日本新闻: 相模原障害者殺傷事件から4年犠牲者を悼み献花相次ぐ

相模原さがみはら市しの知的ちてき障害しょうがい者しゃ施設しせつで19人にんが殺害さつがいされた事件じけんから4年ねんとなる26日にち、現場げんばとなった施設しせつに設もうけられた献花けんか台だいには、障害しょうがいのある人ひとや家族かぞく、施設しせつの関係かんけい者しゃなどが次々つぎつぎに訪おとずれ犠牲ぎせい者しゃを悼いたみました。

4年ねん前まえの平成へいせい28年ねん7月つき26日にち、相模原さがみはら市しにある知的ちてき障害しょうがい者しゃ施設しせつ「津久井つくいやまゆり園えん」で起おきた事件じけんでは、ことし3月つきに刑けいが確定かくていした元もと職員しょくいんの植松うえまつ聖きよし死刑しけい囚しゅう（30）に、入所にゅうしょしていた19歳さいから70歳さいの男女だんじょ19人にんが殺害さつがいされ、26人にんが重軽傷じゅうけいしょうを負おいました。

ことしは新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで、毎年まいとし行おこなわれていた追悼ついとう式しきは中止ちゅうしとなりましたが、26日にちは、現場げんばの施設しせつの前まえに設もうけられた献花けんか台だいに、朝あさから障害しょうがいのある人ひとや家族かぞく、施設しせつの関係かんけい者しゃや近所きんじょの人ひとなどが次々つぎつぎに訪おとずれ、花はなを手向たむけて犠牲ぎせい者しゃを悼いたんでいました。

事件じけんで息子むすこの一矢かずやさんが重傷じゅうしょうを負おった尾野おの剛志たけしさんは「裁判さいばんは終おわったが、私わたしたちの中なかではあの日ひの朝あさから時間じかんが止とまったままです。事件じけんのことをもっと話はなさなければ、どんどん風化ふうかが進すすんでしまう。事件じけんを無むにしないよう、障害しょうがい福祉ふくしの在り方ありかたがよくなるように伝つたえていきたい」と話はなしていました。

また、自閉症じへいしょうの小学しょうがく4年生ねんせいの息子むすこと初はじめて献花けんかに訪おとずれた県内けんないに住すむ40代だいの夫婦ふうふは「事件じけんのあとも障害しょうがい者しゃを取り巻とりまく環境かんきょうが変かわったようには感かんじない。障害しょうがいのある人ひとも共生きょうせいできる社会しゃかい、互たがいに違ちがいを認みとめられるやさしい社会しゃかいになってもらいたい」と話はなしていました。

園長えんちょう「新しん施設しせつ作づくりに励はげんでいく決意けついを伝つたえた」

事件じけんから4年ねんとなるき26日にち、現場げんばに献花けんかに訪おとずれた「津久井つくいやまゆり園えん」の入倉いりくらかおる園長えんちょうは「あの日ひの前まえまでの楽たのしかった津久井つくいやまゆり園えんを思い出おもいだしながら、献花けんかさせていただきました。4年ねんがたって、あの日ひの前まえの光景こうけいは取り戻とりもどせませんが、再建さいけん中ちゅうの施設しせつの完成かんせいまで最後さいごの1年ねんとなるので、しっかり気きを引き締ひきしめてこれから1年ねんかけて新あたらしい施設しせつ作づくりに励はげんでいくという決意けついを伝つたえさせていただきました」と話はなしていました。

家族かぞく会かいの会長かいちょう「事件じけんに対にたいする取り組とりくみ始はじまったばかり」

現場げんばに献花けんかに訪おとずれた入所にゅうしょ者しゃの家族かぞく会かいの大月おおつき和かず真ま会長かいちょうは「亡なくなられた19名めいのみ霊れいが安やすらかになることと、ご遺族いぞくが1日にちも早はやく自分じぶんたちの生活せいかつを取り戻とりもどしてもらいたいということを祈いのりました。この4年間ねんかんは、決けっして平へいたんではなくて、本当ほんとうに大変たいへんな4年間ねんかんだった。裁判さいばんが終おわり、この事件じけんに対にたいする一定いっていの区切くぎりはついたということだろうが、事件じけんに対にたいする取り組とりくみはまだ始はじまったばかりなので、気きを引き締ひきしめてやっていかなくてはいけないという決意けついを新あらたにしました」と話はなしていました。

黒岩くろいわ知事ちじ「風化ふうかさせてはならない」

現場げんばに献花けんかに訪おとずれた神奈川かながわ県けんの黒岩くろいわ知事ちじは「もう4年ねんがたった。事件じけんが起おきたときなぜこのようなことが起おきたのか、もっと掘り下ほりさげるべきだった。事件じけんが起おこるべくして起おきたものなのか、改あらためて深ふかく見みつめ直なおさなければならない。この事件じけんのもっている根深ねぶかいところ、ともに生いきるということを否定ひていする差別さべつの心こころは絶対ぜったいに許ゆるしてはならない。この事件じけんこそ風化ふうかさせてはならない」と話はなしていました。

重症じゅうしょうを負おった尾野おの一矢かずやさんの父ちち「障害しょうがい福祉ふくしがよくなるように」

事件じけんで重傷じゅうしょうを負おった尾野おの一矢かずやさんの父親ちちおやの剛志たけしさんは妻つまのチキ子こさんとともに献花けんかに訪おとずれました。

献花けんかのあと、剛志たけしさんは、「裁判さいばんは終おわったが、私わたしたちの中なかではあの日ひの朝あさから時間じかんが止とまったままです。事件じけんのことをもっと話はなさなければ、どんどん風化ふうかが進すすんでしまう。事件じけんを無むにしないよう、障害しょうがい福祉ふくしの在り方ありかたがよくなるように伝つたえていきたい」と話はなしていました。

いま一矢かずやさんは、施設しせつを出でて介助かいじょ者しゃとともに地域ちいきで生活せいかつすることを目指めざしていて、剛志たけしさんは、「息子むすこはいま、重度じゅうどの知的ちてき障害しょうがいがあっても普通ふつうの暮くらしができることを実現じつげんしようとしていて、いろんな人ひとが、『変かわった』とか『表情ひょうじょうがよくなった』とか声こえをかけてくれます。そうしたことを伝つたえていき、自分じぶんのなかで事件じけんを改あらためて考かんがえていくことが亡なくなった19人にんのためになると考かんがえています」と話はなしていました。

元もと職員しょくいん「19人にんのことを後世こうせいに伝つたえる」

元もと職員しょくいんで事件じけんの犠牲ぎせい者しゃを担当たんとうした太田おおた顕あらわさんは「それぞれに生活せいかつがあった19人にんのことを私わたしたちが忘わすれることがあれば、強つよい言い方いいかただが、彼かれら彼女かのじょらは2回かいも殺ころされるようなものだと思おもう。4年ねんがたち、風化ふうかが進すすんできていると言いわれるが、私わたしたちはこれからも事件じけんや19人にんのことを後世こうせいに伝つたえて、突つきつけられた問題もんだいを振り返ふりかえる機会きかいを作つくっていきたい」と話はなしていました。

障害しょうがい者しゃの家族かぞく 19本ほんの花はなを1本ほんずつ手向たむける

22歳さいの長女ちょうじょに知的ちてきと身体しんたいの障害しょうがいがある神奈川かながわ県けん大和やまと市しの60歳さいの男性だんせいは19本ほんの花はなを持参じさんし、亡なくなった19人にんそれぞれに1本ほんずつ手向たむけました。

献花けんかのあと男性だんせいは「植松うえまつ死刑しけい囚しゅうの刑けいは確定かくていしたが、どうして19人にんが殺ころされなくてはならなかったのか、そこに議論ぎろんが向むかなかったので犠牲ぎせい者しゃに申し訳もうしわけない思おもいを伝つたえました。今いまも社会しゃかいはそれほど大おおきく変かわっていないかもしれないが、これからは、苦くるしい思おもいをしている人ひとたちを応援おうえんしていける社会しゃかい、その思おもいを互たがいが感かんじられる社会しゃかいになることを願ねがっている」と話はなしていました。

『19名めいの命いのちを忘わすれません』母はは娘むすめがメッセージカード

東京とうきょう八王子はちおうじ市しから小学しょうがく5年生ねんせいの長女ちょうじょと献花けんかに訪おとずれた河野こうの章江ふみえさん（45）は「毎年まいとし、この時期じきには、大事だいじなお子おこさんを亡なくされた方ほうのことを思おもって涙なみだが出でます。残念ざんねんながら何なにの罪つみもない人ひとが犠牲ぎせいとなる事件じけんはなくならないので、子こどもたちにも命いのちの大切たいせつさを伝つたえるようにしてきたい」と話はなしていました。