日本新聞: 臨床試験後に電柱から飛び降り死亡薬投与が原因か

臨床りんしょう試験しけん後ごに電柱でんちゅうから飛び降とびおり死亡しぼう薬くすり投与とうよが原因げんいんか

Nov 30, 2019 04:11

Furigana

ことし６月ろくがつ、大手おおて製薬せいやく会社かいしゃ「エーザイ」が、てんかんの治療ちりょう薬やくを開発かいはつするために行いった臨床りんしょう試験しけんで、薬くすりを投与とうよされた健康けんこうな男性だんせいが高たかいところから飛び降とびおりて死亡しぼうし、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、薬くすりの投与とうよが死亡しぼうの原因げんいんとなったことが否定ひていできないとする調査ちょうさ結果けっかをまとめました。近ちかく、エーザイなどに適切てきせつな臨床りんしょう試験しけんを行おこなうよう文書ぶんしょで指導しどうすることにしています。この問題もんだいは、大手おおて製薬せいやく会社かいしゃのエーザイが新あたらしい抗こうてんかん薬やくを開発かいはつするために東京とうきょう墨田すみだ区くの病院びょういんで行おこなった臨床りんしょう試験しけんで、ことし６月ろくがつに薬くすりを投与とうよされた健康けんこうな20代だいの男性だんせいが、退院たいいんした翌日よくじつに電柱でんちゅうから飛び降とびおりて死亡しぼうしたものです。

こうした臨床りんしょう試験しけんで健康けんこうな被験者ひけんしゃが死亡しぼうするのは極きわめて異例いれいで、厚生こうせい労働ろうどう省しょうが調査ちょうさを進すすめてきました。

その結果けっか、死亡しぼうした男性だんせいは、退院たいいんした日ひに医師いしに対にたいし、「入院にゅういん中ちゅう、幻聴げんちょうなどがあった」と訴うったえていたことが分わかりました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは死亡しぼうした男性だんせいには精神せいしん科かの受診じゅしん歴れきが無なく、類似るいじするほかの抗こうてんかん薬やくの一部いちぶに自殺じさつを図はかるリスクがあることなどから、「薬くすりの投与とうよが死亡しぼうの原因げんいんとなったことが否定ひていできない」とする見解けんかいをまとめました。

そのうえで、臨床りんしょう試験しけんの問題もんだい点てんとして、精神せいしん科か医いの診察しんさつが受うけられない病院びょういんで行おこなっていたことや、男性だんせいに自殺じさつを図はかるリスクがあることを口頭こうとうで説明せつめいしていたものの書面しょめんで詳くわしく提示ていじしていなかったことなどを指摘してきし、近ちかく、エーザイや医療いりょう機関きかんに対にたいして、適切てきせつな臨床りんしょう試験しけんを行おこなうよう文書ぶんしょで指導しどうすることになりました。