大だい相撲すもう秋場所あきばしょ 関脇せきわけ 正代しょうだいが初はつ優勝ゆうしょう

大だい相撲すもう秋場所あきばしょは14日にち目めを終おえて関脇せきわけ 正代しょうだいがただ1人にん2敗はいでトップに立たち、大関おおぜき 貴き景勝けいしょうと平幕ひらまくの翔しょう猿さるが星ほしの差さ1つで追おう展開てんかいでした。

千秋楽せんしゅうらく、正代しょうだいは翔しょう猿さると対戦たいせんし、突き落つきおとしで勝かって、13勝しょう2敗はいで初はつ優勝ゆうしょうを果はたしました。

時津とぎつ風ふう部屋へやの正代しょうだいは、熊本くまもと県けん出身しゅっしんの28歳さい。

3場所ばしょ連続れんぞくの関脇せきわけで迎むかえた今こん場所ばしょは、相手あいての力ちからを受け流うけながす上半身じょうはんしんの柔やわらかさに加くわえて前まえに出でる圧力あつりょくが増まし、7日にち目めまでに2敗はいを喫きっしたものの相手あいてを圧倒あっとうする相撲すもうが目立めだちました。13日にち目めにはトップに並ならんでいた貴き景勝けいしょう、14日にち目めには大関おおぜき 朝あさ乃山やまを相次あいついで破やぶり、重圧じゅうあつがかかる終盤しゅうばんになっても勝負しょうぶ強つよさを見みせました。

熊本くまもと県けん出身しゅっしん力士りきしの優勝ゆうしょうは初はじめてで、時津とぎつ風ふう部屋へやの力士りきしの優勝ゆうしょうは、昭和しょうわ38年ねん名古屋なごや場所ばしょの大関おおぜき 北葉きたば山さん以来いらい、57年ねんぶりです。

白はく鵬ほうと鶴つる竜りゅうの両りょう横綱よこづなが休場きゅうじょうし横綱よこづな不在ふざいとなった今こん場所ばしょは、終盤しゅうばんまで混戦こんせんとなりましたが、この1年ねんで何なん度ども優勝ゆうしょう争あらそいをするなど確たしかな実力じつりょくをつけた正代しょうだいが、両りょう大関おおぜきを退しりぞけて念願ねんがんの初はつ優勝ゆうしょうを果はたしました。

正代しょうだい「地元じもとの声援せいえんが力ちからに」

正代しょうだいは、取組とりくみ後ごの優勝ゆうしょうインタビューでまず「信しんじられないですね」と心境しんきょうを話はなしました。

優勝ゆうしょうを決きめた翔しょう猿さるとの一番いちばんについては、「初はじめての対戦たいせんだったので、とても意識いしきしたし、やりにくさを感かんじた。今いままでの相撲すもう人生じんせいで一番いちばん緊張きんちょうしたかもしれない。よく体からだが反応はんのうしてくれた」と振り返ふりかえりました。

地元じもと、熊本くまもとからの声援せいえんについては「たくさんの声援せいえんなどが力ちからになった。両親りょうしんも自分じぶんに心配しんぱいをかけないように気きを遣やっていたと思おもうが、とりあえず優勝ゆうしょうできて両親りょうしんに感謝かんしゃしたい」と話はなしました。

また、みずからの大関おおぜき昇進しょうしんについて尋たずねられると「ちょっとわからない。まだ全然ぜんぜんわからなくて。大関おおぜきは相撲すもう界かいに入はいる前まえから憧あこがれている地位ちい。信しんじられない」と話はなしていました。

正代しょうだい 学生がくせい横綱よこづなから大相撲おおずもうに

初はつ優勝ゆうしょうを果はたした正代しょうだいは熊本くまもと県けん宇土うと市し出身しゅっしんの28歳さい。

右みぎ四よっつやもろ差もろざしなど四つ身よつみの相撲すもうがうまく、相手あいての力ちからを受け流うけながすような上半身じょうはんしんの柔やわらかさが持ち味もちあじで、土俵際どひょうぎわでの逆転ぎゃくてんも得意とくいとしています。

東京とうきょう農業のうぎょう大学だいがくでは2年生ねんせいの時ときに「学生がくせい横綱よこづな」のタイトルを獲得かくとくするなど活躍かつやくし、平成へいせい26年ねん春場所はるばしょ、前ぜん相撲すもうで初はつ土俵どひょうを踏ふみ、持ち前もちまえの四つ相撲よつずもうで番付ばんづけを上あげていきました。

平成へいせい28年ねんの初はつ場所ばしょには新しん入幕にゅうまく、平成へいせい29年ねんの初はつ場所ばしょには新しん関脇せきわけ昇進しょうしんを果はたしました。

年とし6場所ばしょ制せいとなった昭和しょうわ33年ねん以降いこうに前ぜん相撲すもうでデビューした力士りきしとしては、所要しょよう11場所ばしょでの新しん入幕にゅうまくが3番目ばんめ、所要しょよう17場所ばしょでの新しん関脇せきわけ昇進しょうしんは2番目ばんめと、いずれもスピード出世しゅっせでした。

一方いっぽうで新しん十じゅう両りょうや新しん入幕にゅうまくの会見かいけんでは、「緊張きんちょうする。対戦たいせんしたい人ひとはいない」と答こたえるなど弱気よわきな一いち面めんも見みせ、“ネガティブ力士りきし”として話題わだいになりました。

それでも平成へいせい28年ねんにふるさとで発生はっせいした「熊本くまもと地震じしん」のあとは、たびたび被災ひさい地ちを訪おとずれ、地元じもとの期待きたいを強つよく自覚じかくするようになりました。

ことしに入はいって立ち合たちあいから前まえに出でる圧力あつりょくが増まして、初はつ場所ばしょで優勝ゆうしょう争あらそいに絡からみ、春場所はるばしょでは関脇せきわけに復帰ふっきし初はじめて三さん役やくで勝ち越かちこしました。さらに続つづく7月つき場所ばしょでも11勝しょうを挙あげ、横綱よこづな不在ふざいとなった今こん場所ばしょは混戦こんせんとなった終盤しゅうばんで2日にち連続れんぞくで大関おおぜきを破やぶる勝負しょうぶ強つよさも見みせて初はつ優勝ゆうしょうを果はたし、確たしかな実力じつりょくを証明しょうめいしました。

優勝ゆうしょう争あらそった翔しょう猿さる「力士りきし人生じんせいで一番いちばん楽たのしかった」

翔しょう猿さるは千秋楽せんしゅうらくの取組とりくみを終おえ、「うれしさ反面はんめん、悔くやしさが大おおきい。思い切おもいきり自分じぶんの相撲すもうを取とろうと思おもっていた。前まえに出でていたが詰つめが甘うまかった」と振り返ふりかえりました。

また、優勝ゆうしょうについては、「意識いしきしていなかった。勝かったら変かわってくるかなと思おもっていた」と話はなしていました。

そのうえで翔しょう猿さるは、「自分じぶんの相撲すもうを取とれていて体からだがよく動うごいていた。力士りきし人生じんせいで一番いちばん楽たのしかったと思おもう。これからもどんどん楽たのしい相撲すもうを取とっていきたいです。たまたまだと思おもわれないように、来場らいじょう所しょもけいこを積つんで活躍かつやくできるように頑張がんばります」と、来場らいじょう所しょに向むけた意気込いきごみも語かたっていました。

八角はっかく理事りじ長ちょう 正代しょうだいも翔かけ猿さるも評価ひょうか

日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいの八角はっかく理事りじ長ちょうは、初はつ優勝ゆうしょうを果はたした正代しょうだいについて「今こん場所ばしょは初日しょにちから内容ないようがよかった。本人ほんにんはうれしいが、地元じもとの人ひともうれしいだろう。この1年ねんは優勝ゆうしょう争あらそいに絡からむなどいい相撲すもうを取とっているのは確たしかだ。頑張がんばっていれば、いつかいいことがあるということなのかなと思おもう」とたたえました。

一方いっぽう、千秋楽せんしゅうらくで正代しょうだいに敗やぶれた新しん入幕にゅうまくの翔しょう猿さるについても「負まけはしたが、いい相撲すもうだった。自信じしんがついたのではないか」と評価ひょうかしていました。

また、今こん場所ばしょを振り返ふりかえって「お客おきゃくさんが協力きょうりょくしてくれてここまで来こられた。力士りきしもよく頑張がんばってくれたと思おもう。感染かんせん症しょうの先生せんせいたちの指導しどうのもと開催かいさいできたことはうれしい。また先生せんせいたちの意見いけんを聞ききながら進すすめないといけない」と話はなしていました。

中入なかいり後ごの勝敗しょうはい

▽逸いっノ城しろに十じゅう両りょうの千代ちよノ皇すめらぎは、逸いっノ城しろが上手じょうず投なげで、勝ち越かちこしました。

▽十じゅう両りょうの勢ぜいに松まつ鳳おおとり山さんは、松まつ鳳おおとり山さんが引っ掛ひっかけ。

▽佐田さたの海うみに新しん入幕にゅうまくの豊昇ほうしょう龍りゅうは、豊昇ほうしょう龍りゅうが寄り切よりきりで、勝ち越かちこし。佐田さたの海うみは負け越まけこしました。

▽志摩しまノ海うみに若わか隆景たかかげは、若わか隆景たかかげが寄り切よりきりで、11勝しょう目め。

▽徳とく勝しょう龍りゅうに阿武あぶ咲さきは、徳とく勝しょう龍りゅうが寄り切よりきり。

▽竜りゅう電でんに石浦いしうらは、石浦いしうらが下手へた出だし投なげ。

▽魁さきがけ聖ひじりに輝てるは、輝てるがすくい投なげで、勝ち越かちこし。魁さきがけ聖ひじりは負け越まけこしました。

▽高安たかやすに明生あきおは、高安たかやすが突き出つきだしで10勝しょう目め。

▽琴きん恵めぐみ光こうに宝たから富士ふじは、琴きん恵めぐみ光こうが寄り切よりきりで、勝ち越かちこし。宝たから富士ふじは負け越まけこしです。

▽琴きん奨すすむ菊きくに照あきら強きょうは、照あきら強きょうが寄り切よりきり。

▽妙義みょうぎ龍りゅうに炎ほのお鵬おおとりは、炎ほのお鵬おおとりが下手へた投なげ。

▽琴きん勝かち峰ほうに玉たま鷲わしは、琴きん勝かち峰ほうが突き出つきだしで、10勝しょう目めです。

▽北きた勝富かつとみ士しに栃とちノ心こころは、北きた勝富かつとみ士しが押し出おしだし。

▽碧へき山やまに隆たかしの勝かちは、隆たかしの勝かちが押し出おしだしで10勝しょう目め。碧へき山やまは負け越まけこしました。

▽関脇せきわけ 大栄おおえ翔しょうに隠岐おきの海うみは、大栄おおえ翔しょうが突き落つきおとし。

▽霧きり馬山まやまに関脇せきわけ 御嶽みたけ海うみは、霧きり馬山まやまが寄り切よりきりで、9勝しょう目め。御嶽みたけ海うみは8勝しょう7敗はいで終おえました。

▽2敗はいでトップに立たつ関脇せきわけ 正代しょうだいに、3敗はいで追おう新しん入幕にゅうまくの翔しょう猿さるは、正代しょうだいが突き落つきおとしで勝かって、13勝しょう2敗はいで初はつ優勝ゆうしょうを果はたしました。熊本くまもと県けん出身しゅっしん力士りきしの優勝ゆうしょうは初はじめてです。

▽大関おおぜき 朝あさ乃山やまに大関おおぜき 貴き景勝けいしょうは、貴き景勝けいしょうが押し倒おしたおしで、12勝しょう目め。朝あさ乃山やまは10勝しょう5敗はいで終おえました。