リーグ6位)
▽日本ハム(昨季 パ・リーグ2位)
▽ロッテ(昨季 パ・リーグ3位)
▽楽天(昨季 パ・リーグ4位)