日本新聞: 難病のめいちゃんが届けたかった似顔絵

難病なんびょうのめいちゃんが届とどけたかった似顔絵にがおえ

May 30, 2020 06:05

Furigana

入院にゅういんしている子こどもと交流こうりゅうし、笑顔えがおを届とどけるクリニクラウンと呼よばれる道化師どうけしの団体だんたいがあります。新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで病院びょういんに入いれず活動かつどうを取とりやめていましたが、亡なくなった女の子おんなのこから届とどけられた似顔絵にがおえなどをきっかけに新あらたな活動かつどうを広ひろげていくことになりました。

似顔絵にがおえは、ことし3月つきに亡なくなっためいちゃんという5歳さいの女の子おんなのこの母親ははおやから届とどけられました。

めいちゃんは左ひだり心底しんそこ形成けいせい症候しょうこう群ぐんという難病なんびょうに指定していされている心臓しんぞうの病気びょうきで、生うまれてからほとんどの時間じかんを病院びょういんの中なかで過すごしました。

外そとに出でられないめいちゃんは、病院びょういんに来きて一緒いっしょに遊あそんだり楽器がっきを演奏えんそうしてくれたりするクリニクラウンのことが大好だいすきで、実際じっさいに会あった時ときにはうれしくて固かたまってしまうほどでした。

似顔絵にがおえに添そえられた母親ははおやからの手紙てがみには「めいが3月つき20日にちの1時じ45分ふんにお空そらに旅立たびだちました。新型しんがたコロナのため、めいに8日間にちかんも会あえず、（命いのちが危あぶないので）心臓しんぞうマッサージをしているから来きて下くださいという電話でんわがあり、久ひさしぶりの再会さいかいをしました」などと書かかれていて、5歳さいの子こどもが家族かぞくとも会あえない中なかで病気びょうきと闘たたかっていた姿すがたが浮うかばれました。

亡なくなっためいちゃんがクリニクラウンに会あったのは2月つきが最後さいごで、似顔絵にがおえはその後そのご「自分じぶんで渡わたす！」と言いって描えがき残のこしていたものでした。

出会であったクリニクラウンの丸まるく赤あかい鼻はなや大おおきな目めが描えがかれていて、似顔絵にがおえをめくると裏うらに赤あかいクレヨンで「ありがとう」と書き留かきとめていました。

母親ははおやの美由紀みゆきさんは手紙てがみに「めいの気持きもちを受け取うけとって下ください。めいはずーず-っとずっと（クリニクラウンの）動画どうがを見みていました。クリニクラウンさんに出会であえた事こと、本当ほんとうに本当ほんとうによかったと心こころから思おもいます。つらく痛いたい入院にゅういん生活せいかつに花はなを咲さかせてくれました。これからもたくさんの子こどもさんを楽たのしませてあげてください」とつづっていました。

ＮＰＯえぬぴ-お-法人ほうじん日本にっぽんクリニクラウン協会きょうかいは、ことし2月つきごろから病院びょういんへの訪問ほうもんを中止ちゅうししていましたが、届とどけられた似顔絵にがおえや医療いりょう現場げんばからの希望きぼうを受うけ、子こどもとウェブで交流こうりゅうする取り組とりくみや、クリニクラウンの動画どうがを配信はいしんする取り組とりくみに力ちからを入いれ、新あたらしい形かたちで笑顔えがおを届とどけることにしました。