Japanese News: 藤井七段「タイトルに近づける１年に」

去年きょねんも活躍かつやくを続つづけた将棋しょうぎの高校生こうこうせい棋士きし、藤井ふじい聡さとし太たい七なな段だんが、ＮＨＫえぬえいちけいのインタビューに応おうじ、「トップ棋士きしと対戦たいせんする中なかで、課題かだいが明確めいかくになり、成長せいちょうの糧かてとなる１いち年ねんだった」と振り返ふりかえったうえで、「実力じつりょくをさらに上あげてタイトルに近ちかづけるよう頑張がんばりたい」と、ことしの抱負ほうふを語かたりました。藤井ふじい聡さとし太たい七なな段だん（16）は、去年きょねんは史上しじょう最年少さいねんしょうで七なな段だんに昇段しょうだんしたほか、２ふたつの棋戦きせんで優勝ゆうしょうし、先月せんげつには、歴代れきだいのトップ棋士きしの中なかでは最年少さいねんしょうとなる16歳さい４よんか月かげつで通算つうさん100勝しょうを達成たっせいしました。

ＮＨＫえぬえいちけいのインタビューに応おうじた藤井ふじい七なな段だんは、去年きょねん１いち年間ねんかんの活躍かつやくについて、「『朝日あさひ杯はい』『新人しんじん王おう戦せん』で優勝ゆうしょうした一方いっぽう、竜王りゅうおう戦せん、王座おうざ戦せんなどのタイトル戦せんでは敗退はいたいしました。少すこしずつ成長せいちょうできているなと感かんじますし、指さす内容ないようも結果けっかもともに上向うわむいていると思おもいます」と述のべました。

さらに、「トップ棋士きしと対戦たいせんする機会きかいを得えて、相手あいてのほうが形勢けいせい判断はんだんが上回うわまわっていると感かんじる場面ばめんがありました。自分じぶんの課題かだいが明確めいかくになったので今後こんごの成長せいちょうの糧かてとなる１いち年ねんだったと感かんじています」と振り返ふりかえりました。

また、若手わかてが台頭たいとうしてタイトルを分け合わけあっている今いまの将棋しょうぎ界かいについて、「20代だいの方ほうが台頭たいとうしてきて、トップを争あらそう棋士きしがかなりたくさんいて、とても層そうが厚あつくなっていると感かんじています。自分じぶんはトップの方ほうとはまだ少すこし差さがあるので、実力じつりょくをもっとつけて上うえを目指めざすしかないと思おもいます」と分析ぶんせきしました。

一方いっぽう、去年きょねん春はるからの高校こうこう生活せいかつについては「将棋しょうぎと学校がっこうといいバランスが保たもてていると感かんじています。家いえで将棋しょうぎばかりしていても行き詰いきづまることもあるので、学校がっこうに行いくことでまた違ちがう刺激しげきがあり、よい影響えいきょうがあります。学校がっこうでは自分じぶんも友人ゆうじんも将棋しょうぎの話はなしを全然ぜんぜんしないかわりに鉄道てつどうの話はなしをすることが多おおいです」と話はなしました。

趣味しゅみの鉄道てつどうについては、「自分じぶんは鉄道てつどうに乗のるのが好すきで、去年きょねん夏なつには山梨やまなしと長野ながのを結むすぶ小海こうみ線せんに乗のり、非常ひじょうに景色けしきもよくて印象いんしょうに残のこっています。将棋しょうぎのことばかり考かんがえていてもなかなか新あたらしい発想はっそうが浮うかばない時ときもあり、そういう時ときに気分きぶんを切り替きりかえられるという意味いみでいいと思おもっています」と語かたりました。

今後こんご、将棋しょうぎ以外いがいに挑戦ちょうせんしてみたいことを問とわれると、長ながく考え込かんがえこんだ末すえに「将棋しょうぎの話はなしになってしまうのですが」と切り出きりだし、「戦型せんけいはもちろんですが、中盤ちゅうばんにこれまでよりもっと自由じゆうな発想はっそうというか、いろいろな手てを模索もさくして、自分じぶんの将棋しょうぎの枠わくを広ひろげてどんな形かたちでも指さしこなせるようになりたい」と話はなしました。

そして、ことしの目標もくひょうについて、『進歩しんぽ』という字じを色紙いろがみにしたため、「去年きょねんから取り組とりくんできた形勢けいせい判断はんだんの改善かいぜんといったことをもう一いち歩ほ上じょうに進すすめて、さらに強つよくなれる１いち年ねんにしていきたい」と説明せつめいし、「去年きょねんはタイトルに挑戦ちょうせんするまでには至いたらなかったので、ことしはもう一いち歩ほ、タイトルに近ちかづけるように頑張がんばりたいと思おもっています」と意気込いきごみ語かたっていました。

去年きょねんは記録きろくずくめ

藤井ふじい七なな段だんはおととし、公式こうしき戦せんで29連勝れんしょうして最多さいた連勝れんしょう記録きろくを30年ねんぶりに更新こうしんしたあとも勝かちを重かさね、去年きょねんもさまざまな記録きろくを打ち立うちたてました。

１いち年ねん前まえには、デビュー時じと同おなじ四よん段だんだったものの、２月にがつ１いち日にちに五ご段だんに昇段しょうだんし、僅わずか半月はんつき後ごの２月にがつ17日にちには「朝日あさひ杯はい将棋しょうぎオープン戦せん」で、当時とうじ二に冠かんだった羽生はぶ善治よしはるさんらを破やぶって優勝ゆうしょうして、六ろく段だんとなりました。５月ごがつ18日にちには七なな段だんとなり、最年少さいねんしょう記録きろくを塗り替ぬりかえました。

多おおくのトップ棋士きしが参加さんかするタイトル戦せんは、いずれも予選よせんなどで敗退はいたいしましたが、それ以外いがいの棋戦きせんでは、朝日あさひ杯はい将棋しょうぎオープン戦せんに続つづいて、10月つき17日にちには「新人しんじん王おう戦せん」で最年少さいねんしょうでの優勝ゆうしょうを果はたしました。

先月せんげつ12日にちには通算つうさん100勝しょうを達成たっせいし、日本にっぽん将棋しょうぎ連盟れんめいによりますと、16歳さい４よんか月かげつでの達成たっせいは、歴代れきだいのトップ棋士きしの中なかで最年少さいねんしょうで、プロ入いりから達成たっせいまでの速はやさと、84.7％というこの時点じてんでの勝率しょうりつも歴代れきだいのトップ棋士きしを上回うわまわっています。

ことしも数々かずかずの期待きたいが

藤井ふじい七なな段だんは、名人めいじんを頂点ちょうてんとする棋士きしのランクを決きめる順位じゅんい戦せんでは、デビューから負まけ無なしの17連勝れんしょう中ちゅうで、今月こんげつ８はち日にちの対局たいきょくに勝かてば、中原なかはら誠まこと十じゅう六ろく世せい名人めいじんが持もつデビュー時じからの連勝れんしょう記録きろく18に並ならびます。

順位じゅんい戦せんは現在げんざい、下したから２に番目ばんめのＣし-級きゅう１いち組くみに在籍ざいせきしていますが、上位じょうい２に人にん以内いないに入はいれば２に期き連続れんぞくの昇級しょうきゅうとなり、高校こうこう２に年生ねんせいとなる新しん年度ねんどは１ひとつ上じょうのＢび-級きゅう２に組くみに進すすむことになります。