日にち米べいの新しん貿易ぼうえき協定きょうてい 国会こっかいで承認しょうにん 来年らいねん１月いちがつ１いち日にち発効はっこうの方向ほうこうで調整ちょうせい

この中なかで自民党じみんとうは「懸念けねんされた自動車じどうしゃの追加ついか関税かんぜいは課かされないことが確認かくにんされ、さらなる交渉こうしょうによる関税かんぜい撤廃てっぱいについても協定きょうてい上じょう、明記めいきされている。農業のうぎょう分野ぶんやもアメリカ産さん牛肉ぎゅうにくと豚肉ぶたにくの関税かんぜい削減さくげんはＴＰＰ協定きょうていと同おなじ水準すいじゅんであり、わが国わがくにの国益こくえきはしっかりと守まもられ、増進ぞうしんした」と述のべました。

一方いっぽう、立憲りっけん民主みんしゅ党とうなどの会派かいはは「自動車じどうしゃ、自動車じどうしゃ部品ぶひんの関税かんぜい撤廃てっぱいを勝ち取かちとることができず、今後こんごの交渉こうしょうでも関税かんぜい撤廃てっぱいは確約かくやくされていない。日にち米べい貿易ぼうえき協定きょうていは日にち米べい双方そうほうにとってウィンウィンの成果せいか物ぶつではなく、日本にっぽんにとって完全かんぜん敗北はいぼくの内容ないようであることは明あきらかだ」と批判ひはんしました。

このあと採決さいけつの結果けっか、国会こっかい承認しょうにんを求もとめる議案ぎあんは自民じみん・公明こうめい両りょう党とうと日本にっぽん維新いしんの会かいなどの賛成さんせい多数たすうで可決かけつ・承認しょうにんされました。

またインターネットを使つかった商しょう取引とりひきのルールを定さだめた日にち米べいデジタル貿易ぼうえき協定きょうていもあわせて可決かけつ・承認しょうにんされました。

政府せいふは近ちかく、協定きょうていの締結ていけつを閣議かくぎ決定けっていし、アメリカに通知つうちする方針ほうしんです。

日にち米べい貿易ぼうえき協定きょうていは両りょう政府せいふが合意ごういする日ひに発効はっこうすると定さだめられていて、日にち米べい両りょう政府せいふは来年らいねん１月いちがつ１いち日にちを協定きょうていの発効はっこう日びとする方向ほうこうで調整ちょうせいしています。

農産のうさん品ひんと工業こうぎょう品ひんの物品ぶっぴん関税かんぜいに関にかんする日にち米べい２に国こく間かんの協定きょうてい

日にち米べいの新あらたな貿易ぼうえき協定きょうていは農産のうさん品ひんと工業こうぎょう品ひんの物品ぶっぴん関税かんぜいに関にかんする日にち米べい２に国こく間かんの協定きょうていです。

このうち農産のうさん品ひんの分野ぶんやで日本にっぽんは、アメリカが求もとめる市場しじょう開放かいほうにＴＰＰ＝環太平洋かんたいへいようパートナーシップ協定きょうていの水準すいじゅんを超こえない範囲はんいで応おうじます。

牛肉ぎゅうにくは現在げんざい38.5％の関税かんぜいを2033年度ねんどに９きゅう％まで引き下ひきさげる一方いっぽう、国内こくないの畜産ちくさん農家のうかへの影響えいきょうを抑おさえるため、一定いっていの数量すうりょうを超こえれば関税かんぜいを緊急きんきゅう的てきに引き上ひきあげる「セーフガード」と呼よばれる措置そちが導入どうにゅうされます。

豚肉ぶたにくは価格かかくの安やすい肉にくにかけている１いちキロ当あたり最大さいだい482円えんの関税かんぜいを2027年度ねんどに50円えんに、価格かかくの高たかい肉にくにかけている4.3％の関税かんぜいは2027年度ねんどに撤廃てっぱいします。

小麦こむぎについては国くにが一括いっかつして輸入ゆにゅうし、国内こくないの製粉せいふん業者ぎょうしゃなどに販売はんばいする「国家こっか貿易ぼうえき」の仕組しくみは維持いじしたうえで、アメリカに対にたいし、最大さいだいで15万まんトンの輸入ゆにゅう枠わくを新あらたに設もうけます。

これらはいずれもＴＰＰの交渉こうしょう時じに日本にっぽんがアメリカと合意ごういしていた内容ないようと同おなじ水準すいじゅんです。

一方いっぽう、日本にっぽんが最もっとも重要じゅうような品目ひんもくとして交渉こうしょうに臨のぞんだコメは１いちキロ当あたり341円えんという高たかい関税かんぜいは維持いじしたうえで、ＴＰＰ交渉こうしょうで日本にっぽんがアメリカに設定せっていした年間ねんかん最大さいだい７なな万まんトンの無む関税かんぜいの輸入ゆにゅう枠わくは設もうけないことになりました。

また乳製品にゅうせいひんもバターや脱脂だっし粉乳ふんにゅうなどの低てい関税かんぜいの輸入ゆにゅう枠わくは設もうけないとしていて、いずれもアメリカ側がわが譲歩じょうほした形かたちです。

さらにアメリカへの輸出ゆしゅつの分野ぶんやでは、牛肉ぎゅうにくは低ひくい関税かんぜいが適用てきようされる枠わくが実質じっしつ的てきに拡大かくだいすることになり、日本にっぽん産さん牛肉ぎゅうにくの輸出ゆしゅつの増加ぞうかが期待きたいされます。

一方いっぽう、工業こうぎょう品ひんの輸出ゆしゅつをめぐっては主要しゅような輸出ゆしゅつ品ひんである自動車じどうしゃと関連かんれん部品ぶひんの扱あつかいが継続けいぞく協議きょうぎとなり、国会こっかい審議しんぎではこの分野ぶんやの交渉こうしょう内容ないようが論点ろんてんとなりました。

政府せいふは協定きょうていの付属ふぞく書しょに、「関税かんぜい撤廃てっぱいに関にかんしてさらに交渉こうしょうする」と記載きさいされたことなどを踏ふまえ、将来しょうらい的てきな関税かんぜい撤廃てっぱいは合意ごうい事項じこうであり、今後こんご、どのくらいの期間きかんをかけて撤廃てっぱいするかについてアメリカと交渉こうしょうしていくと説明せつめいしています。

これに対にたいし、野党やとう側がわは自動車じどうしゃ関税かんぜいをめぐる交渉こうしょうの継続けいぞくを確認かくにんしたにすぎず、関税かんぜい撤廃てっぱいは確約かくやくされたものではないなどと批判ひはんしました。

また政府せいふはアメリカが通商つうしょう拡大かくだい法ほう232条じょうに基もとづく日本にっぽん車しゃへの追加ついか関税かんぜいや、日本にっぽんからの自動車じどうしゃの輸出ゆしゅつを制限せいげんする数量すうりょう規制きせいを発動はつどうしないことを首脳しゅのう間かんや閣僚かくりょう間かんで確認かくにんしたとしていますが、野党やとう側がわは「口約束くちやくそくにすぎない」などと追及ついきゅうしました。

貿易ぼうえき協定きょうていの今後こんごは？

日にち米べい貿易ぼうえき協定きょうていは両国りょうこくが国内こくない手続てつづきを完了かんりょうしたことを通知つうちした日ひから30日にち後ご、もしくは両国りょうこくが合意ごういする日ひに発効はっこうすると定さだめられていて、日にち米べい両りょう政府せいふは来年らいねん１月いちがつ１いち日にちを協定きょうていの発効はっこう日びとする方向ほうこうで調整ちょうせいしています。

協定きょうていの発効はっこう後ごはことし９月くがつの日にち米べい共同きょうどう声明せいめいに沿そって、発効はっこう日びから４よんか月かげつ以内いないに次つぎの交渉こうしょう分野ぶんやをめぐる協議きょうぎを行おこなうとされています。

次つぎの交渉こうしょう分野ぶんやをめぐっては、野党やとう側がわが農産のうさん品ひんやサービスなどの分野ぶんやでアメリカからさらなる譲歩じょうほを求もとめられるのではないかと指摘してきしているのに対にたいし、政府せいふは日本にっぽん側がわが交渉こうしょう対象たいしょうとして想定そうていしているのは継続けいぞく協議きょうぎとなった自動車じどうしゃ分野ぶんやのみだと説明せつめいしています。

一方いっぽう、共同きょうどう声明せいめいの記載きさい内容ないようが「日にち米べい両国りょうこくは交渉こうしょうを開始かいしする『意図いと』である」と断定だんてい的てきな書き方かきかたを避さけていることなどから、実際じっさいに交渉こうしょうが始はじまるかどうかは不透明ふとうめいだという指摘してきも出でています。