北陸トンネルの
列車火災から50
年を
前に、
当時、
救助活動に
当たった
元鉄道員は
慰霊碑を
訪れ「
事故を
風化させないよう
出来るかぎり
努力していきたい」と
語りました。
今月2日、福井県敦賀市の北陸トンネルの入り口にある慰霊碑を訪れたのは、旧国鉄の鉄道員だった大野冨夫さん(86)です。
火災が発生した当日、敦賀駅で当直勤務に当たっていた大野さんは、午前1時すぎに急行列車「きたぐに」の機関士から直接電話で「火災が起きた」と連絡を受けたということです。
初めは「火が出た食堂車を切り離してトンネルから出る」という話で緊迫した様子は感じられなかったといいますが「脱出した」という連絡が入らず心配していたところ「停電した。助けを求める」などと、一気に緊迫した状況に変わったといいます。
トンネル内は煙が充満し現場には近づけませんでしたが、救援列車が駅に戻ってくると、顔が真っ黒になり全身がぬれて寒さや恐怖で震える乗客たちを、毛布でくるんで病院に運んだということです。
犠牲になった人たちが安置された敦賀市内の寺では遺体が並ぶ様子を目の当たりにし「事故のあまりの大きさにことばを失い、国鉄職員の1人として申し訳なさでいっぱいになった。大変な状況で忘れることができない」と当時を振り返りました。
慰霊碑の前で、花を手向け静かに手を合わせた大野さんは「現場の慰霊碑を前にしますと、事故がきのうあったように悲惨な光景が目に浮かびます。30人の犠牲者を出してしまったということが悔やまれてなりません。50年がたちましたが前てつを踏まないよう事故を風化させず、ハード面もソフト面も皆さんと一緒に安全確保のため頑張っていけたらと思っています」と話していました。
その後のトンネルでの列車火災
北陸トンネルでの
列車火災を
受け、さまざまな
対策が
講じられてきた
一方で、
その後もトンネルでの
列車火災は
起きています。
このうち、昭和62年に大阪と奈良を結ぶ近鉄東大阪線の生駒トンネルで、高圧ケーブルから出火し乗客の1人が死亡、43人がけがをしました。
また、平成23年、北海道のJR石勝線のトンネル内で特急列車が走行中に脱線して炎上し、乗客など合わせて79人がけがをしました。
国は、マニュアルの不備が乗客の避難誘導の遅れにつながったとして、事業改善命令を出しました。
一方、北陸トンネルの事故の教訓が生かされたというケースもありました。
平成27年、東海道新幹線の車内で男がガソリンをかぶって火をつけ、この男と巻き添えとなった女性が死亡する放火事件が起きました。
このとき、異常を知らせる非常ブザーが押され、高速走行中の新幹線がトンネル内で停車しかねない状況だったところ、運転士があえて列車を加速させ、トンネルを抜けたあとに停車させました。
北陸トンネルの事故を踏まえた訓練に基づく判断で、トンネル内で止まっていれば被害がさらに拡大したおそれがあったということです。
トンネル区間の多いJR東海は新たな対策に注力
トンネルを
走る区間が
多い
東海道新幹線を
運行するJR
東海では、50
年前の
教訓を
踏まえて
対策に
力を
入れてきました。
その1つが、運転士の養成研修で続けてきた北陸トンネルの列車火災を学ぶ講義で、今月上旬、静岡県三島市の施設で行われた研修でも運転士を目指す男女25人が参加しました。
教官から、当時の被害や経緯を踏まえ、トンネルや橋りょうを避けて列車を安全な場所に停車させることや乗客がパニックにならないようどのように安全に避難誘導するかなどを学んでいました。
また、おととしからは新たな対策も始めています。
新幹線の運転士の訓練にシミュレーターを導入し、列車火災などを想定した異常時に的確に対応する力の強化に取り組んでいます。
今月行われた訓練では、現役運転士が模擬の運転台に座り、前方や側面の画面に東海道新幹線を走行する際に運転士から見える実際の景色が再現される中、6号車で非常ブザーが鳴り、火災が確認されたという想定で行われました。
運転士は、車内確認用のモニターなどで瞬時に状況を確認しながら、トンネルに入りかけると停車しないよう加速し、トンネルの外で止まるよう運転操作をしていました。
訓練に参加したJR東海 東京第二運輸所の佐伯翔大さん(31)は「長いトンネル以外にも短いトンネルが連続する場所があるうえ、新幹線は最高速度から非常ブレーキで停止させるまで数キロかかってしまうので、地形も把握し、火災が発生したらどこに止められるのか、常に意識して運転しています。命を預かっているので、北陸トンネルの列車火災を念頭に置き、技術技量を磨き続けることが大切だと考えています」と話していました。
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