日本新闻: 少子化が止まらない出生数０の町では…

少子しょうし化かが止とまらない出生しゅっしょう数すう０ぜろの町まちでは…

Dec 24, 2019 16:12

Furigana

ことし１いち年間ねんかんに生うまれた子こどもの数かずを示しめす「出生しゅっしょう数すう」は全国ぜんこくで86万まん人にん余あまりと、はじめて90万まん人にんを下回したまわる見通みとおしとなったことが、厚生こうせい労働ろうどう省しょうのまとめでわかりました。全国ぜんこくの市町村しちょうそんの中なかには去年きょねん、子こどもが１いち人にんも生うまれなかったところも複数ふくすうあります。

山梨やまなし県けんの南西なんせい部ぶにある人口じんこう1000人にん余あまりの早川はやかわ町まちもその１ひとつです。少子しょうし高齢こうれい化かが進すすみ、65歳さい以上いじょうの人ひとは全体ぜんたいの45％にのぼっています。平成へいせい元年がんねん以降いこうで出生しゅっしょう数すうが「０ぜろ」となったのは平成へいせい23年ねん以来いらい２に度目どめです。

主要しゅよう産業さんぎょうの衰退すいたいや町内ちょうないに高校こうこうがないことなどで若者わかものが流出りゅうしゅつしたことが大おおきな要因よういんとみられています。

町内ちょうないにはもともと小しょう学校がっこうが６ろく校こうありましたが、閉校へいこうが相次あいつぎ、いまは２に校こうだけとなっています。

その１ひとつ、早川はやかわ北きた小学校しょうがっこうは全校ぜんこう児童じどうが20人にん。児童じどうが１いち人にんしかいない学年がくねんもあります。小学校しょうがっこうに併設へいせつされている保育ほいく所しょは８はち年ねん前まえに閉鎖へいさされました。

それでも町まちは教育きょういくの質しつを落おとしてはならないと、町まちが単独たんどくで教員きょういんを採用さいようし、各かく学年がくねんごとに担任たんにんを配置はいちするなど、少しょう人数にんずう教育きょういくに力ちからを入いれています。

早川はやかわ北きた小学校しょうがっこうの深澤ふかざわ順じゅん美び校長こうちょうは「生徒せいとの数かずが少すくないとチーム制せいのスポーツができないなど影響えいきょうはあるが、少しょう人数にんずうだからこそできるきめ細きめこまかい授業じゅぎょうを強つよみにしている」と話はなしていました。

小学しょうがく５ご年生ねんせいの女子じょし児童じどうは「人数にんずうは少すくないけれど、学年がくねんを越こえて仲なかよくなるので、寂さびしいと感かんじることはありません」と話はなしていました。

また町まちでは子こどもの減少げんしょうに歯止はどめを掛かけようと、子育こそだて支援しえんを拡充かくじゅうし、外そとから移住いじゅう者しゃを呼び込よびこむ政策せいさくも力ちからを入いれています。

小中こなか学校がっこうの問題もんだい集しゅうなどの教材きょうざい費ひや給食きゅうしょく費ひ、それに中学校ちゅうがっこうを卒業そつぎょうするまでの医療いりょう費ひを無料むりょうにしたほか、家族かぞくでの移住いじゅう者しゃには町営ちょうえい住宅じゅうたくや空き家あきやを利用りようできるよう支援しえんしています。

平成へいせい24年ねん以降いこうに合あわせて22世帯せたいが移住いじゅうし、ことしは移住いじゅうしてきた世帯せたいから子こどもが２に人にん生うまれました。

早川はやかわ町まちの辻つじ一幸かずゆき町長ちょうちょうは「特とくにわれわれのような地域ちいきは、子育こそだて支援しえんの拡充かくじゅうや移住いじゅう促進そくしんなどの政策せいさくを１いち歩ほ１いち歩ほやっていかないと地域ちいきの存続そんぞくが厳きびしい時代じだいになってくると思おもう。自然しぜんの中なかに価値かちを見みいだしながら、働はたらきに出でたり子育こそだてできるという存在そんざい感かんのある町まちを目指めざしていきたい」と話はなしています。