日本新闻: 【解説】ゼレンスキー大統領イギリス訪問戦闘機の供与求める

【解説かいせつ】ゼレンスキー大統領だいとうりょうイギリス訪問ほうもん戦闘せんとう機きの供与きょうよ求もとめる

Feb 9, 2023 16:02

Furigana

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうが8日にち、去年きょねん2月つきにロシアの軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまって以来いらい初はじめてイギリスを訪問ほうもんして「自由じゆうを守まもるための翼つばさが必要ひつようだ」と訴うったえ、さらなる軍事ぐんじ支援しえんとして戦闘せんとう機きの供与きょうよを求もとめました。

ゼレンスキー大統領だいとうりょうは、8日にち、事前じぜんの予告よこくなしにイギリスを訪おとずれ、ロンドンの首相しゅしょう官邸かんていでスナク首相しゅしょうと会談かいだんしました。

そして議会ぎかい内ないのウェストミンスターホールで、スナク首相しゅしょうや議員ぎいんを前まえに演説えんぜつし「すべてのウクライナ人じんは、勇気ゆうきを持もてば想像そうぞうを絶ぜっする困難こんなんを乗り越のりこえ、最終さいしゅう的てきに勝利しょうりで報むくわれるということを知しっている。イギリスは私わたしたちとともに、生涯しょうがいで最もっとも大おおきな勝利しょうりに向むかっている」と強調きょうちょうしました。

その上うえで、下院かいん議長ぎちょうにウクライナ空軍くうぐんのヘルメットを贈おくり「自由じゆうを守まもるための翼つばさ、戦闘せんとう機きが必要ひつようだ」と訴うったえました。

スナク首相しゅしょうは、ゼレンスキー大統領だいとうりょうとの共同きょうどう記者きしゃ会見かいけんで、戦闘せんとう機きの供与きょうよについて「あらゆることを検討けんとうしている」と述のべるにとどまりました。

一方いっぽう、ウクライナ空軍くうぐんなどを対象たいしょうにNATOの戦闘せんとう機きを操縦そうじゅうできるように訓練くんれんを行おこなうと表明ひょうめいしたことについて、有力ゆうりょく紙し「ガーディアン」は、「スナク首相しゅしょうは戦闘せんとう機きの供与きょうよに布石ふせきを打うった」と伝つたえています。

また、RUSI＝イギリス王立おうりつ防衛ぼうえい安全あんぜん保障ほしょう研究所けんきゅうじょは「ウクライナ空軍くうぐんの訓練くんれんは戦闘せんとう機きの供与きょうよをただちに意味いみするものではない」と強調きょうちょうする一方いっぽうで、「今後こんご、供与きょうよに向むけた議論ぎろんを加速かそくさせることになるだろう」と指摘してきしています。

欧米おうべいはウクライナへの戦闘せんとう機き供与きょうよに進すすむのか

各国かっこくの間までは温度おんど差さも出でてきています。

アメリカのバイデン大統領だいとうりょうは先月せんげつ30日にち、F16戦闘せんとう機きの供与きょうよについて記者きしゃ団だんから問とわれ、「ノー」とひと言ひとこと答こたえて否定ひていしています。

また、ドイツも強つよく否定ひていする立場たちばです。

一方いっぽう、フランスのマクロン大統領だいとうりょうは「可能かのう性せいを排除はいじょしない」と述のべて「事態じたいのエスカレートにつながらないこと」などを条件じょうけんに、必かならずしも否定ひていしない立場たちばを示しめしています。

また、そもそも仮かりにウクライナへの戦闘せんとう機きの供与きょうよが決定けっていしたとしても、戦況せんきょうに影響えいきょうを及およぼすまでには時間じかんがかかりすぎるという指摘してきもあります。

たとえば、供与きょうよの対象たいしょうになる可能かのう性せいがあげられているひとつ、イギリス空軍くうぐんの主力しゅりょく戦闘せんとう機き「ユーロファイター・タイフーン」。

イギリスの「フィナンシャル・タイムズふぃなんしゃるたいむず」によりますと、この戦闘せんとう機きは、経験けいけんを積つんだパイロットでもおよそ6か月かげつ間かんの訓練くんれんが必要ひつようで、配備はいびなども考慮こうりょするとウクライナの戦場せんじょうで実際じっさいに運用うんようされるようになるのは早はやくて来年らいねんの初はじめになるということです。