日本新聞: 国内唯一高速炉実験施設「常陽」運転再開時期の目標見直しへ

国内こくない唯一ゆいいつ高速こうそく炉ろ実験じっけん施設しせつ「常陽じょうよう」運転うんてん再開さいかい時期じきの目標もくひょう見直みなおしへ

Sep 22, 2020 11:09

Furigana

国くにが実用じつよう化かを目指めざす、プルトニウムを燃料ねんりょうにする高速こうそく炉ろの国内こくない唯一ゆいいつの実験じっけん施設しせつ「常陽じょうよう」の運用うんよう再開さいかいが、予定よていの2022年度ねんど末まつに間に合まにあわず、目標もくひょうを見直みなおすことがわかりました。

日本にっぽん原子力げんしりょく研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうは、2024年度ねんど以降いこうに再開さいかいさせたいとしていますが、高速こうそく炉ろ開発かいはつは全体ぜんたいとして先行さきゆきが見通みとおせない状況じょうきょうです。プルトニウムを燃料ねんりょうに使つかう高速こうそく炉ろの開発かいはつをめぐっては、実用じつよう化かを見据みすえて福井ふくい県けんにつくられた高速こうそく炉ろ「もんじゅ」がトラブルやコストを理由りゆうに4年ねん前まえに廃はい炉ろが決きまり、茨城いばらき県けんにある小型こがたの「常陽じょうよう」が唯一ゆいいつの実験じっけん用ようの高速こうそく炉ろとなっています。

「常陽じょうよう」はトラブルで2007年ねんから運用うんようが止とまり、現在げんざいは原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいの審査しんさを受うけていて、原子力げんしりょく機構きこうは審査しんさ終了しゅうりょう後ごに工事こうじを行おこなって、2022年度ねんど末まつに運用うんようを再開さいかいする予定よていでした。

しかし、審査しんさの合格ごうかく時期じきが見みえず、地震じしんや火災かさい対策たいさくの工事こうじや検査けんさなどに3年ねん程度ていどかかる見通みとおしとなったことから、2022年度ねんどは間に合まにあわず、目標もくひょうを見直みなおすことになりました。

原子力げんしりょく機構きこうは、2024年度ねんど以降いこう、国内こくないメーカーなどが「常陽じょうよう」で実験じっけんを計画けいかくしていることから、それまでには再開さいかいさせたいとしていますが、具体ぐたい的てきな時期じきは決きまっていません。

高速こうそく炉ろの開発かいはつは、「もんじゅ」の廃はい炉ろに続つづき、共同きょうどうで研究けんきゅうを進すすめているフランスも高速こうそく炉ろの建設けんせつ計画けいかくを当面とうめん見送みおくる方針ほうしんで、全体ぜんたいとして開発かいはつの先行さきゆきが見通みとおせない状況じょうきょうとなっています。