日産自動車のカルロス・ゴーン
会長が
金融商品取引法違反の
疑いで
逮捕された
事件で、
日産の
取締役に
支払われた
報酬の
総額が、
株主総会で
承認された
額より
毎年10
億円程度少なかったことが
関係者への
取材で
分かりました。
東京地検特捜部は
ほかの
取締役に
支払われなかった
報酬の
一部がゴーン
会長に
流れていた
疑いが
あるとみて
実態解明を
進めています。
日産自動車の
会長、カルロス・ゴーン
容疑者(64)は、
平成27
年までの
5年間に
有価証券報告書にみずからの
報酬を
実際より50
億円余り少なく
記載していたとして、19
日、
代表取締役のグレッグ・ケリー
容疑者(62)とともに、
金融商品取引法違反の
疑いで
東京地検特捜部に
逮捕されました。
日産では平成22年以降、取締役への報酬の総額は毎年およそ30億円と株主総会で承認されていましたが、実際に取締役に支払われた報酬は承認された額より毎年10億円程度少なかったことが関係者への取材でわかりました。
関係者によりますと、ゴーン会長には株主総会で承認された報酬との差額をどのように取締役に分配するか決める権限があったということで、特捜部はほかの取締役に支払われなかった報酬の一部がゴーン会長に流れていた疑いがあるとみて実態解明を進めています。
執行役員と「司法取引」に合意 適用2例目か
今回の事件で、東京地検特捜部は日産自動車の外国人の執行役員との間で捜査協力の見返りに刑事処分を軽くする「司法取引」に合意していたことが関係者への取材でわかりました。
「司法取引」はことし6月に導入された新たな制度で適用されるのは2例目とみられます。
関係者によりますと、特捜部との間で「司法取引」に合意したのは日産の法務部門の幹部を務めていた外国人の執行役員だということで、ゴーン会長への住宅の無償提供などに関わっていた疑いがあるということです。
「司法取引」は企業犯罪や組織犯罪などを解明する新たな捜査手法としてことし6月に導入された新たな制度です。
適用されるのは、ことし7月にタイでの発電所事業に関連して現地の公務員に賄賂を渡したとして大手発電機器メーカーの元取締役らが在宅起訴された事件に続いて2例目とみられます。