科学論文を
公開するため、
研究者が
雑誌の
出版社に
料金を
支払うケースが
増えていて、
京都大学が
学内の
状況を
調べたところ、
昨年度の
投稿料は
最大で
およそ2億円だったことが
分かりました。
専門家は、
研究費を
圧迫している
おそれがあり、
国内全体の
状況を
調べる
必要が
あると
指摘しています。
科学雑誌は
これまで
主に
購読料を
支払って
読む形式だったため、
研究者が
論文を
投稿する
際に
料金は
生じませんでしたが、
近年は
誰でも無料で
読めるように
公開する
一方で、
投稿した
研究者から
投稿料を
受け取るオープンアクセスと
呼ばれる
方式が
増えています。
こうした中、京都大学が、所属する研究者を対象にオープンアクセスの利用状況を調べたところ、昨年度、オープンアクセスで投稿した論文は最大で1400本、投稿料は最大で1億9000万円だったことが分かりました。
投稿料の平均はおよそ13万6000円となっていて、前の年度と比べて、論文数は20%余り増加し、投稿料の総額もおよそ18%増加したということです。
科学雑誌の現状に詳しい国立情報学研究所の安達淳副所長は「信頼性の高い調査としては初めて行われたものといえる。投稿料の負担によって研究費を圧迫しているおそれがあり、国内全体の状況を早急に調べて対応を検討する必要がある」と指摘しています。