感染かんせん拡大かくだい防ふせぎながら旅行りょこう楽たのしむには…筑波つくば大だいがシミュレーション

このシミュレーションは筑波つくば大学だいがくの倉橋くらはし節也せつや教授きょうじゅらのグループが行おこなったものです。シミュレーションでは実際じっさいの観光かんこう地ちをモデルにした架空かくうの街まちという想定そうていで、現在げんざいの全国ぜんこく的てきな感染かんせん状況じょうきょうも考慮こうりょして、この街まちには、もともと1人にんだけ感染かんせん者しゃがいると仮定かていしました。

そのうえで観光かんこう客きゃくを一切いっさい受け入うけいれなかった場合ばあいと、観光かんこう客きゃくを受け入うけいれ訪おとずれる人ひとたちの中なかに毎週まいしゅう1人にん感染かんせん者しゃがいた場合ばあいで、この街まちの病院びょういんに入院にゅういんする重症じゅうしょう患者かんじゃの数かずに変化へんかがあるかを試算しさんしました。

その結果けっか、観光かんこう客きゃくを受け入うけいれた場合ばあいは、マスクの着用ちゃくようやホテルや観光かんこう施設しせつに透明とうめいなカーテンを設置せっちするなど接触せっしょくを減へらす対策たいさくを徹底てっていしても重症じゅうしょう患者かんじゃの数かずは1.67倍ばいに増ふえました。

ただ、こうした対策たいさくに加くわえて、接触せっしょく確認かくにんアプリなどを活用かつようして感染かんせんした人ひとと濃厚のうこう接触せっしょくした人ひとを80％の確率かくりつで見つけ出みつけだし、検査けんさなどができれば、重症じゅうしょう患者かんじゃの数かずは1.27倍ばいの増加ぞうかにとどまるという結果けっかになったということです。

濃厚のうこう接触せっしょく者しゃの追跡ついせきをより徹底てっていできれば、重症じゅうしょう患者かんじゃの数かずはさらに減へるとみられるということで、倉橋くらはし教授きょうじゅは「濃厚のうこう接触せっしょく者しゃの追跡ついせきがリスクを下さげるカギとなることが分わかった。アプリなど有効ゆうこうな対策たいさくを組み合くみあわせて徹底てっていすることが大切たいせつだ」と話はなしています。

シミュレーションの詳細しょうさい

シミュレーションは、実際じっさいの観光かんこう地ちをモデルに、ホテルや観光かんこう施設しせつ、それに商業しょうぎょう施設しせつなどがある架空かくうの街まちを想定そうていして行おこなわれました。

シミュレーションでは、一般いっぱん的てきな新型しんがたコロナウイルス対策たいさくとしていわゆる「3密みつ」を避さける、マスクの着用ちゃくよう、それにホテルや商業しょうぎょう施設しせつに透明とうめいなカーテンを設置せっちするなどの対策たいさくを徹底てっていすることで人ひとと人ひととの接触せっしょくを最大さいだいで75％減へらすことができると想定そうていしています。

また、この街まちには、全国ぜんこくの感染かんせん状況じょうきょうなどを考慮こうりょして、もともと感染かんせん者しゃが1人にんいることとしました。

新型しんがたウイルスがどの程度ていど、感染かんせんを広ひろげるかや重症じゅうしょう化かする人ひとの割合わりあいなどはこれまでの研究けんきゅうで分わかってきたデータを参考さんこうにし、この街まちの病院びょういんに入院にゅういんする重症じゅうしょう患者かんじゃの数かずの違ちがいで影響えいきょうを評価ひょうかしました。

シミュレーションでは、訪おとずれる観光かんこう客きゃくの中なかに毎週まいしゅう1人にんの割合わりあいで感染かんせん者しゃが含ふくまれていた場合ばあいと、観光かんこう客きゃくを一切いっさい受け入うけいれなかった場合ばあいの違ちがいを比くらべました。

その結果けっか、観光かんこう客きゃくに対にたいする対策たいさくを全まったくとらない場合ばあい、重症じゅうしょう患者かんじゃの数かずは、観光かんこう客きゃくを受け入うけいれない場合ばあいに比くらべて2.12倍ばいに増ふえました。

一般いっぱん的てきな対策たいさくで人ひとと人ひととの接触せっしょくを75％削減さくげんしても1.67倍ばいまでしか下さがりませんでした。

一方いっぽう、こうした対策たいさくに加くわえて、感染かんせんした人ひとと濃厚のうこう接触せっしょくした人ひとを50％の確率かくりつで見つけ出みつけだし、検査けんさを受うけてもらうなどの対策たいさくがとれれば、重症じゅうしょう患者かんじゃの数かずは1.33倍ばいまで下さがりました。

さらに濃厚のうこう接触せっしょく者しゃを80％の確率かくりつで追跡ついせきできれば、1.27倍ばいまで下さがるという結果けっかになりました。

グループによりますと、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃの追跡ついせきには接触せっしょく確認かくにんアプリなどの活用かつようが有効ゆうこうだと考かんがえられるということです。

接触せっしょく確認かくにんアプリの活用かつようが進すすめば、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃの中なかから感染かんせん者しゃを見つけ出みつけだし、さらにその濃厚のうこう接触せっしょく者しゃも追跡ついせきして検査けんさなどの対応たいおうができるようになることから、その場合ばあいは旅行りょこう者しゃを受け入うけいれなかった場合ばあいとほとんど変かわらない1.06倍ばいまで下さがるという結果けっかになったということです。

専門せんもん家か「シミュレーションで効果こうか確認かくにんを」

シミュレーションを行おこなった筑波つくば大学だいがくの倉橋くらはし節也せつや教授きょうじゅは「シミュレーションの結果けっか、現在げんざい、保健所ほけんじょや自治体じちたいが行おこなっている濃厚のうこう接触せっしょく者しゃを捜し出さがしだす対策たいさくの効果こうかが大おおきいことが分わかった。対策たいさくには一いち日にちでも早はやく濃厚のうこう接触せっしょく者しゃを探さがすことが重要じゅうようで接触せっしょく確認かくにんアプリなどを活用かつようして瞬時しゅんじに把握はあくできれば大おおきなアドバンテージになる。観光かんこう地ちですべての人ひとにＰＣＲ検査けんさを行おこなうのは人員じんいん的てきにも難むずかしいが、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃを早はやく見みつけてＰＣＲ検査けんさを行おこなうことで、同様どうようの効果こうかがあると考かんがえられる。今後こんご、経済けいざいと感染かんせん予防よぼうを両立りょうりつさせるためにも、こうしたシミュレーションで効果こうかを確認かくにんしていくことが重要じゅうようになる」と話はなしています。