ウクライナ側は、製鉄所内には今も多くの市民が残っているとしています。
その一方でマリウポリや、市内のアゾフスターリ製鉄所には依然として女性や子どもが残されているとして、救出に向け交渉を続けていることを明らかにしました。
さらにこの高官はロシア軍によるウクライナ西部のリビウ近郊へのミサイル攻撃が確認され電力や鉄道施設などをねらったのではないかという見方を示しましたが、ウクライナ側の補給能力を損なうような大きな影響は見られないと指摘しました。
アメリカの雑誌「タイム」は4日、ブラジルで2003年から2期8年にわたって左派政権を率いたルーラ元大統領のインタビューを公開しました。この中でルーラ氏はロシアによるウクライナへの軍事侵攻について「プーチン大統領は侵攻するべきではなかった」と批判した一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領については「プーチン大統領と同じくらい責任がある。彼は戦争を望んでいた。もし戦争を望まないならもっと交渉をしていたはずだ」と非難し、双方に停戦に向けた速やかな交渉を呼びかけました。 さらにアメリカのバイデン大統領については「モスクワに行ってプーチン大統領と対話することもできた。リーダーに求められるのはこうした態度だ」と述べ、アメリカが対話の仲介に乗り出すなど外交的な解決の余地があったという認識を示しました。 ルーラ氏はことし10月に行われる大統領選挙に向けた世論調査で40%を超える支持を集め、ボルソナロ大統領を引き離してトップに立っていることから、ブラジルのメディアが発言を大きく伝えています。
モルドバの沿ドニエストル地方は1990年に一方的に分離独立を宣言し、現在ロシア軍が駐留するなどロシアの強い影響下にありますが先月下旬、電波塔が破壊されるなど複数の爆発が起きています。これについてモルドバのサンドゥ大統領は4日、首都キシニョフを訪れているEU=ヨーロッパ連合のミシェル大統領と会談し「沿ドニエストル地方での出来事は憂慮すべきことだ。この地域を不安定化させたい勢力が引き起こしたとみている」と述べ、警戒感を示しました。そのうえで「モルドバ側だろうが沿ドニエストル地方側であろうが、モルドバの不安定化のもくろみを防ぐ最善の努力をしている。今のところ差し迫った危機はないが、より悪いシナリオになっても危機に対応する準備はできている」と述べ、沿ドニエストル地方にロシアが介入することも念頭に今後の対応を進める考えを示しました。 一方、ミシェル大統領は「EUはモルドバへの支援をさらに強化するため追加の軍事物資の提供やサイバー攻撃に対する情報面での支援を行う」と、具体的な内容は明らかにしませんでしたが軍事面でのさらなる支援を約束しました。
一方、ウクライナ東部の親ロシア派の武装勢力は4日、支配地域にある燃料の貯蔵施設がウクライナ軍からの攻撃を受けて破壊されたとしています。ロイター通信が配信した映像では貯蔵施設とみられる建物が激しく燃え真っ黒な煙が立ち上る様子が確認できるほか、消防隊が放水をして消火活動に当たる様子がうつっています。ロシア側はこの施設がウクライナ軍のミサイル攻撃の標的になっていたと主張しているということです。
さらにウクライナ各地では3日だけで「およそ50回の空爆が行われ誘導ミサイルによる攻撃もあった」として、西部のリビウや南部のオデーサなども攻撃を受けたということです。
地域別でみると、東部のドネツク州とルハンシク州で1700人、キーウ州や東部のハルキウ州、北部のチェルニヒウ州、南部のヘルソン州などで1538人の死亡が確認されているということです。またけがをした市民は3397人にのぼるとしています。 一方、国連人権高等弁務官事務所は、東部のマリウポリなど激しい攻撃を受けている地域での死傷者の数については集計が遅れていたり、確認がまだ取れていなかったりして統計には含まれておらず、実際の死傷者の数はこれを大きく上回るとの見方を示しています。
主な避難先はポーランドがおよそ309万人、ルーマニアがおよそ84万人、ハンガリーがおよそ53万人、モルドバがおよそ44万人などとなっています。またロシアに避難した人はおよそ70万人となっています。
ゼレンスキー大統領「マリウポリと郊外から344人救出」
“ロシア軍 東部地域で停滞している” 米国防総省高官
ゼレンスキー大統領 製鉄所からの避難に支援継続を要請
ブラジル元大統領 “停戦に向け速やかな交渉を”
米バイデン大統領 “さらなる制裁へG7首脳と今週協議”
モルドバ大統領 “ロシア軍介入も念頭に対応進める”
ドネツク州の工場 攻撃受けたとされる映像公開
マリウポリ市長「製鉄所の兵士との連絡が途絶えた」
ウクライナ国防省 “ロシア 軍の再編成や強化を進めている”
ウクライナ市民 少なくとも3238人死亡 うち227人は子ども 国連
ウクライナからの国外避難者 約565万人 国連
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる5月5日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
アゾフ大隊司令官「製鉄所内で血みどろの戦闘」