ウミガメに
水温のセンサーを
取り付けて
データを
集め、
長期的な
海水温の
予測の
精度を
高めるユニークな
手法を
海洋研究開発機構などが
開発しました。
気象の
長期的な
予報には
海水温の
変化の
予測が
重要で、
人工衛星で
海面の
温度を
測定したり、ブイを
浮かべて
水深ごとに
計測したりしていますが、
データが
不足していて
正確な
予測は
難しいのが
現状です。
海洋研究開発機構と東京大学などの研究グループは、インドネシアの海岸で産卵のために浜辺に来た5頭のウミガメの甲羅に水温のセンサーを取り付けました。
センサーは、水深ごとに水温を測定し、水面に出ると人工衛星経由でデータを送信する仕組みになっていて、およそ3か月間の計測でウミガメは最大で1000キロ以上を移動し、水深250mまでのデータを集めることができたということです。
このデータを加えて計算した結果、インドネシア周辺の海域で3か月後の海水温の予測の精度を大幅に向上でき、実際の海水温の変化に近づけることができたということです。
センサーは、ウミガメが餌を取るのに邪魔にならず、2年以内に自然に外れるよう設計し、特別な許可を受けて取り付けたということで、グループは今後、継続してデータを取得して手法を確立したいとしています。
海洋研究開発機構の土井威志研究員は「これまでにない手法だが、精度は劇的によくなったと言える。今後、気象の正確な長期予測につなげていきたい」としています。